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Stylez Advent Calendar 2016

Day 16

T君のPCのSSDが壊れた。 もしくはSSDにおけるトラブルと解決策について

Last updated at Posted at 2016-12-25

Stylez Advent Calendar 2016 - Qiita
http://qiita.com/advent-calendar/2016/stylez
の16日目です。

1. ポップアップ

それは、首都圏では珍しく雪が降った11月から2週間ぐらい経ったころだろうか、T君のSlackアカウントから
「私事で、どうでも良い報告ですが、昨日Cドライブが飛んじゃって、メールすら見れない状況です。。」
という実にのんきなそして切実なメッセージが流れてきた。

その時、私は休みをもらっていて自宅でPCに向かっていた。別にすることもないので何気なくネットサーフィンをしていたときのことだった。SlackはPCを起動したら自動的に立ち上がり、見る必要もないのにいらないメッセージを送りつけてきた。

ポップアップしたメッセージの内容がよく読み取れなかった私は、ついそのメッセージの内容を確認しようとメッセージをクリックしてしまったのだった。

2. 逡巡

先日、その前にK君のPCが起動してもUEFIの画面から進まなくなるという事件が発生し、「なにか悪いことでも起こっているのでは?」と意識がPCの周りを一周して戻ってきた。

「いや、そうか。」
「そうじゃないか。」
「でも、そうだったよな。」

Aだっけ、Bだっけ。という意見が頭の中で議論を始め、私は意見達の間に入って「まあ、まてまて、そうと決まったわけじゃない。まだなんとかなるかもしれない。」と議論達をひとまず押さえることに成功した。

3. 対策(もしくは悪あがき)

Slackを開いてメッセージをメンション付きでT君に打った。
それは、よくある対策の一つでHDDが壊れたときに真っ先に実行する恒例の作業といってもよい対応だった。

もしかしたら、データだけでも取り出せれれば。そういう淡い期待があったというのは嘘ではない。

K君のPCの時には、結局そのハードウェアトラブルは、WindowsのブートCDからブートしようとしたら解消してしまった。一旦電源を抜いたのでUEFIの情報がリセットされたのかもしれない。

T君には、自分の机の中にWindows7のインストールメディアとKNOPPIXのDVDが入っていることを伝え、それを使ってSSDを読み出すことをお勧めした。

しかし、T君もさまざまなトラブルを乗り越えてきた男だ。そんなことは当に試していた。
「いや、外付けに付けてみたけど反応しないんです。Dドライブは生きてる。」

俺は天を仰いだ。
「やっぱりそうだったか...。」

諦めとも、怒りともつかない感情がわき起こってくる。
それと同時にもう少しなんとかならないかと必死に対応方法を考えていた。。

4. 回想

T君はPCのヘビーユーザーだ。とてもハードにPCを使う。
一回、EclipseとFirefoxとPHPStormが同時に動いているのを見た時には驚いた。その2年前、PCが遅くて困っていた彼にたまたま余った256GBのSSDを渡した。
その当時は、まだSSDが昨今ほど安くなっておらず、256GBのSSDは結構な高嶺の花だった。

当時のSSDには、2つのグレードが存在していた。
古くからSSDを専業として開発してきたメーカー。もう一つは、その頃からはやり始めたSSDに乗っかってSSDを開発し始めたメーカーだ。

T君に渡したSSDは、A社のメーカーのものだった。これは、その当時、後者のグレードに属していた。
その時、PCを複数台用意する必要があり、全台に高価なSSDを購入することができなかった。その為、安価なSSDを選ぶしかなかったのだ。

5. コントローラー

SSDは、ハードディスクのように円盤ではなくNANDというメモリーチップを複数あつめて作られている。
それら複数のチップは、容量の限界が有り、1つのチップで数GBまでしかデータを記録することはできない。その為、256GBなどの容量を用意するにはそれらの複数のチップを束ねている。複数のチップのどこに情報を書き込むか制御する物が必要になる。それをコントローラーといって、各社が開発にしのぎを削っている。

以前は、複数のコントローラーのメーカーがあったが現在では、J-Micronというメーカーがほぼ一社独占状態だ。

6.ファームウェアと突然死

私は、結構なSSDヘビーユーザーだ。Windows 7の頃からSSDを使っているから、2009年からになるだろうか。P社や、I社、C社、T社のSSDを購入しては使ってきた。実は、SSDの突然死を経験していないわけではない。

SSDの突然死の原因は明確にはなっていない。

コントローラーの項で述べた「メモリーチップ」が壊れた場合は、通常コントローラーが保護することになっている(そうではないコントローラーもあるようだが)。チップは複数搭載可能だから、データが紛失しないようにコントローラーで制御する事も可能だ。現在のSSDは既定の容量よりも多くメモリーチップを搭載することによってチップの破損する前にデータを保護する機能が付いている。

しかし、SSDにコントローラーは一つしかつんでいない。つまり、コントローラーが壊れてしまった場合、もしくはコントローラーに不具合があった場合まったく動かなくなるということになる。恐らくはこのコントローラーの問題によるものが多いのではないだろうか。

私が経験した突然死したSSDはT社の物だったが、たまたま新しいSSDにデータを移行した後に読み込めなくなったので問題にならなかった。

実は、A社のSSDは別のPCにも導入していて不具合が発生して交換していた。
しかし、T君に渡したSSDはA社のSSDの中でも高価なものだったので、そういう問題は発生しないかと思っていた。実際A社の不具合が発生してた他のSSDよりも1年以上問題なく動いている。

7. マーフィーの法則(バックアップ)

『バックアップを取っていないときに、ハードディスク(記録媒体)は破損する。』

HDDもSSDも壊れるときには壊れる。その為に対応できる方法は、バックアップを取っておくことだ。しかし、壊れる時にこそバックアップがなかったりする。私は某社の容量無制限バックアップサービスを利用している。T君は、DドライブがHDDだったのである程度データは残っていたようだが。全部のデータが残っていたわけではなかった。

8. 宣告、沈痛、諦め

「ダメかもな。」
私は SlackでT君にメッセージを送った。

T君からは、
「もう諦めてます...」
と沈痛な返事が返ってきた。

彼には、ちゃんとしたSSDを薦めて買ってもらうことにしよう。

9. お断り

この話はフィクションです。

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