Excelで印刷物というと、どうしても画面表示通りに印刷されない、それがテキストボックスだととんでもないことになる、ということは有名なお話です。
しかしながら、Excelで印刷物が作れたら、完璧でなくともいいところまでできれば、Excelで印刷物を作るメリットが増えるかもしれません。
今回、Excelでラベル印刷をしたいというケースがあり、そこで調べたことを発表します。
WordでできないExcelのメリット
印刷に関して、Wordではできない、Excel特有のメリットが一つだけあります。
「縮小して全体を表示」という機能です。
これはExcelのセルの中に文字が入り切らなかった場合に、文字サイズを自動的に縮小し全体を表示するという機能です。
Ctrl+1でセルの書式設定ダイアログボックスを表示して、配置タブの中にこのチェックがあります。
ラベル印刷するもので可変長の長さで大きくなるものに住所がありますが、住所欄でこの機能を使えばいいのではないかと思います。
ラベルの大きさを調べる
必要なのは何よりラベルの大きさです。これは様々なメーカーごと型番ごとに決まっているのでググるといいでしょう。
このような形で表示されています。
ほとんどの場合、右余白と上余白と1つのラベルの縦横が書いてあります。
表示するもの
元データはこんな表です。
ラベルに表示するものは、郵便番号、住所、あて先名の3つです。
一つのラベルは縦に55mmなので
上余白5mm
郵便番号15mm
住所15mm
あて先名15mm
下余白5mm
とします。
余白の設定
ページレイアウトタブの余白で余白の設定をします。
左14mm、上10mm、下、右、ヘッダー、フッターは0mmとします。
また、プリンタの設定によってはフチなし設定にする必要があります。
Excelの列幅や高さをcmやmmで指定するには
今回のポイントはここなのですが、普通ではExcelのセル幅はcm、mm単位では指定できません。
高さはできます。
また、全体の用紙のレイアウトを見ながら作業となるとなかなか難しいです。
そこで、表示タブのページレイアウトを選びます。
一件、印刷プレビューのようにも見えますが、この状態でシート操作ができます。
しかもこの表示モードでは、cm単位やmm単位での設定が可能なのです。
A列の列見出しを右クリックして、列幅を設定します。
「14mm」と入力すれば14mmの設定ができます。「1.4cm」と入力してもかまいません。
B列とC列は55mmに設定します。
1行目の行見出しを右クリックして行の高さを5mmとします。
2行目から4行目は15mm、5行目は5mmとします。
計算式の設定
セルA1には、1と数値を入力します。
文字色を薄めの灰色にします。
セルA2には、
="〒"&VLOOKUP(A1,一覧表範囲,2,false)
セルA3には、
=VLOOKUP(A1,一覧表範囲,3,false)
「縮小して全体を表示」も設定します。
セルA4には、
=VLOOKUP(A1,一覧表範囲,3,false)&" 御中"
とします。
さらに、セルB1には、
=A1+1
そして、A2からA4までの範囲をB2からB4をコピーします。
すると、1番目、2番目までできます。
この1行目から5行目までのパターンを6行目から10行目までコピーします。
セルA6は
=B1+1
とします。
これで3と4番目ができました。
この状態で6行目から10行目までを、11行目から25行目まで貼り付けます。
これで全パターンができました。
セルA1の値を11にすれば11番目から20番目までのラベルになります。
最後に
実際に印刷したところ、大体の寸法はこの方法であうようです。
セル内ではみ出した部分が切れることもありませんでした。
ただ、完璧ではない可能性もあるため、それぞれのセルの上下の配置やインデントなどを設定し、数ミリの余裕は確保して使いましょう。
この方法で、はがき印刷にも応用できると思います。