はじめまして!
LITALICOのグラフィックデザイナー/アートディレクターの @yoco-k です。
LITALICO入社3年半、デザイナーとしては雑誌や本などのエディトリアルデザインの経歴が長いです。
アドベントカレンダー執筆初体験となります。
どうぞよろしくお願いいたします!
今回の記事はこんな感じ
インハウスデザイナーである私が、初めてブランディングについて学んだこと。
また、デザインチーム内での勉強会や資料作成、今後どのようにブランドを育てていきたいかなどについて書いています。
ざっくり経緯
LITALICOは2016年に、当時のすべてのサービスブランドを「LITALICO」へ統合し、リブランドしました。が、その時のブランド策定資料が、クリエイティブチームの現場にうまく引継ぎなどされないままでした。
私が入社した当初も、LITALICO内の各事業の広告は、主にトンマナ(トーン&マナー)に留意して制作されていました。Webサイトやパンフレットに準じ、指定フォントや指定イラスト、シンボルカラー、デザインマテリアルなど、ビジュアルアイデンティティの要素はそろっていたので、トンマナに習って統一性あるデザインの提案・表現はある程度問題なくできていたのです。
じゃあ、どうしてブランディングについて意識したの?
デザインのトーンはある程度そろってるので、一見問題ないように感じますが、では、今回なぜブランディングについて考えようと思ったのか・・・!
それは、本質的な意味でブランドの理解を促進するため、または表現の幅を広げるためでした。
今、私たちクリエイティブ部ではデザイナーの人数がどんどん増えています。ブランドへの理解がただ見た目を合わせるトンマナの視点しか情報がないと、各デザイナーの解釈によってブランドの見せ方や表現の仕方が変わってしまう可能性があります。
また、以前はWebサイトとメインパンフレット以外は、各店舗で使用するチラシなどクリエイティブの内容が限られたものでしたが、今ではLPやSNS広告、動画、ポスティング、新しい紙ツールなど様々な媒体を制作しています。ただのトンマナ遵守の姿勢では、表現の幅が制限されたり、新たな表現が必要な時のヒントや判断材料が不足します。
そこでブランドの理解が大切になってきます。ただの見た目だけの話ではなく、もっと本質的なブランドの理解があれば、デザインに迷ったとき、きちんと理由を持って明確に判断をすることができるし、デザイナー間で統一したイメージを持つことができます。
そんな経緯で、部内での課題プロジェクトとして、普段私たちがメインで携わっているLITALICOのBtoC店舗型事業について、ブランディング という観点で勉強することにしました。私ともう1人のスタッフの2人でリーダーとなり、資料制作・勉強会運営などを進めることになりました。
そもそもブランディングって何だ?
デザインに使用する色や文字、デザインマテリアルが人間でいうファッションや見た目の部分なら、ブランディングはその人の性格や信念など、もっと核になる部分まで含みます。
例えば、社会のために何をしたいブランドなのか、ユーザーにどんな体験を届けたいのか、何を大切にしているのか・・・。
ブランドカラーはなぜその色なのか、なぜデザインエレメントはそのフォルムを採用しているのか・・・などなど。
(本当はもっともっと奥深いので、気になる方は調べてみてください。笑)
例えばLITALICOのブランドの1つ、LITALICOワークスは、ブランドとして人情味や親しみやすさ、ポジティブでインテリジェンスであることなどを大切にしています。ブランドパーソナリティは温和で優しい、快活でポジティブ、フレンドリーだがプロフェッショナルである、など。キーカラーのグリーンには日本の伝統色を採用していますが、緑の伸びゆくイメージや前向きなイメージが事業イメージとマッチし、成人的な落ち着きとパワーを持っている、などのイメージを内包しています。
そういったことが理解できていれば、本当の「ブランドらしさ」を軸にデザインを考えることができます。もっと言えば、ユーザーとどんなコミュニケーションをとるべきなのか、スッタフはどのような姿勢で顧客と向き合うのか・・・などなど、ブランドにとって幅広い共通指標となります。
