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社会人1年目の子に覚えて帰って欲しいたった1つのこと(複数)

Last updated at Posted at 2023-10-09

2023年度に、新卒1年目の子の OJT 担当になったので、
社会人として押さえておくポイントって何かあったかなーと思い文章にしてみました(ポエムです)。

企業が新卒社会人を採用するにあたり、
重視している要素の第1位がコミュニケーション能力ということなので
コミュニケーション能力についていつも自分がぼんやり考えていることを書こうと思います。
(書き出してみて、自分に欠けているものがあまりにも多く見つかり、
 「自分で実践できてない人間が、自分のことを棚に上げて偉そうなこと書くのもなー。」
 と投稿するのを一瞬ためらいましたが、「まあいいや。」とエイヤで公開してみることにします。)

コミュニケーションに関してはいろいろな媒体で情報が出回っていますが、
おじさんとしては「難しい専門用語ばかりでよくわからん!(ドン!)」という気持ちが正直あるので
自分が馴染みのある ITインフラ周りの知識をベースに、
コミュニケーションでは何が大事かを説明してみることにします。

機械どうしのコミュニケーションでは OSI 参照モデル1や TCP/IP モデルという考え方が
一般的なので、それらの構造となぞらえて、人間どうしのコミュニケーションを
どう考え、実践していくべきなのかを書いていきます。

OSI 参照モデルと TCP/IP モデルの比較

image.png

ざっくり概要

上の表では、たとえより上位の層が上手く機能していたとしても
それより下位の層が正常に機能していない場合、
機械どうしのコミュニケーションは実現しない、ということを表しています。

表の左側の OSI 参照モデルが概念のみのリファレンスモデルであり実用性に乏しいのに対し、表の右側の TCP/IP モデルはインターネットの黎明期に生まれたプロトコル群であり、事実上の標準となっています。表に記載の通り、OSI 参照モデルとTCP/IP モデルは互いに対応する層がありますが TCP/IP モデルの方がよりざっくり分類されています。

例)HTTPサーバー

Apache httpd プロセス(第4層:アプリケーション層)がサーバー上で正常に機能していても、そのサーバーへ到達するまでのネットワークのルーティング設定(第2層:インターネット層)が正しく設定されていなければクライアントからの通信はサーバーへ到達せず、到達不可を示すHTTPステータス(408や404など)がクライアントに返却される。(サーバーとしてはWebサーバーとして正常に稼働しているのに、クライアントから見た時にはWebサーバーとして機能できてない、という残念な話になります。)


次に、人間どうしのコミュニケーションモデルとアリストテレスの弁論術のそれぞれの構造について
OSI 参照モデルと TCP/IP モデルの比較になぞらえて表にしてみます。
(弁論術について自分風情が解説するのもおこがましいですが。。)

人間対人間のコミュニケーションのモデルと弁論術の構成の比較

image.png

ざっくり概要

表の左側の人間どうしのコミュニケーションモデルは
「上位の階層より下位の階層の方が優先度が高い」という意味では
上に記載した OSI 参照モデルと構造的に似ているように思います。
(相手を説得して何かをしてもらうためには、ロジカルシンキングや専門知識よりも熱意や誠意が大事、それらよりも礼儀や感謝の気持ちの方がもっと大切ということを表現したつもりです。)

OSI 参照モデルと合わせて7層にしてみましたが、細かい所でツッコミがあるかと思います(例:感謝と礼儀と整理整頓は同じレイヤーで語られる話じゃない。など)。
それは結構人によって異なるところかと思います。この表の左側で言いたかったことは「人間どうしのコミュニケーションでも大事なことというのは、ある程度細かく階層的に分類されており、それぞれの間には優先順位がある。」ということです。

それらの細かい分類をコンパクトに3つにまとめたのが、表の右側の弁論術だと考えています。

調べたところ、弁論術においても、3つの要素の間には優先順位があるらしいです。
エトス、パトス、ロゴス の順番で、エトス(信頼性)が一番大事、その後にパトス(情熱)・ロゴス(理屈)と続きます。
この考え方は、表の左側の人間どうしのコミュニケーションモデルと似ているところがあるように思います。
重要なのは、相手を説得する時は「どう論理的に伝えるか(ロゴス・より上位の層)」よりも「どういった人柄の人物が伝えるか(エトス・より下位の層)」の方がよっぽど効果的 らしいということです。これは説得以外にもコミュニケーション全般で言える話な気がしますね。

例)不遜な態度のアプリ開発者

礼儀や誠意を欠いた行動をしていては、どんなに優れた実装技術を持った開発者であっても
周囲の関係者には話を聞いてもらえず、協力関係を結ぶことはできない。
結果、その開発者は十分なパフォーマンスは発揮できないどころか、
チームの雰囲気を悪くしていると噂され、どんどん状況が悪くなっていく
(…という傾向が基本的にはありそうだなと思っています。
 しかし、実力や才能がある人の場合はそれでも重宝されるという状況も結構ある気がしますね…)。

結論

人間どうしでは、仲良くなったり関係性が近くなると、礼儀や感謝を欠いた振る舞いをしてしまう人が(自分も含め)一定数いると思います。対して、機械はそんな風にサボったりしないで一往復の通信の都度、通信プロトコルの規格(7層分全て)に従って通信することができています(イメージとしては 「纏」「絶」「練」「凝」を全て同時にやってる感じですね!)。「機械を見習え」というような変なことは書きませんが、「今、自分は目の前のタスクをこなすことで手一杯になっているが、それより前にチーム内の和やかな雰囲気作りに貢献できているか。打ち合わせの内容以前に最低限の礼儀やユーモア、愛嬌を忘れていないか。」と、少しだけ自分の振る舞いに適用して考えてみると、どこかで行き詰った時にその状況を打開する良いヒントになるかもしれません。

柔道などのスポーツなどで良く使われるような「礼に始まり礼に終わる」という言葉も、「道場に入る時と出る時だけ礼儀作法や挨拶を頑張るべきで、あとは適当で良い。強さこそ正義。」という意味ではないはずです。「道場に入ってから出るまでのすべてのコミュニケーションや所作において、一貫してまずは周囲への敬意を持って振る舞うべし。強さや勝ち負けは二の次三の次。」という考えから生まれた言葉と捉えると、今回の話と共通点があるように自分には感じられます。

まあ、逆にあまり極端に「じゃあ人と話す時は礼儀・感謝・謙虚さえ守っておけば良いんだ!」とか考え出すと、それはそれで肝心の人と仲良くなったり、仕事の話をするところが疎かになってしまうと思うので、「コミュニケーションも要は(各層での)バランスが大事なんじゃない?」とおじさんは考えている、というお話でした。by 要はバランスおじさん2

  1. https://ja.wikipedia.org/wiki/OSI参照モデル

  2. https://togetter.com/li/1402258

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