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【初心者向け】「要件定義」「機能要件」「非機能要件」に何を書けばいいの?

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はじめに

新たな業務システムを発注・導入する際、「要件定義」や「機能要件」「非機能要件」など、似たような言葉が飛び交い、混乱する方も多いのではないでしょうか?

本記事では、これらの言葉の違いや役割を、例を交えてやさしく解説します。

この記事でわかること

  • 「要件定義」「機能要件」「非機能要件」の違い
  • (余談)「システム構成(方式設計)」との関係

1. 要件定義とは?

■ 意味:

住民サービスや庁内業務の中で「何を改善したいか」「どんな課題があるか」を整理する工程です。

■ 家で例えると:

「子どもが生まれたので部屋を増やしたい」「在宅勤務用の書斎がほしい」など、暮らしの理想や困りごとを伝える段階です。

■ 実例(住民異動処理のデジタル化):

  • 課題:紙申請/転記作業が多くミスが発生している
  • 理想:住民情報を一元管理し、庁内で情報連携可能にしたい

2. 機能要件とは?

■ 意味:

システムが「どのような機能を持っているべきか」という具体的な仕様です。

■ 家で例えると:

「キッチンにはIHコンロ」「洗面所に乾燥機付き洗濯機」など、具体的に欲しい設備や部屋を指定する段階です。

■ 主な記述項目(例):

機能名 内容
検索機能 氏名や住所で住民情報を検索できる
登録機能 新たな住民情報を登録できる
連携機能 税・保険システムと情報を自動連携する

3. 非機能要件とは?

■ 意味:

「どれだけ速く・安全に・安定して」システムが動くか、といった品質面の要件です。

■ 家で例えると:

「断熱性が高くて冬でも暖かい」「耐震等級3で安心」「通信環境が速い」など、快適さや安心感に直結する“性能”に関わる部分です。

■ 主な記述項目(例):

分類 要件例
性能 検索結果は3秒以内で表示されること
可用性 年間稼働率99.9%以上、深夜は保守時間を除く
セキュリティ 通信はすべてSSL暗号化、二要素認証導入
拡張性 利用者数が2倍に増えても処理速度が落ちない設計

4. システム構成(方式設計)とは?

■ 意味:

これまでの要件(やりたいこと・欲しい機能)をどんな仕組み・構成で実現するかを検討する工程です。

■ 家で例えると:

「鉄筋コンクリートにする」「太陽光パネルを屋根に設置する」「配線は壁内に通す」など、具体的な施工・技術的構造の話にあたります。

■ 記述内容の例:

項目
クラウド/オンプレ LGWAN対応クラウドを利用(庁内アクセス制限あり)
サーバ構成 冗長構成(2台構成)、バックアップ毎日実施
DB設計 RDB(PostgreSQL)を使用
認証連携 庁内ADとSSO連携、アクセスログ取得を実施

5. 各文書の役割と粒度比較

区分 担当 粒度 役割・記載例
要件定義書 業務部門+情報政策課 中〜粗 何がしたいか(業務課題・改善方向)
機能要件書 発注者+ベンダー 詳細 画面/操作/入力/出力などの具体的仕様
非機能要件書 発注者+ベンダー 詳細 性能、安定性、セキュリティ要件など
システム構成案 情報政策課+ベンダー 技術的詳細 クラウド構成、認証方式、インフラ設計

✅ まとめ

  • 要件定義=業務上の課題と理想の明確化(暮らしの希望)
  • 機能要件=具体的に何ができるか(どの設備を付けるか)
  • 非機能要件=使い勝手や性能、安全性(快適で安心な住環境)
  • システム構成=実現のための技術的手段(どう作るか)

これらの要素は、システム導入を成功に導くための「設計図」にあたります。
まずは、“業務で本当に困っていること”を丁寧に言葉にすることから始めましょう。
誰かが「使って良かった」と思える仕組みは、こうした丁寧な整理から生まれます。

複雑に見えるものも、解きほぐせば必ず形になります。まずは目の前の一歩から始めましょう🍀

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