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【Webpack】Webpackについてまとめてみた

Last updated at Posted at 2020-08-30

はじめに

0. 感想

  • Webpackは簡単にいうとフロントエンドのソースコード管理ツールで、CSSやJS等のコードを圧縮または変換する。(SASS → CSS, ECMAScript2015 → JavaScriptなど)

    • Railsエンジニアからすると、Asset Pipelineとやっていることは近い。
  • ↑を行うために、様々な ローダープラグイン というものを使用する。

概要

1. webpackとは?

  • JS, CSS, 画像などを一つにまとめるためのツール。
    • モジュールバンドラーと呼ぶ。
      • バンドル ≒ ビルド

webpack以前

  • 各.htmlファイルで <script> 要素を列挙していた。
    • 以下のような問題点があった。
      • <script> 要素は順番に実行されるので、並び順に注意を払う必要がある。
      • ライブラリ同士やアプリ本体のコードが互いに依存関係にあるような状況が発生してしまう。
<script src='lib.js'></script>
<script src='app.js'></script>

webpack以降

  • モジュールバンドラーの利用によって、以下のようなメリットがあった
    1. 自動的に依存性を解決する
      • 一つのファイルにバンドルしてくれるので、HTML側でコードの依存関係を意識することがなく、まとめられたファイルをインポートさえすれば良くなった。
    2. リクエストの回数を抑える
      • 複数ファイルを一つにまとめることで、ブラウザ/サーバー間のリクエスト数を減らすことができた。
    3. 大規模な開発に向いている
      • コードをクラス/関数の単位でモジュール(ファイル)として細かく分割できるので、ここのファイルの見通しが改善され、名前空間を明確に分離できるようになった。

2. webpackの仕様

2-1. さまざまなモジュール形式を解釈できる。

  • CommonJS
    • module.exports.add = require('hoge') みたいなやつ。
  • AMD
  • ES Modules

2-2. ローダー/プラグインが豊富。

  • ローダー
    • リソースを読み込むためのライブラリ。
      • 画像やスタイルシートなどをバンドルすることが可能。
      • TypeScriptなどのaltJSコンパイルした上でバンドルすることが可能。
  • プラグイン
    • webpackそのものの拡張。
      • コードの圧縮(minify)。
      • バンドルしたファイルを実行するためのページの生成。

タスクランナー・ビルドツール

  • Grunt, gulpなどがある。

2-3. フレームワークでの採用実績が増えている。

  • Angular, React, Vue.js などのJavaScriptフレームワークのコマンドラインツールでは、内部的にwebpackが利用されている。

3. モジュールバンドラーの基本

  • 「モジュールを束ねる」という性質上、モジュールの理解が必須。

    • JavaScriptにおけるモジュールとは、即ちファイルのこと。
      • ファイル名がそのままモジュール名を意味する。
  • export が指定されていないメンバー(変数/関数/クラス)は、モジュールの外からは参照できない

    • これによって名前の競合を防げる。
  • import/export を全てのブラウザーで認識できるわけではないため、モジュール間の依存関係を解釈し、一つに束ねるのがモジュールバンドラーwebpack。

4. webpackを利用する

4-1. Node.jsのインストール

  • webpackは、Node.js上で動作するコマンドラインツール。
    • webpackを利用した開発では、アプリをNode.jsプロジェクトで管理するのが一般的。

4-2. package.jsonの作成

  • package.jsonはNode.jsの設定ファイル。
    • アプリの基本情報、プロジェクト固有のコマンド、利用しているパッケージ(ライブラリ)などを管理する。
  • npm init -y というコマンドによって生成される。

4-3. webpackのインストール

Node.jsプロジェクトにwebpackをインストールする。

  • npm install --save-dev webpack webpack-cli
    • --save-dev オプションは、インストールするパッケージの情報をpackage.jsonに記録しなさい、という意味。 --save オプションでインストールされたパッケージは、 package.json内の dependencies ブロックに記録される。
      • package.jsonでパッケージ情報をまとめておくことで、あとから別の環境で必要なライブラリを準備したい場合にも npm install コマンド一つで再現できる。
        • --save-dev オプションは、アプリ開発で利用するツールをインストールする場合に利用する。 --save オプションはアプリそのものの実行で利用する。
    • インストールに成功すると、プロジェクトルートに /node_modules フォルダーが生成され、配下にパッケージ本体(ライブラリ)が保存される。

