スクラムガイドが久しぶりに更新されたので、3行で変更点をまとめておこうと思います。
- 価値が大切なんだよ。しっかりゴールを意識しようね。
- スクラムでいうチームは1つなんだよ。開発チームじゃなくて開発者ね。
- シンプルになり見た目が綺麗になり読みやすくなったよ。みんな読もう。
変更点は大きいと言われていますが、本質は変わらないのでこれまでしっかりとスクラムを実施してきた方には、
言葉の使い方や捉え方の違いに見えるかと思います。
スクラムガイド 2017 年版からスクラムガイド 2020 年版への変更点は以下です。
合わせて社内、社外のスクラムコーチ&スクラムマスターと雑談した内容もメモしておきます。
##指示的な部分を削減
スクラムガイドは時間が経つにつれて少し指示的なものになっていた。2020 年版では、指示的
な表現を削除または緩和して、スクラムを最小限かつ十分なフレームワークに戻すことを目的
としている。たとえば、デイリースクラムの質問の削除、PBI(プロダクトバックログアイテム)
の属性に関する記述の緩和、スプリントバックログにあるレトロスペクティブのアイテムに関
する記述の緩和、スプリントの中止のセクションの削減などを実施した。
- デイリースクラムは、状況に合わせてゴールに向かうために行おう。決まった質問ばかりじゃないよね。
- スプリントレトロスペクティブのカイゼンで最も影響力のあるものは、できるだけ早く対処しよう。
- スクラムガイドはガイドブックでルールブックではないので、ガイドをもとに自分たちにあったものを作り上げよう。
##ひとつのチームがひとつのプロダクトに集中する
これはチーム内で分断が発生し、PO と開発チームの関係が「プロキシ」や「我々と彼ら」とい
った問題につながることを排除するためである。存在するのは、PO、SM、開発者の 3 つの異
なる責任を持ち、同じ目的を共有するひとつの「スクラムチーム」だけである。
* ゴールは一つなのでそれに向かってみんなで考えようね。
* POの作業は他の人に委任できる。もちろん最終責任はPO。
##プロダクトゴールの導入
スクラムガイド 2020 年版では「プロダクトゴール」を導入した。スクラムチームに大きな価値
のある目的に集中してもらうためである。各スプリントでは、プロダクトを全体的なプロダク
トゴールに近づける必要がある。
##スプリントゴール、完成の定義、プロダクトゴールの居場所
以前のスクラムガイドでは、明確なアイデンティティーを与えることなく、「スプリントゴー
ル」と「完成の定義」について説明していた。これらは作成物ではなく、作成物に付随するも
のだった。2020 年版では「プロダクトゴール」を導入し、これらの位置づけを明確にした。3
つの作成物には、それぞれの「確約(コミットメント)」が含まれる。つまり、プロダクトバ
ックログにはプロダクトゴール、スプリントバックログにはスプリントゴール、インクリメン
トには完成の定義(カッコをなくした)が含まれる。これらの存在により透明性がもたらされ、
作成物の進捗に集中できるようになる。
- 価値を提供することを強く意識しようね。
- スプリントバックログの定義が分かりやすくなってるね。
##自己組織化よりも自己管理
以前のスクラムガイドでは、開発チームは自己組織化しており、「誰が」「どのように」作業
するかを選択できるとしていた。2020 年版ではスクラムチームの自己管理に重点を置き、「誰
が」「どのように」「何の」作業をするかを選択できるようにした。
スプリントプランニングの 3 つのトピック
これまでのスプリントプランニングのトピックである「What」と「How」に加えて、スクラム
ガイド 2020 年版では、3 つ目のトピック「Why」に重点を置いた。これはスプリントゴールで
言及されている。
- 自己管理の範囲はPOも含まれてるよ。
- 個人の成長が結果的にチームの成長につながる側面もあるよ。
- Whyなので結局届けたい価値が大切だね。
##幅広い読者のために全体的に文章を簡略化
スクラムガイド 2020 年版では、冗長で複雑な文章と IT に関する記述(例:テスト、システム、
設計、要求など)を排除している。以上の変更で、スクラムガイドは 13 ページ未満となった。
- シンプルで読み易くなってるね。
- ビジネス側のメンバーでも理解しやすいね。
- 一方で、指示的な部分が初版から改定で無くなってきているので、よりスクラムマスター、スクラムコーチの役割が大事になるね。
おわりに
今回ちょっと深く記載していない点でやはり
スクラムマスターは、スクラムチームと、より大きな組織に奉仕する真のリーダーである。
スクラムマスター機能していないプロジェクトが世界に多くあったため上記の様な記載に変更になった
感じもしますが、真のリーダーという点やスクラムマスターの責任という点については
先日Scrum incのメンバーと話す機会があって確認しましたが、もう一度背景をヒアリングした上で
追記したいと思います。