弊社では現在CryptoKanojoというDappsゲームを作っています。
Dappsゲームの開発は初めての試みのため、試行錯誤の毎日です。
「こうしておけばよかった」などちょっと出てきたのでまとめてみようと思います。
1. 初心者に優しくすべきだった
CryptoKanojoはブロックチェーン技術に多少知識があるエンジニアが企画したプロジェクトです。
前提知識があるエンジニアで企画したため"ウォレットアドレス"はもちろん、"Metamask"や"ERCほにゃらら"など当然知っている人がしかアクセスしてこないだろう前提で設計した箇所が多々でてしまいました。
ただプレスリリースを打てばそれなりにユーザーのアクセスがきますし、上記のような知識を持たいないユーザーもわんさか来ます。
せっかく興味を持ってサイトにアクセスしてくれたのに、サイトには説明情報がほとんどなく、知らない人からしたら意味不明な単語だらけ。
「さあ!あなたの持っている知識を使って勝手に遊んでください!」
と言われて遊び方がわからなかったら、二度とサイトにアクセスしてくれない+Dappsに対するイメージは最悪なものになるでしょう。
そんなのでは新規のDappsゲームユーザーを増やすことができず、Dappsの将来が危ぶまれます。
初心者向けの入り口(チュートリアル等)に力を入れるべきでした。
2. 情報公開頻度を上げるべきだった
開発にほとんどリソースを割り当てた結果、開発状況の情報公開に手が回りませんでした。
結果、購入者様からプロジェクトの心配をさせてしまいました(詐欺なのでは?等)。
他Dappsで人気が出ているプロジェクトはSNSやMediumの定期的な投稿はもちろん、MeetUpや色々な勉強会に登壇しています。
情報公開頻度が非常に高く、それが故にユーザーコミュニティも盛り上がって結果沢山のユーザーが集まってきます。
Dappsゲームにおいてはゲーム自体の魅力よりも、むしろ情報発信の頻度が高く、沢山の活動を行っているという点のほうが重要だと確信しました。
(予算内でなんとかしなければならい前提だと)プロジェクトの開発内容をスケールダウンし、もっと情報公開に関する活動にリソースを当てるべきでした。
3. セールの価格をオークション方式にするべきだった
CryptoKanojoのセールは「プレセール」と「クラウドセール」の2回やりました。
どちらも値段付けは固定価格でした。
プレセールの段階では価格設定を安すぎにしたため、一人が複数購入して速攻で完売してしまうなどの問題が発生しました。
MyCryptoHeroesさんのような在庫連動型ダッチオークション方式のような、時間経過と購入アクションによって価格変動する仕組みを取り入れれば、買い占め問題も解決できますし、CryptoKanojoのプロジェクトの売上も上がったと思います。
在庫連動型ダッチオークションはMyCryptoHeroesさんが特許出願中のようなのですが、イングリッシュ・オークション形式(競上げオークション)を取り入れるだけでもずいぶん変わったと思います。
4. ETHの現金化のタイミングをもっと考えるべきだった
CryptoKanojoは会社の1事業としてやっているためPLを作りますが、PLは法定通貨円で引くので、1ヶ月で50%も価格変動するようなETHベースで書いても全くあてになりません。
ETHを月1回月末締めで円に変換するなどのオペレーションを立てた場合は、月初で好調だと思っていても月末に円に変えたら悲惨な結果になったなどがあります。
これが正しい方法なのかはわかりませんが、1日1回のタイミングで円に変えていれば、暴落リスクの回避が取れたかもしれません。
また、他Dappsではステーブルコインのような「法定通貨連動式」のDappsゲーム用ERC20またはERC721を発行したりしているものも目にします。
こちらは法律的に「前払式支払手段発行者」の登録が必要な気もしますので、簡単にそうしよう!とはいかないとは思います。参考リンク
ただ暴落リスクを考えておき、それに対してどう立ち向かうかを事前にもっと考えるべきでした。
5. デバッグ工数を沢山積むべきだった
本番環境(メインネット)でのデバッグが非常に大変でした。
具体的には実際にETHをつかった購入などをする際のGAS設定をデフォルトのままにして、トランザクション承認まで非常に長い時間待たなければなかった等。
Etherscanとの照らし合わせやTrus、TokenPocketなどの数あるウォレットブラウザでの挙動確認等。
通常のWebアプリケーションのデバッグの2〜3倍は見積もるべきでした。
ネガティブな記事になってしまったので次回は「こうしててよかった!」といポジティブな記事を書きます