本記事はIntel 第13世代CPU(i5-13600K)の不具合対処を目的として、2024年8月17日現在、ASUS提供中のベータ版最新BIOSである1663を適用した際に遭遇したPOSTエラーの解決の仕方を備忘録として記載しました。
エラー解決に向けて色々試したのですが、効果が無かったと考えられるものは手順として省略しております。
エラー内容
私がBIOS Ver.1663更新後に遭遇したエラー画面は下記のようなものでした。
「システムがセーフモードでPOSTされました。システムが不安定あるいは電源ボタン長押しによる強制終了が原因かもしれない」みたいなことが記載されています。
BIOS更新する前はWindowsが即時立ち上がっていたのですが、更新後はこれが再起動する度に発生するためストレスとなりました。
ちなみにですが、私の場合はこの画面からF1
キーを押してBIOS画面に入り、次の①~③の手順で操作することで、Windows OSを起動することができておりました。
②「Boot
」を選択後、③「Windows Boot Manager(xxxx)
」を選択することで、Windows OSが起動します。
※xxxxは各Windows OSがインストールされているHDDもしくはSSDのデバイス名が入ります。
私の場合はエラー画面とBIOS上のBoot操作が毎回発生し煩わしかったため、色々改善策を模索してました。
PC環境
私のエラーが発生したPC環境は下記の通りです。
OS/デバイス | PC環境 |
---|---|
OS | Windows 11 Pro 64ビット バージョン23H2 |
CPU | 13th Gen intel((R)Core(TM) i5-13600K |
マザーボード | PRIME Z790M-PLUS D4-CSM |
BIOS Ver | 1402(変更前は確かこのVer)から1663へ更新 |
グラフィックボード | NVIDIA GeForce RTX3060Ti |
メモリ | Sllicon Power 8192MB 3200MHz ×2 |
G Skill intl 8192MB 2133MHz ×2 |
BIOS更新方法
更新方法の詳細手順は省略しますが、今回のBIOS更新に関して下記の動画・サイト様を参考にしました。ASUS製品のシステム診断やドライバー、BIOSなどの更新プログラムを簡単に検索・ダウンロード可能なMyASUS
と呼ばれるアプリをインストールし、そこから今回使用するBIOS Ver.1663をダウンロードしました。BIOSの具体的な更新手順については①のyoutube動画を参考にさせて頂きました。
-
①ASUSのBIOS Ver.1663に更新する際の作業参考(動画内ではVer.1662で更新)
Intel 第13~14世代CPUの不具合に対処する BIOSアップデートによりIntel マイクロコード 0x129を適用する -
②ASUSからのBIOS入手方法(MyASUSからBIOSダウンロードする場合)
[Windows 版 MyASUS] MyASUS のインストール方法 -
③使用中のASUS製マザーボードのシリアルNoの確認方法(②のMyASUSアプリの製品登録に使用します)
製品シリアル番号の確認方法
エラー回避方法
本記事の本題です。CMOSクリアやWindowsの再インストールなど色々試しましたが、最終的にはBIOS設定のある1ヶ所を変更することで解決しました。
下記に示すのはASUSのBIOS画面です。具体的には、赤枠の「X.M.P」の設定が「Disabled
」となっているとエラーが発生します。
X.M.Pとは?
この内容については、intelのHPの記事:XMPメモリとは何ですか、インテル® NUC製品でどのように構成しますか?で以下のように説明されています。
XMP メモリー
XMPまたはエクストリームメモリプロファイルは、別のプロファイルを選択して複数のメモリ設定を構成できるインテルのテクノロジーであり、標準よりも高いメモリ速度を利用します。
XMP設定を構成することで、周波数、電圧、タイミングを調整してメモリをオーバークロックできますが、システムを低電力モードにすることで消費電力を削減するためにも使用できます。
私もここら辺は初心者だったので知らなかったのですが、BIOSによりメモリ速度をオーバークロックしたり、逆に電圧調整により低電力設定にすることが可能なようです。
今回のintel CPUの不具合である過度な電圧要求に対しての関係性は不明ですが、BIOS更新前のVer.1402ではここの設定を気にしたことが無かったので、「Enabled
」か「Disabled
」にしてたかも曖昧です。ただ、BIOS更新時は必ずここの項目は「Disabled
」にされるようですので、注意しましょう。
下記のように「X.M.P」の設定を「Enabled
」に変更して設定を保存することで、私の場合はエラー解消しました。
再起動後、無事ASUSのロゴ画面が表示され、BIOS画面を経由することなくWindowsを起動できました。
まとめ
Intel 第13世代、第14世代のCPUの不具合問題は皆さんも苦労されていると思います。私もCPUの劣化を防ぐために、今回初めてのBIOS更新を行ってこのような単純な部分に引っ掛かりました。常日頃BIOS更新をされている方にとっては記事にするほどでは無いかもしれませんが、私と同じようなところで躓いているPC初心者の方々へ参考となればと思います。
ちなみに、BIOS Ver.1663についての適用例が余りネットに出回っていなかったため参考程度に情報共有しますが、私の環境ではこのBIOS更新により問題は発生しておりません。CPUの電圧状態であるとか、ベンチマークとかは実施してませんので、処理性能に対する影響については議論できませんが、少なくとも普段使い程度であれば問題なく稼働しており、現に本記事もBIOS更新後のPCで作成しております。
ただし、今回のBIOSはベータ版であるため、正規版が配信されてからBIOSを更新しても良いのではと考えております。1個前のBIOS Ver.1662の更新時の話にはなっていしまいますが、海外サイトの口コミではブラックスクリーンになったり、正常に起動しないなどの記載が見られました。真偽は不明ですので、皆さんも色々調査をした上でBIOS更新のタイミングを決定されるのがよろしいかと思います。
それでは、本記事にお付き合い頂きありがとうございました。
この記事が皆さんの役に立つことを願っています。