3大クラウドと呼ばれてる(はず)のAWS、Azure,GCPについて、それぞれ一番中心となるだろうアーキテクト試験を取得してきたので、個人的な感想や比較を書きたいと思います。
- AWS Solution Architect Professional
- Azure Solutions Architect Expert
- GCP Professional Cloud Architect
3つを受けてみると、各社の色が現れていて面白かったです。
以下、個人的かつ定性的な評価となります。
※3大クラウドのDevOps試験についてはこちらに記事書きましたので良かったらどうぞ
https://qiita.com/yomon8/items/4c223b51a04d0b1feeeb
3試験で共通していること
IaaSが半分、残りをPaaSをSaaSを組み合わせたような出題分野で、所謂インフラ寄りですね。開発知識が問われる問題はほとんど無かったです。
AWS Solution Architect Professional
まず、AWSです。
1回目の試験は2015年頃に合格しました。その後更新はせずに一回失効して、2019年になってもう一度会社の報奨金目当てに取り直しました。
3試験の比較において、AWSの試験の特徴はその問題文の量だと思います。
全体として、要件に対してどのアーキテクチャ、方式を選択するかという問題なのですが、一つの問題に複数の小さな問題を詰め込んだ内容になっています。
「要件はこれ、問題に出てるサービスは3つか。サービスAはこういう制限だからこう使う、サービスBはこう使うべき、サービスCのこの使い方は間違い」みたいな思考法で大量の問題を解いていく感じです。
ただ選択肢の数はだいたい4つ程度に限られるので、逆にしっかり読んでサービスの用途を考えれば合格しやすいのかなと思います。
AWSは実際に使っている人も一番多いでしょうし、一番受験者も多いと思います。対策本なんかも沢山出ていますし、Web上の情報も多いので対策立てやすいのではないでしょうか。
3クラウドの中で比較してみるとAWSで特に問われているのは 「各サービスの正しい用途」
かなと感じました。
Azure Solutions Architect Expert
最近、伸び率が高いAzureです。エンタープライズな会社にいるからか、WindowsやOffice,SQL Serverの流れでAzureは勢いがあると感じています。
実際に以下のグラフ見てもAzure強いですね。
引用元:https://www.srgresearch.com/articles/amazon-microsoft-google-and-alibaba-strengthen-their-grip-public-cloud-market
そんなAzureの試験ですが、AWS,GCPと比較して特徴的な部分がいくつもあります。
2試験に分かれている
そうなんです。Azure Solutions Architect Expertは2つ試験合格しないと認定されません。
- AZ-300:Microsoft Azure Architect Technologies
- AZ-301:Microsoft Azure Architect Design
AZ-300がTechnologiesで実際の細かい技術の話、AZ-301がDesignで設計の話といった感じです。
1つ1つの試験のボリュームも、AWSやGCPと同じかそれ以上で疲れます。
実機演習がある
MSの試験受けたことあるなら経験したことある人もいるかもですが、実機演習が試験に組み込まれています。
例えば冗長化構成のロードバランサ作ってというお題で、実際にAzureの画面をポチポチして作っていくような試験です。実際のAzure環境なのでデプロイのリードタイムも普通にあるし、問題数もそれなりなので体力的にも厳しいです。
試験慣れに対する対策
選択試験なんて慣れてくると、何も知らない問題でもある程度は正答率上げられるものです。
例えば、AWSの試験の場合は3サービスを組み合わせる選択肢があって、1つのサービスを全く知らなくても消去法で選択肢を2つまで絞れたりすることは想像できると思います。(ただ、そういった解き方は時間がかかるので、AWSの試験は膨大な問題量で対抗しているのかもですが)
Azureの試験は一度選んだら前に後戻りできないタイプの出題方が結構でてきます。
例えばケーススタディなんかはセクションが別れていて、後で出てきた問題からサービスの仕様を思い出しても、戻って修正みたいなことができなくなっています。
内容は実践的
実機演習もそうですが、一番実践的な内容が問われているなと思いました。あまり詳しくは書けないですが、たとえばクラウドの利用コストの削減や、制約について技術とは関係無い部分まで具体的に問われるのがAzureでした。
あと、所謂オンプレの知識も含めて問われる点も、ハイブリッドクラウド推しているMicrosoftならではですね。
試験の更新方法が異なる(2021/06/03追記)
通常、こういった認定試験は数年で期限切れになり、認定を保持するには再度受験が必要になります。個人的にはモチベーション高い初回受験より、更新の方が金額、時間共に辛く感じます。
そんな中、最近、自分的大ニュースがありました。それがMicrosoftが認定更新に導入した新しいアプローチです。以下にリンクと引用を記載します。
Microsoftは、学習者が最新の状態を維持できるように 新しいアプローチを導入 しました。6か月以内に有効期限が切れる有効な認定資格をお持ちの方は、Microsoft Learnの更新アセスメントに合格することで、毎年、無料で認定資格を更新することができます。
本番と比較して簡易なアセスメントを受験することで認定を更新できるようになりました。更新アセスメントは、自宅から無料でいつでもを受けられるようになりました。かなり敷居が下がったと思います。認定の更新期間は1年毎と短いですが、これくらいだと負荷も少ないです。
実際に受験した記録は以下に記載してあります。
3クラウドの中で比較してみると、Azureで特に問われているのは「実践力」
かなと感じました。
GCP Professional Cloud Architect
最後にGCPです。
GCPは試験としては一番普通でした。問題量も大したことなくて、誰でも時間には余裕がある状態で解き終わると思います。
ただそんなシンプルな出題方法の中にもGCPの考え方が強く出ています。
まずOSはLinux前提です。Windowsだけしか触ったことないと、そもそも解けない問題がありました。
コードも出ました。普通にコード書ける人なら迷わず解ける程度の内容ですが、純なインフラエンジニアでスクリプトくらいしか書いたこと無いとなると、その問題は落としてしまうかもしれない内容でした。
逆に問われないことは、GCPとしてのサービスの仕様みたいなものは、ほとんど問われなかったと思います。実際に私もGCPのコンソールを1週間も触らずに合格しました。
3クラウドの中で比較してみると、GCPでは誤解を恐れずに言えば 「クラウドをクラウドらしく使う」
ことが求められているのかなと思いました。
所感
個人的な好みを言えば、AWSのように1つ1つは単純なものを大量に出題したり、Azureのように趣向を凝らした出題は「試験」って感じで好きにはなれないのですが、GCPの試験は疲れないし、普通に受けているだけで気付きも多いのでとてもオススメです。
GCPの試験は好きすぎて、結局全部取得してしましました。2時間強制で集中できる勉強の時間として楽しかったです。
- Google Cloud Certified - Professional Cloud Architect
- Google Cloud Certified - Professional Data Engineer
- Google Cloud Certified - Professional Cloud Developer
- Google Cloud Certified - Professional Cloud Security Engineer
- Google Cloud Certified - Professional Cloud Network Engineer
最後に参考までに3試験の体験記を自分のブログに書いてあるので貼っておきます。
AWS 認定ソリューションアーキテクト プロフェッショナルに合格したので対策と勉強方を公開
Azure Solutions Architect Expert 取得してきました
GCP Professional Cloud Architect認定にAWSの知識を元に最小限の労力で合格