世の中には、一見関係がありそうなのに、実は全く関係ないものって、たくさんありますよね。例えば、「ニワトリが鳴くと太陽が昇る」というのは、ただの偶然に過ぎません。ニワトリが鳴かなくても、太陽はちゃんと昇るんです。
でも、人間の脳は、こういう偶然の出来事を、因果関係があるものと勘違いしてしまうことがあります。これを「錯覚相関」と呼ぶのですが、まるで、目の錯覚で、実際にはないものが見えてしまうようなものです。
錯覚相関に騙されないためには、どうすれば良いのでしょうか? そこで登場するのが、「ランダム化比較試験(RCT)」です。RCTは、まるで、真実を見抜くための「名探偵コナン」のような存在です。
RCTは、ある要因(例えば、新しい薬の効果)が、本当に結果(例えば、病気の改善)に影響を与えているのかを、科学的に検証するための方法です。
RCTでは、まず、被験者をランダムに2つのグループに分けます。そして、一方のグループには新しい薬を投与し、もう一方のグループには偽薬(プラセボ)を投与します。そして、一定期間後に、2つのグループの症状を比較します。
もし、新しい薬に本当に効果があれば、薬を投与されたグループの方が、症状が改善しているはずです。逆に、薬に効果がなければ、2つのグループの症状に差は見られないはずです。
RCTのポイントは、被験者をランダムにグループ分けすることです。こうすることで、薬の効果以外の要因、例えば、年齢や性別、生活習慣などの影響を、均等にすることができます。
RCTは、医学や薬学だけでなく、教育、経済学、社会学など、様々な分野で活用されています。例えば、ある教育方法の効果を検証したり、新しい政策の効果を測定したりする際に、非常に役立ちます。
RCTは、因果関係を科学的に検証するための、強力なツールと言えるでしょう。