はじめに
弊社で運用しているWindowsインスタンスでネットワーク設定が初期化される事象が発生しました。
前提
・OSはWindows。
・IPアドレスはDHCP。
・ドメイン参加のため、DNSサーバは固定で、外部のNetwork内にあるActiveDirectoryサーバを設定しています。
・事象の発生直前に、ネットワーク設定関連の作業は行っていない
・直近の変更はインスタンスタイプの変更のみ
対応
インスタンスタイプの変更により、ネットワーク設定が変更されていることがわかりました。
インスタンスタイプを元に戻すと、ネットワーク設定も元に戻ることを確認できました。
事象はM4系からM5系などの世代変更で発生しますが、サイズの変更だと問題ありません。
弊社では作業前後で設定を比較し、スクリプトで再設定することで再発を防止しています。
原因
調査用に新たにインスタンスを作成し確認を行いました
EC2では、インスタンスの世代が変わると機器構成も変わるようです。
CPUが変わるため、チップセットなどの構成も変わるのはやむを得ない状況でしょう。
しかし、ネットワークに関しては、Windowsではデバイス単位で設定を管理します。
ipconfig /allコマンドで確認すると、以下のようになります。
m5.large(IPはDHCP取得)の場合
説明にあるデバイスが異なるため、OS上では別の扱いになります。
Windowsのデバイス一覧内でも、以下の表示になります。
非表示デバイスを有効にすることで、過去に使用したデバイスも一覧に残っています。
m4.largeを使用した場合に設定した場合は、Intel® 82599 Virtual Functionの設定が利用されますが、
m5.largeを使用した場合に設定した場合は、Amazon Elastic Network Adapterの設定が利用されます。
m4.largeからm5.largeへの変更では、Amazon Elastic Network Adapterの設定が使用されるため、設定がされていない場合は初期状態となります。
設定はレジストリ上でも確認可能です。
格納場所は以下です。
該当デバイスのフォルダを削除した場合は初期設定となります。
IPアドレスとDNSサーバの固定設定であれば、DHCP オプションセットの利用が簡単で良いと思います。
レジストリの設定は、インターフェース(ネットワークアダプタ)の設定です。
場所は以下の通りです。
\HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip\Parameters\Interfaces\
IPアドレスの設定は、以下に保存されます。
\HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\Services
に保存されます
注意事項
インターフェース(ネットワークアダプタ)の設定を確認すれば分かると思いますが、
ipconfigで表示される項目以外にも、MTUなどの設定もデバイスに基づいた設定となります。
ネットワーク設定の調整を行ったインスタンスに対して、インスタンスの世代を変更する場合は、引き継がれない設定があることに注意してください。
IPを固定する場合は、デバイス単位でのIP設定を行うため、OS上の複数のデバイスで同じIPを使用する事になり、以下のメッセージが表示されますが、問題ありません。