心理的安全性とは
「無知、無能、否定的、邪魔だと思われる可能性のある言動をしても、このチームなら大丈夫だという『信念』」
とても主観的な概念
「リスクのある言動をしても大丈夫だよ」と口で言うだけではダメ
相手がそう感じるまで言動で示し続ける
Q: 「雰囲気が良い」「仲が良い」ってこと?
A: 観点が違う
その場を収めるために雰囲気を読むようになれば、それは心理的安全性の欠如そのもの。
〇「安全(safety)」×「安穏(calm)」
「無知」「無能」「否定的」「邪魔」の不安がない。
→自分の言いたいことがきちんと言える。
→同時に、相手も言いたいことを言ってくる。
安心して「波風を立たせる」ことができる状態
チームが成果を出すための心理的安全性
「無知」の不安がない
→わからないことはすぐに質問、相談ができる。
「無能」の不安がない
→失敗を認めたり、他のメンバーの考えを受け入れることができる。
「否定的」の不安がない
→議論をすることでより良い方向性を模索することができる。
「邪魔」の不安がない
→新しいやり方を試すことができる。
チームがより高い成果を達成するために、心理的安全性の「土台」の上で、チームが学習し、変容する。
(心理的安全性自体が目的となるのは誤り)
注目を集めた経緯
Googleの「プロジェクト・アリストテレス」
パフォーマンスの高いチームに共通的に見られる要素として、心理的安全性が挙げられ注目された。
ただし...
「Google調べ」であることに注意。
→ダントツに優秀な人たちが集まったところ。
心理的安全性を測る質問
- チームの中でミスをすると、たいてい非難される。
- チームのメンバーは、課題や難しい問題を指摘し合える。
- チームのメンバーは、自分と異なるということを理由に他者を拒絶することがある。
- チームに対してリスクのある行動をしても安全である。
- チームの他のメンバーに助けを求めることは難しい。
- チームメンバーは誰も、自分の仕事を意図的におとしめるような行動をしない。
- チームメンバーと仕事をするとき、自分のスキルと才能が尊重され、活かされていると感じる。
心理的安全性を高める取り組み
- 仕事を実行の機会ではなく学習の機会と捉える。
- 自分が間違うということを認める。
- 好奇心を形にし、積極的に質問する。
心理的安全性を考えるヒント
HRTの原則
こちらはGoogleのチームビルディングから出てきたもの。
背景や文脈は異なるが、心理的安全性の基礎となる部分がある。
謙虚(Humility)
世界の中心は君ではない。君は全知全能ではないし、絶対に正しいわけでもない。常に自分を改善していこう。
尊敬(Respect)
一緒に働く人のことを心から思いやろう。相手を1人の人間として扱い、その能力や功績を高く評価しよう。
信頼(Trust)
自分以外の人は有能であり、正しいことをすると信じよう。そうすれば、仕事を任せることができる。
HRTの原則(裏技)
心構えではなく「しぐさ」の話。
(尊敬できてもできなくても、尊敬している「しぐさ」ができることが大切)
さいごに
プロジェクトはチーム戦
チームワークもエンジニアに必要なスキル
(もしかしたらプログラミングと同じくらい大事かもしれないこと)
もっと知りたいときは
チームが機能するとはどういうことか
Amy C. Edmondson 著、野津 智子 訳
http://www.eijipress.co.jp/book/book.php?epcode=2182
Team Geek ―― Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか
Brian W. Fitzpatrick、Ben Collins-Sussman 著、角 征典 訳
https://www.oreilly.co.jp/books/9784873116303/
Google re:Work - ガイド:「効果的なチームとは何か」を知る
https://rework.withgoogle.com/jp/guides/understanding-team-effectiveness/steps/introduction/