どんな流れで部内でブランド理解を促進していったか
ステップ1 : まずはブランディングのお勉強
まずはグループ内で私たちリーダー自身が、ブランディングについて改めて勉強しました。
ステップ2 : チーム内で勉強会を開催
自社のブランドについて勉強していくにあたり、まずはブランディングってなんだ?というベースをきちんと整えたかったため、資料を作成し、勉強会を開催しました。
テーマは「ブランディング概要」「デザインにおけるブランディング」の2軸です。
ステップ3 : 社内資料の洗い出し&ヒアリング
社内に既存しているリブランディング当時の資料を収集しました。ブランドアイデンティティや、各デザインマテリアルが、どのような意図で選出されたのかを、ある程度読み解くことができました。
またありがたいことに、当時リブランディングを担当いただいた制作会社の担当者さんに、LITALICOのロゴのデザインの成り立ちやカラー選定などについてお話をうかがうこともできました。
ロゴに込められた思いや制作意図を知るだけでも、ぐっっとブランド理解が深まりました。
ステップ4 : ブランド資料作成&部内で勉強会を開催
クリエイティブ部で携わっている主要3ブランドについて、それぞれ資料を整理し、制作会社さんからうかがったお話も合わせて新たなブランディング資料としてまとめました。
ステップ5 : 今までの制作物を軸に、デザインの幅やトンマナの応用を考える
今までアウトプットされてきた制作物を改めて見返し、広告のターゲットや目的、ユーザーとの関係性などに合わせて、デザインのトンマナをどのようにコントロールしていくといいのか考察し、社内の事例集としてまとめました。こちらの資料も共有を兼ねて勉強会を開催。
ここまでの一連の勉強会後のメンバーからの感想で印象的なものを挙げてみます。
・今までは「トンマナを守る」or「守らない」の二元論になっていたと自覚しましたが、
活用シーンによって使い分けしていきたいと思いました。
・ブランディングについて言語化されて改めて知ることで、
クリエイティブ制作の際の方針の判断がしやすくなった。
・新しいデザインや機能の挑戦をする際に、こういった情報もあると
ブランドから外れないか〜とか、そういった視点を持って業務に臨めそう!
などなど。
その後のデザイン業務にも活かせそうで何より。
やっとここまでたどり着いた・・・!!!!
ご褒美はちょっとリッチなランチで打ち上げカンパイだ! ><
(担当スタッフと2人でリッチランチしました♪)
ステップ6 : 事業理解も大事! 社内研修と店舗見学を実施
講義的なブランド理解と並行して、事業理解も推進しました。
方法は2つ。
1つ目は、現場のスタッフ研修を受講し、LITALICOが大切にしている支援の姿勢や、利用者の方の背景やサポート方法を学びます。利用者の皆さんへの理解が深まることはもちろんですが、スタッフの熱い思いやサービスの質を知ることで、自社のサービスに誇りと自信を持ってクリエイティブを制作することができます。
2つ目は、事業所に足を運び、実際の支援の現場に立ってみることです。普段は顔を合わせない現場のスタッフや利用者の皆さんとコミュニケーションを取ったり、一緒にプログラムに参加してみたり。本社から出て、現場の雰囲気を肌で感じることはとても大切だと思います。今欲しいと感じている販促ツールをヒアリングしたりなど、たくさんの気づきがありました。利用者の方とお話をしたり笑顔に触れられると、モチベーションも上がりますね。
さいごに
ブランドについて大事にしなければならない部分を皆で共有できていれば、共通の認識・基準で品質の担保もしやすくなります。さらに、今後社内でブランドの見せ方や表現を広げたり、新しい見せ方に挑戦したい時のヒントになってくれると嬉しいです。クリエイティブ部として、これからも自社ブランドを大切に育てていきたいと思っています。
長いお話に最後までお付き合いくださりありがとうございました。