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AIは私たちをダメなプログラマーにしている

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先日、redditのプログラミングコミュニティで興味深い議論を見つけました。「AI Is Making Us Worse Programmers(AIは私たちをダメなプログラマーにしている)」というちょっと挑発的なタイトルのスレッドなのですが、実際に読んでみると、AIツールの活用について示唆に富む意見が多く投稿されていました。普段からGitHub Copilotなどを使用している身として、この議論から得られた知見と、私自身の経験を共有したいと思います。

下記のような記事の書いています

はじめに

最近のプログラミング環境では、AIツールの存在が当たり前になってきています。私の周りでも、GitHub Copilotやその他のAIコーディングアシスタントを日常的に使用している開発者が増えてきました。確かに開発の速度は上がりますが、同時に新たな課題も見えてきています。特に気になるのは、AIツールとの関わり方によって、私たち開発者の成長機会が大きく変わってくるという点です。

AIツールとの付き合い方:代替から協働へ

AIツールとの付き合い方には、大きく分けて二つのアプローチがあると思っています。一つは「代替アプローチ」で、できるだけ多くの作業をAIに任せようとするもの。もう一つは「協働アプローチ」で、AIと人間が互いに学び合いながら成長していくというものです。

最初はAIに任せっきりにする代替アプローチに魅力を感じていたのですが, 実際に試してみると意外な落とし穴がありました。コードの品質が安定しない、予期せぬバグが発生する、そして何より、自分自身の技術力が伸びにくいという問題です。そこで今は、協働アプローチを意識的に実践しています。

実践的な活用モデル

私は、AIツールを以下のような形で活用しています:

支援型の活用

プログラミングの文脈で具体的に説明すると、たとえばテストコードを書く際のアプローチです:

// まず人間が設計を考える
describe('UserAuthentication', () => {
  // AIに基本的なテストケースの生成を依頼
  test('should validate user credentials', () => {
    // AIが提案したテストケースを人間が確認・修正
  });
});

このアプローチでは、テストの設計は人間が行い、具体的なテストケースの実装をAIがサポートします。そして最終的なレビューと調整を人間が行うことで、品質を担保しています。

拡張型の活用

データ変換処理のような定型的なコードでは、このようなアプローチを取っています:

// 人間が基本的な構造を定義
const transformUserData = (rawData) => {
  // AIに変換ロジックの提案を依頼
  const transformedData = {
    id: rawData.userId,
    displayName: `${rawData.firstName} ${rawData.lastName}`.trim(),
    email: rawData.userEmail.toLowerCase(),
    metadata: {
      createdAt: new Date(rawData.created).toISOString(),
      lastLogin: rawData.lastLoginDate || null
    }
  };
  
  // 人間が追加のバリデーションやビジネスロジックを実装
  validateUserData(transformedData);
  return transformedData;
};

効果的な活用のためのガイドライン

議論のなかで以下のようなガイドラインが提案されています:

シニア開発者向けのアプローチ

AIツールを「アイデアの検証用プロトタイピングツール」として活用します。新しい機能の実装方法を考えるとき、まずAIに複数のアプローチを提案してもらい、それぞれの長所・短所を検討します。最終的な実装は必ず自分で行いますが、この過程で様々な実装パターンに触れることができ、技術の幅が広がります。

初学者向けのアプローチ

AIツールを「学習補助」として使うことを推奨しています。具体的には:

  • AIが生成したコードを「なぜそうなるのか」理解することから始める
  • 生成されたコードを手動で書き直してみる
  • エラーメッセージの意味をAIに説明してもらい、デバッグの過程を学ぶ

品質管理とレビュープロセス

AIが生成したコードをレビューする際は、特に以下の点に注意を払っています:

セキュリティとパフォーマンス

認証・認可のロジックや、データベースのクエリ最適化など、重要な部分はAIに任せきりにせず、必ず人間が詳細にレビューします。例えば:

// AIが生成したクエリの例
const users = await db.query(
  'SELECT * FROM users WHERE status = ?', 
  [status]
);

// 人間が最適化したバージョン
const users = await db.query(
  'SELECT id, name, email FROM users WHERE status = ? LIMIT 100', 
  [status]
);

コードの一貫性

プロジェクトの命名規則や設計パターンとの整合性を重視しています。AIは文脈を完全には理解できないので、ここは人間の判断が重要です。

まとめ

AIツールは確かに強力な開発支援ツールですが、それを「代替」ではなく「協働」のパートナーとして活用することで、より大きな価値を生み出せると考えています。特に:

  • AIと協働することで、私たち自身の技術力も向上させられる
  • 適切な活用モデルを選択することで、品質と効率の両立が可能
  • チーム全体の成長につながる使い方を意識する

という点を意識することで、AIツールをより効果的に活用できると考えています。

参考資料とリンク

GitHub公式のベストプラクティスガイド: https://docs.github.com/copilot/using-github-copilot/best-practices-for-using-github-copilot
Visual Studio CodeでのCopilot活用ガイド: https://code.visualstudio.com/docs/copilot/prompt-crafting

また、この記事のきっかけとなったRedditの議論(https://www.reddit.com/r/programming/comments/1i846fr/)も読んでみてください

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