いきなりその2から書きますが・・
「コンストラクトメニューを使えるようになること」です。
(その1は「Fusion 360の操作の作法を身に着ける」です。特にパワポのようなイメージを作成するソフトの習慣がついている場合に混乱するので、パワポとside-by-sideで比べた記事を書く予定です)。

(英語のメニュー設定なので対応する日本語は分かりません。言語設定を変えればわかるんですが、そのまま英語でやります)
初心者が先に進めない理由
一言で表すと、既存の3面(つまりXY面、XZ面、YZ面)と既存の3軸(XとYとZ)でしか使えない状態です。この状態から脱して、自由に空間に面や軸を配置できるようにならないと、先に進めません。
私(初心者)にとって、Fusion 360を使い始めて割と簡単にSketchをExtrudeして簡単な立体構造を作れるようになります。XY面や、XZ面などにいろんなSketchを書いて、Extrudeだけで、立体構造をより複雑なものに出来ます。でも、これだと作れるものに限界があるし、かなり面倒な操作で求めているイメージの構造を作ることになります。私もそうやっていくつかプロジェクトを作りましたが、今思うとかなり非効率的なことをやってたと思います。
ここから脱することが大切で、この記事ではその点について解説します。
イメージする練習
面や軸を空間に自由に配置できるようになる方法として、ひとつひとつのメニューに練習として使ってみて「操作した結果、どうなったか」を考えながらパターンを理解していく方法があります。それもいいんですが、時間が係ります。私もこの週末やりました。
で、おおよそ理解できたので、今ここではまって抜けられない人に役に立つように「やりたいことのイメージ」をスタートにして、その結果を得るには「どの操作を使えばいいのか」という流れで解説していきたいと思います。全ての操作のイメージを解説することは出来ませんが、いくつか簡単な例を上げてみます。イメージは人それぞれなので、操作を学ぶ時により具体的なイメージを思いつくようにしてみると、思い出しやすいし忘れにくくなると思います。
イメージ1 - 2階建てバスを作る

1階建てのバスがありますね。では2階建てにしたいとします。その時にまず必要になるのは「2階の床」です。これは一番直感的に理解しやすいと思います。
操作は Offset Plane (一番上のメニュー)です。1階を面を指定してやるだけです。1階の面は例えばすでにあるボディーの上面などです。指定するとExtrudeと同じやりかたで「上への距離」を指定できます。そうすることで、オレンジ色の「面」が新たに出来ます。この新しい「面」を選んで、新規Sketchにすれば、この面上にSketchが描かれます。
初めて、既存の面以外の面でSketchを描けたと思います。これが一番よく使うCONSTRUCTのメニューじゃないかな。
なおこのイメージは「1階から2階」という上方向だけでなく、「1枚の壁から隣の壁」のように横方向も全く同じように出来ます。イメージとしてはマンガ喫茶の個室の壁を横方向にどんどん増やしていく感じかな。
イメージ2 - 食堂の机の端にトレーを置いて、傾けてみる

食堂でなくてもいいですが、机があったとします。椅子に腰かけてトレーを机の端に、半分ぐらい出た状態で持ちます。トレーのバランスによってはトレーが傾いて落ちそうになりますよね。そういう感じで置いたトレーで「机の上面とは角度がちょっと異なる面」を作ることができます。
メニューは2番目のPlane at angleです。
これで作った面にを「1階の床」と見立てれば、斜め方向の空間にどんどん進んで行けます。角度を選べるようになったことで、かなり自由度が高くなったと思います。
イメージ3 - バームクーヘンの一切れを2等分する

バームクーヘンは輪切りではなくて「扇の形」をしてるとします(バームクーヘンがよくイメージ出来ない人は「扇もしくは扇子を真ん中から真っ二つに切る」というイメージでもいいです。
バームクーヘンには切り口が二つありますよね。その両面から等しい距離、すなわち真ん中で、ちょうど2等分するように切る。実際には切らないで、その2等分の位置にあたらしい面を作るのです。
操作は上から4番目の Midplane です(3番目はスキップしました)。
Midplane のアイコンは長方形の立方体を2等分しているイメージですが、それはバームクーヘンではなく羊羹の一切れだった場合です。どちらも「切り口が二つ」なので同じそうさで出来ます。
これで、2つの面に挟まれた空間に何か立方体かそれを利用したCutを作ることが出来るようになりました。さらに自由になった感じになりませんか?
イメージ4 - サンドイッチを3角形に切る

これは、ほぼ正方形のサンドイッチを、きれいに2等分するイメージで、包丁が角をきれいに切っていくようすです。サンドイッチを重ねた状態で、角を上下の線と見立てて、2つの線を指定してあげます。
この操作は Plane Through Two Edges です。
ちなみに、エッジ(線が)同じ面にないもの(湾曲しないと繋がらないような2つのエッジ)は選ぶことが出来ません。
まとめ
「面」に関してのいくつかのイメージを解説しましたが、これ以外に「軸」と「点」があります。メニューを見ると「軸関連の操作」が2番目のグループで、「点関連の操作」が3番目ですが、学習する順番としては「点関連の操作」を先にした方がいいと思います。というのも、「点」は「面」や面の一部である「エッジ」を元に作成することが出来るので順番としてはそちらの方が自然です。さらに「軸」は「点」を使う操作がいくつかあるので、空間に点を自由に置けるようになってからの方がいいと思います。