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[OCI]DBCSのDatabase Management管理

Last updated at Posted at 2021-10-04

Oracle Cloud Infrastructure上のOracle DatabaseサービスであるDBCSを運用管理する方法は、従来のEnterprise Managerを利用する方法に加えて、Database Managementサービス(データベース管理サービス)を利用する方法があります。

データベース管理を使用すると、シングルインスタンス、及びRACデータベースを監視でき、これにはコンテナ・データベース(CDB)、プラガブル・データベース(PDB)、及び非コンテナ・データベース(非CDB)が含まれます。

Database Managementサービスで運用管理できるデータベースには、以下の種類があります。

  • 外部データベース
    OCIの外部に配置され、外部データベース・サービスのリソースに接続されているOracleデータベース
    外部データベースに対してデータベース管理サービスを利用する場合は、DBCSのホストへAgentをインストールする必要があります。

  • Oracle Cloudデータベース

    • ベア・メタルおよび仮想マシンDBシステム データベース・システム、及び仮想マシンの2ノードのOracle Real Application Clusters(RAC)データベースシステム
    • Exadata Cloud Service
      Oracle Databaseクラウド・プラットフォームですが、Exadataの機能を活用できるOracle Databaseのサービス

この記事では、DBCSに対してDatabase Managementを有効化する方法について記載します。

事前作業

1. 運用管理ユーザのパスワード、及び権限設定

データベースの運用管理ユーザ(SYSTEMやDBSNMP)に対し、運用管理に必要な権限を設定します。

SQL> GRANT CREATE PROCEDURE TO dbsnmp;

Grant succeeded.

SQL> GRANT SELECT ANY DICTIONARY, SELECT_CATALOG_ROLE TO dbsnmp;

Grant succeeded.

SQL> GRANT ALTER SYSTEM TO dbsnmp;

Grant succeeded.

SQL> GRANT ADVISOR TO dbsnmp;

Grant succeeded.

SQL> GRANT EXECUTE ON DBMS_WORKLOAD_REPOSITORY TO dbsnmp;

Grant succeeded.

データベース運用管理ユーザのパスワードを設定します。dbsnmpユーザの場合、デフォルトではロックされているためロック解除も行います。

SQL> alter user dbsnmp account unlock;

User altered.

SQL> alter user dbsnmp identified by "Password";

User altered.

2. 運用管理ユーザのパスワードを、OCI Vaultのシークレットに保存

2-1 [アイデンティテイとセキュリティ]> [ボールト]

image.png

2-2 [ボールトの作成]を押下し、出力されたダイアログにてボールトを作成するコンパートメントを選択し、ボールト名を入力

image.png
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2-3 [キーの作成]ボタンを押下し、出力されたダイアログにてコンパートメントを選択し、キー名を入力

image.png
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2-4 [シークレット]を選択し、「シークレットの作成]ボタンを押下。出力されたダイアログにてスクリーンショット内赤字で記載した必要事項を選択または入力

image.png
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3. Database Managementサービスを使用するためのIAMポリシーを作成

以下の機能を使用するため、Database Managementサービス(dpd)に権限を付与します。
・OCI Vaultシークレットに格納された運用管理ユーザのパスワードの読み込み
・Object StorageへDBCSのスケジュールJobの実行結果を書き込み
※Administratorsグループのテナンシーであっても、以下の権限は必ず必要です。

Allow service dpd to read secret-family in compartment XYZ
Allow service dpd to manage objects in compartment XYZ

Administratorsグループのテナンシーではなく、別なグループのテナンシー(ここでは「DB-MGMT-ADMIN」とする。)の場合は、以下の権限をポリシーとして付与する必要があります。

Allow group DB-MGMT-ADMIN to manage dbmgmt-family in tenancy
Allow group DB-MGMT-ADMIN to read database-family in tenancy
Allow group DB-MGMT-ADMIN to manage vnics in tenancy
Allow group DB-MGMT-ADMIN to use subnets in tenancy
Allow group DB-MGMT-ADMIN to use network-security-groups in tenancy
Allow group DB-MGMT-ADMIN to use security-lists in tenancy
Allow group DB-MGMT-ADMIN to manage secret-family in compartment XYZ
Allow group DB-MGMT-ADMIN to read buckets in compartment XYZ