5. webpackの基本

  • /dist/index.html

    • JavaScriptファイルを呼び出すためのページ
  • /src/index.js

    • 各モジュールを呼び出し、実行するコード。エントリーポイント。
      • index.htmlがindex.jsを参照する。
  • npx webpack

    • プロジェクトローカルにインストールされたパッケージのコマンドを実行。
      • webpacの既定では、/src/index.jsがエントリーポイントとなり、バンドルの結果は/dist/main.jsに出力される。
        • 生成されたmain.jsには
          • モジュールを解決するためのコード
          • エントリーポイント
          • エントリーポイントが依存するコード
            • が一式含まれており、ページからは最終的な出力ファイル(main.js)をインポートするだけでアプリを実行できる。
              • <script src='./main.js'></script>

6. 設定ファイルの基本

  • 実際の開発では、#5 で述べたような規定の動作だけでは不足で、「入出力先を変更したい」「ビルドにあたって任意の処理を追加したい」「そもそも処理対象のファイルを限定したい」など、細やかな挙動を指示する必要が出てくる。
    • これらの挙動は npx webpack コマンドのオプションとして指定することもできるが、あとで繰り返し実行することを考えれば、設定ファイルとしてまとめておくのが便利かつ一般的。

6-1. 設定ファイルの骨組み

  • エントリーポイントと出力先ファイルを設定ファイルで指定し、ビルドする。
// webpack.config.js

// 設定ファイルの外枠
module.exports = {
  // エントリーポイント
  entry: './src/index.js',
  output: {
    // 出力先のフォルダ
    path: `${__dirname}/dist`,
    // 出力先のファイル名
    filename: 'main.js'
  },
};
> npx webapck --config webpack.config.js

コマンドを実行後、dist/main.jsにエントリーポイントをビルドした内容が出力されていれば、ビルドは成功。

ビルドコマンドのショートカット

  • package.json内で設定できる。
...
'script': {
  'build': 'webpack --config webpack.config.js'
}
...
// 以下は同じ
> npm run build
> npx webpack --config webpack.config.js

6-2. 開発サーバーの導入

  • コードを修正する度にビルドコマンドを再実行するのは面倒。
    • webpack-dev-serverを使って自動で再ビルド、ブラウザーのリロードを実行できる。

webpack-dev-serverのインストール

> npm install --save-dev webpack-dev-server
// webpack.config.js

module.exports = {
  entry: './src/index.js',
  output: {
    ...
  },
  devSerevr: {
    contentBase: './dist' // コンテンツの基底パス(検索先)の宣言
  },
};
// package.json

'script': {
  'start': 'webpack-dev-server --open', // --open: サーバー起動時にブラウザを開く
  'build': 'webpack --config webpack.config.js'
},
> npm start // npm run startとどちらでも良い。
開発サーバーによるビルドについて
  • 開発サーバーは、ビルドの結果をメモリー上で管理している。
    • よって、元からある/dist/main.jsには再ビルドの結果は反映されない。ビルドの結果をファイルに保存したい場合には、 npm run build コマンドを利用する。
watchモードによるファイルの監視

コードの編集時に再コンパイルするだけならば、webpack-dev-serverではなく、webpack本体のwatchモードを利用してもよい。


// package.json
{
  'name': 'basic',
  ...
    'build': 'webpack --watch --config webpack.config.js',
  ...
}
  • npm run build コマンドを実行し、適当なコードを変更してみると、確かに自動的に再ビルドが実施されることが確認できる。
    • 一般的には、開発サーバーを利用した方がブラウザーまで制御できるため便利。
      • ビルド結果をファイルできちんと確認したいなどの状況では、watchモードは重宝される。
本番/開発モードの選択
  • webpack.config.jsで mode パラメータを指定する。

    • webpack4では必須。
  • 開発モード

    • よりデバッグに適したコードを高速に生成する
  • 本番モード

    • 不要なコードを削除し、できるだけサイズが小さく(minificationされる)、実行効率の良いコードを生成する。
ソースマップの生成
  • ビルド前後のコードをマッピングするためのファイル。

