課題:ストリーミングサービスで、音楽とのフィジカルな繋がりが失われてしまっている
Spotifyのマッチングのアルゴリズムが優秀すぎて、自分が今までに知らなかった好きな音楽を浴びるように聴けて、いい時代になったなとつくづく思っているのですが、反面、膨大な量の音楽が毎週、私を通り過ぎていき、アーティスト名もろくに出てこない状態になっているので、もう少し丁寧に音楽と触れ合いたいと思っていました。
昔は、タワレコなんかの試聴機で何時間も聴いて数枚を厳選して財布と相談しながら購入。帰りの電車でも、早く聴きたい気持ちが抑えきれず、アルバムの周りのフィルムを剥がして、裏表のジャケを見たり、ライナーノーツ読んだりしながら、家まで30分ぐらいワクワク、ニヤニヤする儀式の時間があったのですが、今はもう良くも悪くもそのへんが自動化&スキップされてしまっています。
もっと、アーティストへ思いを馳せ、そのジャケットを含めたアートワークと戯れる時間が自然に作れないかと思うのです。
私のSpotifyの使い方
まず、毎週、Spotifyのレコメンド経由で80曲近いおすすめの新規の曲が届きます。それを1週間かけて、全部の曲を何度も聴いて、それぞれのプレイリストに振り分けていきます。好きでない曲や、悪くはないレベルの曲を取り除き、もう一回どこかで聞きたいと思いそうな曲をプレイリストに入れていき、気に入った曲が、どんどん上のリストに勝ち上がっていくトーナメント方式です。
一次予選 「お気に入りの曲」(レコメンドの80トラック→20〜30トラックに選抜) 2軍
↓
二次予選 「2022→」(→5〜10トラックに選抜) 1軍
↓
三次予選 「2022☆」(→1〜4トラックに選抜) エース
ただ、車での移動中や作業中に聴くので、ジャケットもあまり見ないし、次々と新曲が毎週届くので、何となく深堀りできないでいました。
オリジナルWEBサービス「MY FAVORITE SONGS」作成
というわけで、こうした悩みを解決する、自分の為の自分によるWEBサービスをiPaaS(IFTTT)で作ってみました。
実際のページはこちらから↓
特徴
自分の中の1軍選手にあたる「2022→」プレイリストにSpotify上で、追加された曲が、自動でグーグルスプレッドシートにリスト化されて整理されていきます。「ジャケット画像」「アーティスト名」「曲名」「アルバム名」「追加日」が自動で書き込まれていきます。このシートをNotionに貼り付けることで、他人に共有しやすくなってもいます。
「どんなアーティストが好き?」、「最近どんな曲聴いてる?」なんて話を40代になるとあまりすることはありませんが、たまに聞かれると回答に困るので、このページのリンクを送れば一発で解決します。
「解説」の部分も、自動化したかったのですが、インディーズのアーティストが多いので、彼らを解説しているサイトが、海外の個人ブログ、インディーズのレーベル、カルチャー系のWEBマガジンなど、いろいろと分散していてウィキペディアを探せばOKというような、単一の情報ソースから検索できないので、人力で貼り付ける仕様になっています。
ただ、今の仕様の方がちゃんとアーティストに向き合うのでいいのかなと思っています。だいたい週に5〜10曲ぐらいしか、このプレイリストには上がってこないはずなので、それぐらいは、ちゃんと日々の記録として音楽と向き合っても良いはずです。
誰がなんと言おうと、私はこのサイトが大好きです。ジャケットも大きめに見れるし、アーティストについての情報がまとまってあり、造り手への顔が少し見えてくる気がします。Spotifyのストリーミングという大河の急流から切り離された池や沼のような、その静かな水面を中心とした自分だけのビオトープのようなものを感じるのです。音楽ってほんとに素晴らしい。
環境
Spotify
IFTTT
Google sheet
Notion
今回は、こちらの4つのサービスを使いました。
「Spotify」のプレイリストの情報を、「IFTTT」を使って、「google sheet」と繋ぎ、そこに書き出したスプレッドシートを「Notion」で簡易的なWEBサイトとして表示しています。
IFTTTは、本当に簡単なので、普段Qiitaをパトロールしているプログラミングガチ勢でなく、この記事に偶然迷い込んでしまった非エンジニアの方にも、もっと使って欲しいなと心から思います。
プルダウンのリストからポチポチっとやると、言うてる間に連携が完了します。
フィードバック
音楽好きな、遠方に住む友人たち数名にサイトを共有してフィードバックをもらいました。
A氏「いい、自分のも作りたい。交換したり、相互リンクしたい。」
プレイリストのテーマに企画性を足して、ウェブサイトの部分の見せ方を整えたら、色んな人のお気に入りの曲が、みやすく、きれいにリスト化されていて、普通に楽しいサービスになりそうです。
B氏「楽しいね。検索性があるともっといいかも」
Spotifyは、ジャンルのタグも確か裏側に持っているので、それも同時に引っ張ってこれるとたしかに便利になりそう。ただ、IFTTTは簡易的なものもあり、規定のデータしか引っ張って来れないので、他のiPaaSサービスが必要かも。
まとめ
極めて簡単に、ノーコードで私だけのマイアプリやマイウェブサービスができてしまうのは、iPaaSの素晴らしさだと思います。技術が生活を豊かにする。テクノロジーの民主化万歳!この楽しさは、もっと非エンジニアの周りの人たちと分かち合って、勉強会とかしたいぞ!!