転職する側として、採用する側の考えや質問の背景を知りたいと思ったことはないでしょうか? そういった背景を知り「エンジニア転職活動をハックしたい」という方を応援することが本記事の狙いです。ITエンジニアの採用に関わる方から見聞きした事象や、自身の転職活動経験などから本記事をまとめさせていただきました。
こちらは、「エンジニア転職活動ハックをシェアしよう! by キャリアデザインセンター「Direct type」 Advent Calendar 2022」カレンダー2、18日目の記事になります。
ITエンジニアをなぜ採用するのか?
採用側が何故募集要項を打ってITエンジニアを採用したいのか、応募の際に募集要項を見ながら一度考えてみることをおすすめします。背景が分かっていると効果的な準備ができることが期待できます。
募集の背景としては、以下のようなことが考えられます。
- 欠員の補充
- この理由であれば募集要項にピッタリハマりすぐ来てくれる人材が求められるため、自分が欠けたポジションに上手くハマるかをアピールすると良さそうです。
- 将来の組織維持のための備え
- 数年後にベテランが退職するため、今のうちから次世代を育成したい、等の理由から採用をかけるケースがあります。この場合、採用側はポテンシャル採用も視野に入れると考えられます。ベテランの業務を引き継ぎ、組織に馴染み活躍できる事をアピールできると良いのではないでしょうか。
- 新規ビジネス・プロジェクト立ち上げのための増員
- 新しいことを始めるため、とにかく人を集めたいというパターンの募集です。大筋を外さなければ選考には残れそうです。募集要項等をみて、採用側のやりたい新しいことに関して調べておき、自分は何ができるのか答えられるようにしておく、不明点を面接で質問できるようにしておくと入社後の働き方のイメージをつかみやすいです。
ITエンジニア採用側の知りたいこと
主に次のような事を見極めたく、面接で色々と聞くことになるようです。
- 応募者の本気度
- 応募者が来て頂いて馴染むか、長く働けるかを見極め
- 応募者のキャリアの方向性
- 2と3はセットで確認。長く働きたい意思はあっても、応募者のキャリアの方向性に合う仕事が提供できない場合はお互い不幸になるため。
- 応募者の「選考書類に出て来ない」転職動機
- 「現在の職場が遠く近くで働きたい」とあった場合、単純に近くで働きたいのかリモートワーク多めで働きたいのか等掘り下げる等。
- 応募者の学習継続性
- 新しい知識が常々必要となるため、自発的かつ継続的に学ぶ方かどうかを確認。
- 取得資格をいつ取ったか、複数取っていたらその間隔などを見る。
- ポートフォリオがあれば更新状況を事前に見た上で質問する等。
- 希望年収が想定レンジと合致するかどうか
- 合致していない場合はすり合わせを打診して感触を見ます。
- 今後の採用につながる情報
- どういうソースから自社を知っていただいていて、足りてない情報が何かを面接の中でそれとなく聞く。
- 最近の応募者の動向
ITエンジニア採用側、困ること
応募業界・業種への妙な固定観念を持ってこられる
調べて来ていただけるのはありがたいのですが、「この業界はこうだ」という決めつけや固定観念の主張があると、来ていただいてもなじまないかな…という印象を抱くことがあります。
入社希望日が内定受諾後のかなり先
引き継ぎなどあるため1~3ヶ月後の入社が一般的ですが、半年以上先となると採用側から見て厳しい場合があります。採用側に誰かが抜けた穴をすぐ埋めたいなどの事情がある場合は特に厳しいです。他に内定を出せ、1ヶ月程度で来れる応募者がいる場合はそちらに流れてしまうことがあります。
募集要項の給与レンジの上の方
未経験で「募集要項に400万~900万と書いてあったので900万を希望します」と言われると厳しいようです。給与レンジは応募者のキャリアと経験を見て判断することが一般的ですね。募集側は、未経験の応募者は給与レンジの下の方と想定しているわけです。
給与レンジが広い場合、その職種の幅広い層(新人~ベテラン)を取りに行く想定の募集要項となり、給与レンジが狭ければ、その職種の中でも狙う層は当たりがついていると推察されます。