iOS 11 以降を搭載した iOS 端末で撮影した写真を PC に転送すると、.heic
という見慣れない拡張子で出現することがあります。
.heic
とは何者か?
.heic
は HEIF (High Efficiency Image File Format) と呼ばれる高圧縮な写真保存用フォーマットを表す拡張子です。
Apple 製のデバイスで HEIF/HEVC メディアを扱う:
iOS 11 と macOS High Sierra では、以下の新しい業界標準のメディアフォーマットに対応しました。
HEIF (High Efficiency Image File Format):写真用。
HEVC (High Efficiency Video Coding):H.265 と呼ばれることもあります。ビデオ用。HEIF と HEVC は JPEG や H.264 よりも圧縮率が高いため、デバイス本体や iCloud 写真の容量はさほど占有しないのに、同等の画質に仕上がります。
[設定] - [カメラ] - [フォーマット] で [カメラ撮影] の項目を [互換性優先] に設定することで従来のJPEG形式で保存することもできますが、折角の高圧縮フォーマットなので普段は HEIF で保存していきたいところですね。
Windows で HEIF ファイルを開く方法を検索すると日本語が怪しげなソフトウェアを購入することを勧められたりもしますが、個人的には Microsoft ストア から Microsoft 公式の HEIF 画像拡張機能 (無償)を導入する方法がおすすめです。 1
この拡張機能を導入すると、「フォト」アプリや Paint.Net などを利用して HEIF ファイルを閲覧・編集したり、従来の画像フォーマットに変換して保存することができます。
ImageMagick を利用して HEIF ファイルを JPEG や PNG に変換する
しかし、PC 上で画像を取り扱うなら従来のファイルフォーマットを利用したくなることも多くあります。そんなとき、一つ一つ画像を開いて変換していくのが面倒になのでコマンドラインで処理したくなります。
ImageMagick は画像を取り扱う際に利用する非常に著名なソフトウェアスイートですが、HEIF も対応フォーマットの中に含まれています。ですので ImageMagick をインストールし、パスを通している環境なら以下のコマンドを入力するだけで HEIF ファイルを任意のファイルフォーマットに変換できてしまいます:
magick convert from.heic dest.png
簡単ですね!
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一部の HEIF ファイルは デバイス製造元からの HEVC ビデオ拡張機能(無償)もしくは HEVC ビデオ拡張機能 (税込み120円)の導入が必要になる場合もあるようです。 ↩