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kobo電子書籍リーダーをファクトリーリセットしても最新版の状態で使用開始する方法

Last updated at Posted at 2016-10-24

概要

kobo電子書籍リーダーをファクトリーリセットすると,工場出荷状態に戻すことができます.

この工場出荷状態は,ファームウエアのバージョンが非常に古いです.これまでの状態で使用を再開するにはファームウエアのバージョンを更新する必要があり,手間になります.

しかしファクトリーリセット時に使用されるファイルに細工を施すことで,任意のファームウエアバージョンで直ちに使用可能にできます.

これを実現するには,やや専門的な知識が必要になります.microSD改装経験者であることと,UnixライクOSのコマンドを理解して扱えるレベルであることが目安になります.

そうでない方々にはおすすめできません.

大雑把な手順

kobo本体のmicroSDにはファクトリーリセット時に用いられる,ファイルシステムを tar + gz でまとめられたアーカイブファイルが格納されています.

一方で,ファームウエアが更新されるたびに,差分内容が tar + gz でまとめられたアーカイブファイルがkobo社から公開されています.

この2つのアーカイブファイルをくっつけて新たな1つのアーカイブファイルを作成し,kobo本体のものと差し替えます.

こうすることで,ファクトリーリセット時にアーカイブファイル2つ分の内容が順番にファイルシステムに展開され,1回の操作で任意のバージョンが再現できます.

ちょっと細かい手順

いちどザーッと読んでいただき「ああ,なるほど」と思う方だけ,実際にやってください.そうでない方は,もとに戻せるよう前準備してからやるか,危険なのでやめるかしましょう.

kobo本体内の以下の場所から,ファクトリーリセット時に用いられるファイルシステムのアーカイブを取得します.

  • kobo上のデバイスファイル名 /dev/mmcblk0p2
  • フルパスのファイル名 /upgrade/fs.tgz

さらに以下のペイジを参考に,リセット後直ちに使用開始したいバージョンのアップデートファイル(kobo-update-X.X.X.zip)を入手します.このとき使用中のkobo本体の世代を確認し,それに合ったものを入手するよう留意します.zipファイル内に含まれているKoboRoot.tgzを取り出しておいてください.

2つのアーカイブファイルfs.tgzKoboRoot.tgzを一旦gzip伸長し,tarファイルにします.

% gunzip fs.tgz KoboRoot.tgz

これで非圧縮のtarアーカイブができます.

次にfs.tarKoboRoot.tarをくっつけます.tarにはGNU tarを使ってください.

% tar --concatenate --file=fs.tar KoboRoot.tar

これでもともとあったfs.tarの末尾にKoboRoot.tarの内容が追加されます.

出来上がったfs.tarをgzip圧縮します.

% gzip --best fs.tar
% mv fs.tar.gz fs.tgz

これで任意のバージョンを再現できるfs.tgzができます.

あとは,このfs.tgzをkobo本体内の元あった場所に書き戻して完成です.

おわりに

基本的には殻割りしてmicroSDを取り出し,ext4が読み書きできる母艦で作業することをおすすめします.わたしはこの方法でしか作業したことがりません.

恐らくtelnetdやsshd,ftpdを有効にしたkobo本体だけでも/mnt/onboardにマウントされるFAT32領域をワークにすれば作業は可能だと思います.

また,わたしは遭遇したことがないですが,fs.tgzのサイズが大きくなりすぎて/dev/mmcblk0p2に入らなくなることが考えられます.その時はgzip圧縮ではなくbzip2圧縮やxz圧縮を用いれば良いでしょう.

ただしこの場合は/dev/mmcblk0p2/etc/init.d/rcSを書き換える必要があります.遭遇したことがないので変更内容は割愛しますが,要望があれば追記します.

参考文献

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