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トラブル内容をABC分析して重要項目を決める

Last updated at Posted at 2018-10-25

運用時にトラブルは発生すると思うのですが、一度にすべてのトラブルは対処できないし、トラブル対処を新人に教えるにしても、今、ホットなトラブルの内容から教えた方が実践しながら教えられるというもの。
なので、トラブルの発生状況のログを分析して、どれに一番力を入れるべきか判断するのに、Excelで分析するということが有効なのかなって思います。
今回はExcelで紹介しますが、それぞれ同じことを他の手法でもできると思うので、工夫してみてください。
今回の分析手法はABC分析という手法です。

ABC分析とは

商品のどれに力を入れて販売すればいいかを分析するのに使うのが、ABC分析です。
例えば販売している商品種類が10点あり、そのうちの何種類を売れば売上の何パーセントを確保できるかを求めます。
販売手法にもよりますが、例えば1商品だけに力を入れてそれだけで目標売り上げに到達できればいいですよね。
それが何商品なのかを判断することができます。
今回は、売上ではなくトラブル件数とそれにかかっているコストについて分析します。
なので、何種類のトラブルに力を入れれば、全体のトラブルにかかっているコストの70%をクリアできるかを求めます。

ABC分析の手順

今回は、次のように記録したトラブル管理表から始めます。

1行ごとに発生日付、おおまかなトラブル内容、それで損失したコストが記録されています。
まず、トラブル内容ごとの発生件数と、コストの合計を集計する必要があります。
ここですばやくそれを集計する機能がピボットテーブルです。
ピボットテーブルは、一覧表のどこかをクリックしてから挿入タブのピボットテーブルで出すことができます。

ピボットテーブルを挿入しOKするとこんな画面になります。

今回は、トラブルごとに縦にまとめるので、行にトラブルの内容をドラッグして入れます。

縦にトラブルの内容一覧が表示されました。

集計するものは、トラブルの数とコストの合計なのですが、トラブルの数は、どの項目の数を数えても同じ数になるのでどの項目でも構いませんが、一番わかりやすいのはトラブルの項目だと思います。
トラブルの項目を値にドラッグします。

トラブルの数がトラブルごとに集計されました。

今度はコストの合計を求めます。
コストを値にドラッグします。

コストの合計が求められます。値に入れるものが数値だと合計、文字列だと個数に自動でなります。

もしも合計にならなければ、その集計された数値のどこかを右クリックして値の集計方法で合計を選んでください。

これで集計ができました。

ピボットテーブルを工夫してみよう

あともう一工夫でABC分析が完了します。
まず、ピボットテーブルのコストの欄を右クリックして降順に並べます。

そうすると、当然ですが、コストのかかっているトラブル項目が上に来ます。

ここで、トラブル個数を右クリックして、計算の種類から、累計を選びます。

コストは比率の累計にします。

この結果だと、ケーブルとサーバーだけでは全体コストの70%に届かないようですね。

今回のデータはダミーで完全ランダムな分布なので、実際にはもうちょっと偏ると思います。

隠れた値を関数で掘り出す

この表だと、ケーブルとサーバーに少しハブでも対処しなければいけないようです。
その正確な個数は、サーバーの からハブの までの値のどこかなのですが、その間の値を補完して数学的に70%ぴったりの点を見つけるExcel関数があります。
FORCAST.LINEAR関数です。
書式は、

=FORECAST.LINEAR(値の点,見つけたいもののデータ範囲,求めるためのデータ範囲)

で、求めるためのデータ範囲から値の点を見つけ、その時点の見つけたいものの範囲の中の値を求めます。
今回の場合は次の計算式となります。

=FORECAST.LINEAR(0.7,B4:B7,C4:C7)

結果は225.8個です。

実際のデータでやればもっと偏るはずなので、1000トラブルあれば300トラブルくらいで7割くらいのラインなることが多いようです。

本当のABC分析

以上は評価する数値を単純に求める手法です。
本当のABC分析は、グラフ化してみた方がよりわかりやすいです。
一番重要な項目で並べ替え、個数は累計せずに、合計の比率を累計し複合グラフを作成すると、次のようなグラフになります。

これで、重点ポイントがどれか選ぶことができること、何割を何個のアイテムが占めているかがわかります。
ABC分析は累計1:9の法則とか、2:8の法則とか、3:7の法則とか言います。3アイテムで7割という意味ですね。

まとめ

経営分析ってトラブル対処やバグ管理にも使えるんじゃないかって思っています。

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