はじめに
WindowsでClaude CodeをWSLなしでGit for Windows(MSYS2)環境で、プロキシ下や管理者権限のない環境や任意のディレクトリにインストールして使いたい場合もあると思います。その手順を記載します。
対象読者
管理者権限がない場合など、Claude Codeを別フォルダ(C:\Users\ユーザ名\AppData\Local\
以下等)にインストールしたい場合や、プロキシを使う手順を知りたい方が対象です。
Windows10/11の64ビット版を使用し、Claudeのアカウントがある方を想定しています。
どこかのフォルダへの読み書き権限やアプリケーション実行権限は必要です。
ユーザ環境変数の変更権限もあることを想定していますが、権限がなくてもGitBashが起動できるならexportコマンドでGitBash内の環境変数を変更してもよいと思います。
注意事項
企業等での利用では規定のAI利用ポリシー等に従ってください。
本記事を参考にして何らかの問題が起きても著者は責任を負いません。
必要なソフトウェアのインストール
1. Git for Windowsのインストール
管理者権限がある場合
Git for Windows をダウンロードしてインストールします。
管理者権限がない場合
- git-for-windowsのGitHubリポジトリのReleases の最新リリースの、Assets欄の「Show all ~ assets」をクリックして、「PortableGit-バージョン-64-bit.7z.exe」といった名前のファイルをダウンロードして展開し、好きなディレクトリに配置します。たとえば「C:\Users\ユーザ名\AppData\Local\Git」など。
- Gitディレクトリ中のgit-bash.exeへのショートカットを「C:\Users\ユーザ名\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs」に置くと、スタートメニューからgit-bashを起動できるようになります。
2. Node.jsのインストール
Node.jsのダウンロードページからNode.jsをダウンロードします。
Node.js — Node.js®をダウンロードする
管理者権限がある場合
「Windowsインストーラ(.msi)」でインストールします。
管理者権限がない場合
- 「スタンドアローンのバイナリー(.zip)」をダウンロードして展開し、好きなディレクトリに配置します。たとえば「C:\Users\ユーザ名\AppData\Local\nodejs」など。
- さらにそのフォルダのパスを、環境変数のPathに追加します。
Windowsメニューで「環境変数」を検索し、「環境変数を編集」を選択します。 - 「環境変数」ボタンを押下し、上にある「ユーザー環境変数」欄にPath変数があればそれを選び、「編集」します。なければ「新規」からPath環境変数を追加します。
- 「環境変数名の編集」画面が開くので、「新規」ボタンを押し、nodejsフォルダまでのパスを記入します。「C:\Users\ユーザ名\AppData\Local\nodejs」など。
環境設定
プロキシ設定(必要な場合)
- 企業などでルートCA証明書が必要なプロキシ環境の場合、pemまたはcer形式の証明書を取得し、好きなディレクトリに配置します。たとえば「C:\Users\ユーザ名\AppData\Local\certs」など。そしてそのフォルダのパスをNODE_EXTRA_CA_CERTS環境変数にセットします。Path環境変数を登録するときと同様の手順です。
- プロキシ設定が必要な場合は、git-bash.exeを起動した後に、たとえば下記のようなコマンドを実行してプロキシ環境変数をセットします。
export http_proxy='http://username:password@proxyhost:proxyport'
export https_proxy=$http_proxy
export HTTP_PROXY=$http_proxy
export HTTPS_PROXY=$http_proxy
username,password,proxyhost,proxyportなどは各自の環境に合わせて設定してください。
Path等と同様に、これらの環境変数もユーザー環境変数に設定しておくこともできますが、必要なときのみプロキシを有効化するために、exportコマンドで必要な時のみセットする対応でも良いのではと思います。
CLAUDE_CONFIG_DIR環境変数の設定(必要な場合)
Claude CodeはデフォルトではUSERPROFILE(C:\Users\ユーザ名)以下に設定を保存します。書き込み権限がなくここにファイルを作れない場合など、ほかの場所にこれらを置きたい場合は、使いたいフォルダの場所を CLAUDE_CONFIG_DIR
環境変数にセットします。Path環境変数を登録するときと同様の手順です。
変更する場合は、Unix系のディレクトリ構造を参考に、Gitディレクトリ以下にhomeフォルダを作成し、その中にユーザ名のフォルダを作成しておきましょう。たとえばGitのhomeフォルダ以下に C:\Users\ユーザ名\AppData\Local\Git\home\ユーザ名
などのユーザ用のフォルダを作成して、CLAUDE_CONFIG_DIR
にセットするとよいと思います。
同じディレクトリを HOME
環境変数にセットしておくと、GitBash側のホームディレクトリがその場所になるので、Linuxなどに慣れている人には使いやすくなると思います。
またgit-bash.exeのショートカットのプロパティを開いて、「作業フォルダー」にそのディレクトリを指定しておくと、GitBash起動時の初期ディレクトリがそのディレクトリになるので便利です。
Claude Codeのセットアップ
インストール
- git-bash.exeを起動します。
-
node --version
やnpm --version
を実行して、nodeやnpmが実行できて、バージョン番号が返ってくることを確認します。 - Claude Codeをインストールします。
$ npm install -g @anthropic-ai/claude-code
added 2 packages in 4s
1 package is looking for funding
run `npm fund` for details
使い方
- 開発用ディレクトリにcdし、
claude
コマンドを実行
text style等が聞かれるので好きなものを選ぶ。
- ログイン方法を聞かれる。ProやMaxのサブスクリプションがある人は1を選ぶ。
- ログイン用URLが表示されるので、ブラウザで開いてログインし、認証用コードが表示されたらClaude Codeに貼り付けてEnterを押下する。
- ようこそClaude Codeへ。Claude Codeは間違うこともある。怪しいコードは開かないように。
- フォルダの内容物を信頼しますか?
- 使用開始
その他、参考情報
-
Windows サンドボックス | Microsoft Learn
WindowsのHomeエディション以外で管理者権限がある場合は、Windowsサンドボックスを立ち上げて、その中でClaude Code等のAIエージェントを安全に自走させることができます。文字列やファイルをホストとの間で簡単にコピペできますし、構成ファイルを使用すれば、ホストの特定フォルダだけをサンドボックスに共有してAIに触らせることもできます。 -
GitHub - alexsarmiento/gitportable-pacman: Script to install pacman in git for Windows portable
Git for WindowsのMSYS2環境でこちらのシェルスクリプトを実行すると、パッケージマネージャpacmanが使えるようになり、便利です。