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Pythonで可視化しながら電気を学び直す~その1:オームの法則の直観的理解

Last updated at Posted at 2025-02-09

はじめに

最近ChatGPTとPythonの合わせ技で数学の学び直しをしているんですが、ふと「電気関係の理解」にも使えるじゃんかよ、っと気づいてサイドクエストとして「電気」の学び直しをしすることにしました。

第一弾は「基本のキ」であろうオームの法則です。

$V = I \times R$

$電圧V = 電流I \times 抵抗R$

変形としては

$I = \frac{V}{R}$ と $R = \frac{V}{I}$ というのもあります。これらの関係を可視化してしっかり頭の中でイメージ出来るようにするというのがこの記事の目的です。

コードとさらに詳しい内容

生成したPythonコード等はここに置いています。ぜひそちらも読んでみてください。

3次元グラフでオームの法則のイメージを掴む

まずは電流I,抵抗R、電圧Vの3つの変数を3つの軸に取った3次元グラフで全体像を見てみましょう。

image.png

とても興味深い、ちょっとイレギュラーな形状のサーフェイス(表面)が見えます。このイメージを深掘りしてくので、まだ意味がよく分からなくても大丈夫です。

ここで押さえておくべき点は、IとRのが交差する全ての「点」において「高さ」があり、「高さ=電圧」ということ。つまりこのグラフでは濃い紫色は「電圧が低い」であり黄色の部分が「電圧が高い」ということです。

電流Iが「固定」されている時の抵抗Rと電圧Vの関係

下の3次元グラフではIの値を適当に2と8にした場合の「抵抗Rと電圧V」の関係を表す直線を3次元空間で表してます。

image.png

そして、全く同じ2つの直線(赤とピンク)を2次元グラフに表したのが下図です(I次元を固定したので次元数を3から2に減らしたので「平面図」にすることが出来たのです)

イメージとしては3次元空間を、右側が真正面になる視点から見た様子になります。

image.png

ここから分かることは「抵抗Rと電圧V」の関係は、単純な比例の関係にあることと、固定した電流の大きさによって、同じ抵抗値でも生じる電圧は高いということです。例えば抵抗が10.0Ωでも、流れている電流が2Aの時より8Aの時の方が電圧が4倍も大きいことが分かります。

抵抗Rが「固定」されている時の電流Iと電圧Vの関係

$電圧V = 電流I \times 抵抗R$ の関係をみると電流Iと抵抗Rはお互い掛け合わされるので、どちらの視点でみても性質は同じですから、グラフも同じようになります。

image.png

3次元空間に書いた2本の直線は、左手前を正面にした2次元グラフとして眺めることが出来ます。

image.png

このことから、ネットで見かけるオームの法則を説明する2次元グラフの根本的な意味が理解できます。あれは単に、電流Iか抵抗Rのいずれかを「固定した」場合に見える、のこり2つの変数の関係だったんですね。この直観がないと、いつまで2次元グラフを眺めてもすっきり頭で整理できません。3次元のサーフェイスを思いだしましょう!

電圧Vを固定してイメージするとどうなる?

電流Iと抵抗Rをそれぞれ固定して、残りの2つの変数の関係(電圧Vと固定しなかった方)を見てきましたが、そうなると電圧Vを固定した時の平面図も見たくなりますよね。

実はこの平面図が $I = \frac{V}{R}$ と $R = \frac{V}{I}$ というオームの法則の変形式をしっかり理解するのに役立つことが分かりました。

image.png

3次元空間での「高さ」が電圧Vを表していたので、固定することはすなわち「水平にスパっと切る」ことで生まれる曲線が、残りの電流Iと抵抗Rの関係を表すことになります。

真上から見るとこのようになります。

image.png

この曲線は点の集合であり、その全ての点でに座標(i, r)の「積」は、その固定された電圧Vの値になるはずです。

例えば、V=25の曲線では電流2Aの時は抵抗は12.5になりますし、電流8Aの時は抵抗3.125ぐらいになります。

つまり

$12.5 = \frac{25}{2} $

$3.125 = \frac{25}{8} $

となり、つまりこれは

$抵抗R = \frac{25}{電流I} $

の式だということです。

どの点を取っても積が25になるので、片方が分かればもう片方も決まるのは当たり前です。

image.png

ところで昔は、こういうのを使って覚えましょう、とういのがあるけれどそういう本質と関係ないことを覚えることになるのであまり効果がないと感じます。

image.png

だったら、3次元空間に置いたオームの法則をイメージする → 電圧を固定する → 垂直に切った際に出来る双曲線を2次元グラフにイメージする、という流れを何度か練習していた方が頭に定着します。

これらの曲線は「逆比例の関係」を表しているので電流Iが大きければ大きいほど、割る数が大きいので、結果(抵抗R)は小さくなります(逆の「抵抗Rが大きければ大きいほど、割る数が大きいので、結果(電流I)は小さくなります。

電圧が125Vの時の曲線はやや直線に近くなるのはなぜ?

この答えは「グラフの範囲が狭いのでそう錯覚してしまうけれど、実際には双曲線になる」です。

以下の図では灰色のエリアが、今まで見てきた2次元グラフに対応します。

image.png

いずれの曲線も電流Iと抵抗Rの逆比例を表す曲線になっています。

まとめ

オームの法則はややこしいと感じてしまう人もいますし、私もすっきりと頭で整理できていませんでした。ですが3次元空間に、電流、抵抗、電圧の全てを表す状態にして可視化することで、その本質を理解することが出来ました。そこを出発点に2次元グラフや変化形の式などを考えると、混乱なく理解することが出来ました。

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