    • ソースマップを利用することで、デバッグ時にも、エラー箇所を(バンドル前の)オリジナルのソースコード によって参照できるようになるので、問題の特定がしやすくなる。
  • devtoolパラメーターで 'eval-source-map' を使用すると、オリジナルのソースを得ることができる。

7. ローダー

  • webpackを学ぶということは、ローダーを学ぶことである、と言い換えても良い。

  • ローダーはリソースをモジュールに変換する。

    • ローダーを利用することで、JavaScript以外のコード(スタイルシート、画像ファイル)でもバンドルできるように、モジュール(JavaScriptで処理できる形式)に変換してくれる。

スタイルシートのバンドル - css-loader/style-loader

  • css-loader
    • スタイルシートを読み込むためのローダー。
  • style-loader
    • スタイルを <style> 要素としてページに反映させるためのローダー。
> npm install --save-dev webpack webpack-cli css-loader style-loader

ローダーの有効化

  • 設定ファイルに対して module - rules パラメータを追加する。
// webpack.config.js
module.exports = {
  ...
  modules: {
    rules: [
      {
        test: /.\css$/,  // ローダーを適用するファイル
        use: [  // 適用するローダー
          'style-loader',  // 2. モジュールをページに組み込む
          'css-loader'  // 1. *.cssファイルがモジュール化
        ]
      }
    ]
  }
}

スタイルシートを要素で出力する - ExtractTextPlugin

  • style-loader/css-loaderの組み合わせでは、バンドルされたスタイルは <style> 要素としてページに埋め込まれる。
    • 一般的には、スタイルシートはページとは別ファイルとし、 <link> 要素で埋め込むのが普通。
      • ExtractTextPluginによって、バンドルしたリソースをファイルとして切り出す。
> npm install --save-dev webpack webpack-cli css-loader style-loader extract-text-webpack-plugin@next
// webpack.config.js
const ExtractTextPlugin = require('extract-text-webpack-plugin');
module.exports = {
  ...
  modules: {
    rules: [
      {
        test: /.\css$/, 
        use: ExtractTextPlugin.extract({ use: 'css-loader' })  // 2. プラグインを割り当てる。
        ]
      }
    ]
  },
  plugins: [
    new ExtractTextPlugin('style.css'),  // 1. スタイルシートの出力ファイル名を指定。
  ]
}
  • プラグインを有効化するには、require関数でインポートした後、pluginsパラメーター配下でプロジェクトに登録する。
  • 出力ファイル名には [name].css のようにプレイスホルダーを含めることもできる。
  • ExtractTextPluginそのものはスタイルシートをモジュール化する機能は持たないので、extractメソッドの引数(useパラメーター)に、そのためのローダーを指定する。

その他のローダー

url-loader

  • 画像をバンドルする。

    • 無条件に全ての画像を束ねてしまうのは望ましくない。
      • 理由1: オリジナルファイルよりもサイズが大きくなる
      • 理由2: 解析のためのオーバーヘッドが発生する
  • リソースをファイルとして出力し、そのパスを管理する。

    • url-loaderの optins - limit パラメーターで、画像サイズが閾値を超えたらファイル出力する、というような設定ができる。
  • 本番環境で画像ファイルをCDNに配置する場合、 output - publicPath パラメーターを設定する。

    • これによって、ビルド時にurl関数の値をリライトできる。

file-loader

  • フォントファイルをバンドルする
    • ネット経由でフォントを取得し利用する、Webフォントをバンドルする。

babel-loader

  • ES2015以降のコードを、バンドル前にBabelによってトランスコンパイルする。
    • ブラウザのサポート率が低いES2015以降の構文を、より低いバージョンのJavaScriptに変換する。

ts-loader

  • TypeScriptのコードをコンパイルし、JavaScriptコード(既定ではES5のコード)に変換する。

sass-loader

  • Sass(Syntactically Awesome Stylesheets。制御構文、関数、ミックスインなど、スタイルシートをよりコンパクトにまとめるための言語機能を備えた言語)をコンパイルし、標準的なCSSスタイルシートに変換するためのローダー。
    • css-loader , style-loader , node-sass(Node.js上でSassをコンパイルするためのライブラリ)とのセットで利用する。

es-lint-loader

  • ESLint(静的コード解析ツール)をwebpack上で実行するためのローダー。
    • いろいろ設定があるらしい。

参考

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