ネットワーク設定

1. 自分のVCNにPrivate Endpointを作成

データベース管理サービスは、オラクルが管理するテナントに常駐し、VCN内に作成されたプライベートエンドポイントを介してクラウドデータベースと通信します。プライベートエンドポイントは、クラウドデータベースと同じサブネットにある必要はありませんが、クラウドデータベースとの通信が可能なサブネットにある必要があります。

1-1. [監視および管理] > [データベース管理]を選択

image.png

1-2. 左メニューの[プライベート・エンドポイント]を選択し、[プライベート・エンドポイントの作成]を押下。出力されたダイアログボックスにスクリーンショット内の赤字で記載された必要事項を入力、または選択

プライベート・エンドポイントが作成されると、詳細画面の[プライベートIP]にIPアドレスがアサインされます。
image.png
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1-3. セキュリティリストへ、プライベート・エンドポイントとDBCSのルールを定義

イングレス・ルール、及びエグレス・ルールにDBCSとプライベート・エンドポイントのトラフィックを許可する設定
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Database Management(データベース管理)サービスの有効化

1. データベース管理サービスの有効化

データベース管理サービスを有効化するDBシステムの[データベース詳細]ページから、「データベース管理:無効 有効化」のリンク、または「メトリック」の[有効化]ボタンを押下して、データベース管理の有効化画面に遷移
image.png

2. データベース管理の有効化情報の入力

2-1. 接続の資格証明を指定

  • データベース・ユーザー名:事前作業で指定したデータベース運用管理ユーザ(ここではdbsnmp)を指定
  • [既存のシークレットを使用]を選択
  • 当該ユーザのパスワードを格納したパスワードシークレットを選択 image.png

2-2. プライベート・エンドポイント、管理オプションの選択

  • プライベート・エンドポイントの情報:事前作業で作成したプライベート・エンドポイントを選択
  • 管理オプション:完全管理、または基本管理を選択

  • 完全管理
    この管理オプションには、全てのデータベース管理機能が含まれていますが、追加のサービスコストがかかります。Oracle Database Enterprise EditionとOracle Database Standard Editionで利用できますが、Oracle Database Standard Editionでは、Performance Hubの機能は含まれていません。
    この管理オプションの主な機能の一部を次に示します。

    • データベースの監視および管理機能。これらの機能は現在PDBでは使用できません。
    • 自動データベース診断モニター(ADDM)やブロック・セッションなどの高度なパフォーマンス・ハブ機能、およびSQLジョブや表領域監視などのその他の機能が含まれます。
    • 基本管理の一部として使用できる機能。
  • 基本管理
    追加費用なしで以下のような機能が利用可能です。

    • CpuUtilization、StorageAllocated、及びUserCallsなど14の監視メトリックが利用可能であり、これらのメトリックはOCI モニタリングサービス内と、データベースの詳細ページに表示されます。
    • CDBのパフォーマンス・ハブのASH分析及びSQL監視機能。これらの機能は現在PDBでは使用できません。 image.png

2-3. データベース管理の有効化確認

データベース管理が有効化されると、以下の赤枠の箇所[データベース管理:]が完全、または基本に変化し、メトリック部分にCPU使用率などの状況が表示されます。
image.png

赤枠内の編集リンクを押下すると、「完全管理」、または「基本管理」への切り替えを行うことが可能です。

まとめ

DBCSの運用管理には、Agentレスなデータベース管理サービスがお手軽で便利だと思いますが、2021年10月4日現在、Pluggable Database(PDB)はサポート外です。PDBの運用管理ができるサービスはRoad Mapに載っています。
DBCSのEnterprise Edition以上をご利用の方は、Enterprise Managerによる運用管理もご検討ください。これまで通りかなり細かい運用管理が可能です。DBCS SEの場合はDiagnostics Packが入っていないため、監視機能などEMの主要機能が利用不可ですのでご注意ください。

リソース

データベース管理マニュアル

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