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Leapcell: Rustアプリが簡単にデプロイできるサーバーレスプラットフォーム

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Rustで開発したWebアプリケーションを簡単にクラウドにデプロイしたいと思ったことはありませんか?この記事では、次世代のサーバーレスプラットフォームである「Leapcell」を使って、Rustアプリケーションを手軽にデプロイする方法を紹介します。

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はじめに

Rustは高いパフォーマンスとメモリ安全性を両立させたプログラミング言語として、Webバックエンドの開発にも人気が高まっています。しかし、ちょっとしたアプリをデプロイするだけなのにコストをかけたくありません。

そこで登場するのが「Leapcell」です。Leapcellは、新たなサーバーレスプラットフォームで、Rustを含む様々な言語で開発されたアプリケーションを簡単にクラウドにデプロイすることができます。

Leapcellとは

Leapcellは、分散アプリケーションのための信頼性の高いプラットフォームで、以下のような特徴を持っています:

  • サーバーレスアーキテクチャ:使用した分だけ課金され、アイドル状態のサーバーにお金を払う必要がありません
  • 自動スケーリング:トラフィックに応じて自動的に拡張・縮小します
  • 簡単なデプロイ:GitHubとの連携により、コードをプッシュするだけで自動的にデプロイされます
  • カスタムドメイン対応:独自ドメインの設定と自動SSL証明書の取得が可能
  • 豊富な機能:サーバーレスRedis、非同期タスク処理、メトリクス監視など多くの機能を提供

特にRustのようなコンパイル言語のアプリケーションをサーバーレス環境で動かすための最適化が施されており、効率的な運用が可能です。

なぜLeapcellを使うべきか

  1. コスト効率が良い:実際の使用量に応じた課金体系で、アイドル状態のリソースに対して支払う必要がありません
  2. 無料枠が充実:毎月リセットされる寛大な無料枠があり、個人プロジェクトであれば通常は無料枠内で収まります
  3. メンテナンスフリー:インフラの管理やスケーリングを自動化し、開発者はコードに集中できます
  4. Rust対応:Rustアプリケーションのビルドからデプロイまでをシームレスにサポート

Rustアプリのデプロイ手順

ここではAxumフレームワークを使ったRustアプリケーションを例にして、Leapcellへのデプロイ方法を解説します。

前提条件

  • GitHubアカウント
  • Leapcellアカウント(公式サイトから無料で登録可能)

手順1: サンプルリポジトリをフォークする

まずはAxumのサンプルリポジトリをGitHubでフォークします。このリポジトリには、簡単なHTTPサーバーが実装されています。

use axum::{response::Html, routing::get, Router};

#[tokio::main]
async fn main() {
    // アプリケーションをルートで構築
    let app = Router::new().route("/", get(handler));

    // サーバーを起動
    let listener = tokio::net::TcpListener::bind("127.0.0.1:8080")
        .await
        .unwrap();
    println!("listening on {}", listener.local_addr().unwrap());
    axum::serve(listener, app).await.unwrap();
}

async fn handler() -> Html<&'static str> {
    Html("<h1>Hello, World!</h1>")
}

このコードは非常にシンプルで、ルートパスにアクセスすると「Hello, World!」と表示するWebサーバーを実装しています。Axumを使うことで、非常に簡潔かつ高性能なAPIサーバーを構築することができます。

手順2: Leapcellダッシュボードで新しいサービスを作成

  1. Leapcellダッシュボードにログインします
  2. 「New Service」ボタンをクリックします
  3. フォークしたリポジトリを選択します
    • リポジトリが表示されない場合は、GitHubとの連携が必要です。ダッシュボードの指示に従って連携を完了してください。

手順3: デプロイ設定を行う

サービスの作成時に、以下の情報を入力します:

項目
ランタイム Rust(バージョン指定可能)
ビルドコマンド cargo build --release
起動コマンド ./target/release/app
ポート 8080

※ 注意点:

  • Rustはコンパイル言語なので、cargo build --releaseでビルドし、生成されたバイナリを直接実行します
  • プロジェクト名がapp以外の場合は、起動コマンドを適宜変更してください(例:./target/release/myapp
  • cargo runではなく直接バイナリを実行するのは、Leapcell環境では一部のパスへの書き込みが制限されているためです

手順4: デプロイする

設定が完了したら「Deploy」ボタンをクリックして、デプロイを開始します。デプロイが完了すると、your-app-name.leapcell.devのようなURLが発行されます。

手順5: アプリケーションにアクセスする

発行されたURLにアクセスして、アプリケーションが正常に動作していることを確認します。「Hello, World!」のメッセージが表示されれば成功です。

継続的デプロイメント

Leapcellは、GitHubリポジトリと連携することで、継続的デプロイメント(CD)を実現します:

  • 連携したブランチへのプッシュが自動的にビルドとデプロイをトリガーします
  • ビルドに失敗した場合は、現在のバージョンが引き続き実行されます
  • 次回の成功するデプロイまで、サービスは中断されることなく継続します

これにより、開発フローがスムーズになり、新機能のリリースやバグ修正を迅速に本番環境に反映できます。

Leapcellの料金プランについて

Leapcellには以下のような料金プランがあります:

  1. Hobby(無料)

    • 100,000サービス呼び出し
    • 最大30の同時呼び出し
    • 個人プロジェクトや学習用に最適
  2. Plus($9/月)

    • 200,000サービス呼び出し(超過分は100万呼び出しあたり$0.60)
    • 20,000非同期タスク
    • 200,000 Redisコマンド
    • 最大100の同時呼び出し
  3. Pro($19/月)

    • 1,000,000サービス呼び出し
    • 100,000非同期タスク
    • 1,000,000 Redisコマンド
    • 最大1,000の同時呼び出し

特に個人開発や小規模プロジェクトであれば、無料枠内で十分に利用できるでしょう。

Leapcellの高度な機能

Leapcellは、単なるホスティングサービス以上の機能を提供します:

サーバーレスRedis

完全マネージド型のRedisサービスで、自動スケーリングとメンテナンスフリーを実現します。キャッシュやセッション管理などに最適です。

非同期タスク処理

バックグラウンドタスクを簡単に実行・スケールでき、リトライや定期実行の機能も備えています。

メトリクス&ログ

リアルタイムの洞察を得るための強力な監視・ログ機能を提供します。

DDoS対策&WAF

DDoS攻撃の緩和機能により、自動的な保護が提供されます。継続的に攻撃を分析し、手動操作なしで対処します。

コスト制御

支出上限を設定して、コストを簡単に管理し、計画外の過剰支出を防ぐことができます。

まとめ

Leapcellは、Rustアプリケーションを簡単にデプロイ・管理できるサーバーレスプラットフォームです。GitHubとの連携による簡単なデプロイ、使用量に基づく課金モデル、充実した無料枠など、個人開発者からチームまで幅広いユーザーにとって魅力的な選択肢となりそうです。

Rustの高いパフォーマンスとLeapcellのサーバーレスアーキテクチャを組み合わせることで、効率的で拡張性の高いWebアプリケーション運用が可能になるのではないでしょうか。特に個人や小規模チームにとって、インフラ管理の手間を大幅に削減できそうです。

参考リンク

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