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GitLab CEで Zeroダウンタイムアップグレードを試す

Last updated at Posted at 2018-06-11

GitLab CE で Zeroダウンタイムアップグレードを試してみます。

1. よくある話

最近のオープンソースソフトウェアは非常に更新が激しい(頻繁リリースを旨とするから)のです。

GitLabもご多分に漏れず、結構な頻度でアップデートがリリースされます。
まあ、こんな風になります。
image.png

そうなると、よくある話は「また、メンテナンスしてるの!?(怒) なんでそんなにいつもアップデートしてるねん!(怒怒)」と開発者さんに言われることです(弊社にはいないようですが)。

そういうことを言われてしまうと、ついついアップグレードがおっくうになってしまって放置状態。
そうこうしているうちにアップデートできなくなってしまい...。

という事がよくあります。(弊社社内管理のサーバーでもいろいろ。。)

それを避けるには一所懸命オープンソースのバージョンと合わせてアップデートしていくしかありません。

2. GitLabはダウンタイムゼロでアップグレードできるぜ

DBが1カ所であるとなかなかアップデートできないのですが(テーブルのマイグレーションとかあるとね)、
GitLabは、Version 9.1.0からZeroダウンタイムアップグレードができるようになっています。

Updating GitLab installed with the Omnibus GitLab package | GitLab
https://docs.gitlab.com/omnibus/update/README.html#zero-downtime-updates

「これで、開発者からの文句を避けつつ、アップグレードできるぜ!」と思ったのと、
ググってみてもやっている記事を見つけられなかったので、チャレンジしてみます。

3. 前提条件

その前に、適用作業が以下の3種類で違うようです。

Deployment type Description
Single GitLab CE/EE on a single node
Multi-node / HA GitLab CE/EE on multiple nodes
Geo GitLab EE with Geo enabled

また、Zeroダウンタイムアップグレードできる条件と注意事項というのがあります。
Updating GitLab | GitLab
https://docs.gitlab.com/ee/update/README.html#upgrading-without-downtime

  1. マイナーアップデート1つ分しかアップデートできないこと
  2. パッケージアップデート後の手動作業が必要なこと
  3. PostgreSQLを使っていること(MySQLはNG)
    ※注1:Zeroダウンタイムアップグレードでは、マイグレーションがバックグラウンドタスクで実行される(特に月次のリリース)のでその間に次のアップデートを実行しないようにする事!
    ※注2:アップデートの手動作業には通常のupdateで実行されるバックアップが含まれていないようでした(やってみた結果です)。

今回は、Singleノードです。
image.png

10.8.3 がインストールされているサーバーですが、10.8.4 がリリースされています。
10.8.3 ---> 10.8.4 にアップデートしてみようと思います。

OSは、Ubuntu 16.04 LTS
omnibusインストールされているGitLabです。

GitLab 10.8.3 (564c342)
GitLab Shell 7.1.2
GitLab Workhorse v4.2.1
GitLab API v4
Ruby 2.3.7p456
Rails 4.2.10
postgresql 9.6.8
Gitaly Servers

4. やってみる

シングルノードの手順は5つです。

4-1. /etc/gitlab/skip-auto-reconfigure ファイルの作成

まず、skip-auto-reconfigure ファイルを作ります。
これによって、sudo apt upgradeしたときに reconfigureされないようです。

bash
sudo touch /etc/gitlab/skip-auto-reconfigure

image.png
まあ、ファイルができるだけですね。問題ないでしょう。

どうも、Version 10.6からは
/etc/gitlab/skip-auto-migrations

じゃなくて、
/etc/gitlab/skip-auto-reconfigure
になっているみたいですね(10.6以前の場合は、skip-auto-migrations を使いましょう)。

4-2. GitLabのパッケージをアップデートします。

bash
sudo apt-get update && sudo apt-get install gitlab-ce

image.png

パッケージはアップデートされましたが、reconfigureは実行されませんでした。

GitLabの絵文字の上の Found /etc/gitlab/skip-auto-reconfigure, exiting... で終了しています。

4-3. reconfigureを手動実行します

bash
SKIP_POST_DEPLOYMENT_MIGRATIONS=true sudo gitlab-ctl reconfigure

image.png

reconfigureされたようです。

4-4. DBをマイグレーションします。

bash
sudo gitlab-rake db:migrate

image.png

サクッとDBマイグレーションも終了しました。
何のメッセージも出なかったということは、DBの更新はなかったんですね。

4-5. アプリ再起動

bash
sudo gitlab-ctl hup unicorn
sudo gitlab-ctl hup sidekiq

unicorn と sidekiq をhupします

image.png

こちらも何の問題もなく終了しました。

4-6. 結果確認

Adminページをリロードします。

image.png

アップデートされました!

なかなか良いのではないでしょうか。

5. 結論

OSSは特にバージョンアップして最新版についていくのは非常に重要です。

これで、いつでも気兼ねなくバージョンアップすることできることが確認できました。
私のようなアップデート坊には特に嬉しい機能ではないでしょうか。

6. ちなみに

4-1で作ったファイルはアップデート後にどうなるかというと、

image.png

残ります。
次回実行時も上記のアップデート手順が必要になります。

7. アップデートシェルスクリプト

cron用に適当に書いたbashスクリプトをgistにアップしておきました。

メジャーアップデート(数字の1桁目、2桁目が変わる場合)はアップデートしません。
アップデートがない場合は、すぐ終了します。

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