「northernforce #48」レポート
**2025年2月18日(火)に開催された「northernforce #48」のイベントレポートです。
イベントURL
https://northernforce.connpass.com/event/340434/
northernforceってどんなコミュニティ?
northernforceは、北海道を拠点としたSalesforceのTrailbrazerコミュニティです。
2017年6月から活動を開始しており、Salesforceのシステム管理者(アドミン)、開発者、ユーザー、幅広い層を対象としているのが特徴です。
「北海道を元気にする」というミッションを掲げ、IT人材の不足や技術共有の場が少ないという北海道特有の課題に対して、学びの場所を作っています。
参加者はここでの学びを持ち帰ってもらい、それぞれの現場で活かすことで、北海道、ひいては日本の活性化に貢献したいという思いで活動しています。
イベント内容:Spring'25最新情報の共有!
今回のnorthernforce #48では、2つのLT(ライトニングトーク:短時間でコンパクトに行うプレゼンテーション)が行われました。
どちらもSalesforceのSpring'25のバージョンアップに関する内容で、参加者は最新情報をキャッチアップいただける機会になりました。
開催アンケートでは「日々の業務に活かせそう!」という有難いお言葉もいただけました。
LT①:システム管理者向け&開発者向け新機能ピックアップ
最初は私(吉松)のLT発表でした。
システム管理者向け新機能
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リストビューや関連リストで複数項目を使用して並び替え可能に
最大5つまでの項目を組み合わせた並び替えができるようになり、データアクセスが格段に向上しました。ただし、この設定はユーザー個人の環境のみに適用されるので注意が必要です。 -
オブジェクトの全項目標準編集権限を付与できる機能
新規作成した項目に対して一括で編集権限を付与できる機能が追加されました。
採用や商談などの機密情報を含むオブジェクトでは使用に注意が必要です。
権限設定を細かくしなくて良いケースでは作業効率が上がるメリットがあります。 -
活動オブジェクトに追加できるカスタム項目が300項目に拡張
従来の100項目から3倍にアップグレード。
データの蓄積と活用がより進みそうです。 -
拡張権限セットと役割階層リストビューのLightning表示対応
従来のクラシック画面からLightning画面(新しいインターフェース)での表示が可能になり、使いやすさが向上しました。ただし、使用には設定での有効化が必要です。
開発者向け新機能
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画面フローの入力値変更をトリガーにアクション自動起動が可能に
例えば、取引先検索画面で入力値が変更されると、関連データを表示する機能が追加可能になりました。す。 -
組み込み視覚的進捗インジケーターで直感的なUI実現
商談のパスのようなインジケーターをフロー(業務プロセスを視覚的に構築するツール)に実装できるようになりました。現在どのフェーズにいるかが一目でわかる便利な機能ですが、残りのステージが見えないという課題もあります。 -
フロービルダーでフォーマット付きメール送信が可能に
添付ファイルを含むリッチなメールをフローから直接送信できるようになりました。最大35MBまでのファイルを添付でき、最大5000件の宛先へ送信可能です。 -
Apexでファイル圧縮と解凍が可能に
Apexで大きなデータサイズのファイル操作がスムーズになり、データ転送プロセスが向上します。 -
Apexで動的組織を評価可能に
クラス内でリファレンスフィールドなどのメソッドを使用することで、オブジェクト構造をコードで評価できるようになりました。 -
スケールテストを使用したサンドボックスでの負荷テスト実施が可能に
実際の運用環境を想定した負荷テストが行えるようになり、大規模な組織での安定稼働に向けた事前検証が可能になりました。
LT②:フィールドサービス×AIの進化
2つ目は佐藤さんのLT発表でした。
「フィールドサービス×AI」の領域について紹介してくださいました。
資料はこちら
https://speakerdeck.com/yutosatou_kit/spring25zhu-mu-ji-neng-shao-jie-field-service-x-ai
フィールドサービスとは?
フィールドサービスとは、現場作業員の予定や作業状況を管理できるSalesforceの製品で、作業指示・予定・割り当てなどを一元管理できるプラットフォームです。
例えば、保守点検や修理などのために顧客先に訪問するエンジニアのスケジュール管理や作業報告などを効率化できます。
AI連携による新機能
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AIを使用したスケジュールギャップの自動埋め込み
作業予定がキャンセルなどで空いてしまった場合、AIが適切な作業を提案し、割り当てを行ってくれる機能が追加されました。
従来は予定ベースでの割り当てでしたが、人ベースでの調整が可能になっています。現場の急な変更にも柔軟に対応できるようになります。 -
ボタンタップで事前作業ブリーフィングの音声読み上げ
モバイルアプリで作業概要を音声で読み上げる機能が強化され、移動中や作業前の確認が安全かつ効率的に行えるようになりました。 -
AIによる画像認識と解決策提案
モバイルアプリで撮影した画像をAIが分析し、商品コードなどを自動認識して解決策を提案してくれる機能が追加予定です。 -
Siriと連携した音声コマンド対応
iOSデバイスでSiri(Appleの音声アシスタント)を使って「Hey Siri、フィールドサービスに依頼して」と話しかけるだけでアプリが起動し、次の予定確認や作業レポート作成などがスムーズに行えるようになりました。
システムを使う時間を省き、現場作業の効率化や安全性向上を重視したアップデートになるので、現場スタッフの使いやすさを追求した進化に注目が集まりました。
参加者の反応と質疑応答
発表後の質疑応答では、技術的な質問だけでなく、実際の業務での活用方法についての議論も活発に行われました。
「活動オブジェクトの項目数拡張は、データ活用の幅が広がりそう」「フロービルダーでできることが増えて嬉しい」などの反応が見られました。
northernforceの今後の展開
次回のイベントは2025年4月15日(火)19時から開催予定です。
https://northernforce.connpass.com/event/346431/