毎度、ググっても出てこない小ネタを取り扱っております。
本記事は個人的な見解であり、筆者の所属するいかなる団体にも関係ございません。
(関係はありませんが、筆者はNextcloudの日本代理店スタイルズ社に所属しています)
0. はじめに
2016年12月01日に以下の記事をQiitaに投稿しました。
Nextcloud を使うべきか? - Qiita
https://qiita.com/ynott/items/4d54b1210981cd292123
その頃は、まだNextcloudは出たばかりでした。(Nextcloudのリリースは、2016年6月です)
なので、あまりNextcloudについて肯定的な意見ではありませんでした。
しかし、3年が経ちどうなったか振り返りたいと思います。
1. 現在の世界でのNextcloudのGoogleトレンド
赤がNextcloudです。
青がownCloudです。
過去5年のトレンドを見ると一目瞭然です。
1-2. 日本でのNextcloudのGoogleトレンド
全世界ほどは顕著ではありませんが、Nextcloudが優勢といって良いでしょう。
2. 機能追加
Nextcloudの機能追加の勢いの方が優勢です。
ownCloudが2019年にリリースした数は、フィーチャーリリース(マイナーFix以外)
10.0.0 - 2017-04-26
10.1.0 - 2019-02-06
10.2.0 - 2019-05-16
10.3.0 - 2019-10-15
10.3.2 - 2019-12-04
となっており、10.3で大きく機能追加がされています。
特筆すべきは、ownCloudのDesktop ClientでNextcloudにはない仮想ファイルシステムが導入されています。
Desktop Client 2.6 Release - Native Virtual File System on Windows 10 – ownCloud
https://owncloud.org/news/desktop-client-2-6-release-native-virtual-file-system-on-windows-10/
一方、Nextcloudはどうでしょうか?
2016年からメジャーバージョンアップが
Version 11.0.0 December 13 2016
Version 12.0.0 May 22 2017
Version 13.0.0 February 6 2018
Version 14.0.0 September 10 2018
Version 15.0.0 December 10 2018
Version 16.0.0 April 25 2019
Version 17.0.0 September 30 2019
となっており、バージョンアップがインフレ気味という問題はあるものの精力的に機能追加が行われています。
Nextcloudでの特筆すべきは、Nextcloudアプリの存在でしょう。
NextcloudアプリはNextcloudをプラットフォームとして様々な機能を追加できる仕組みですが、
このアプリ開発をする開発者が非常に多くなっており、コミュニティーでの開発が進んでいます。
App Store - Nextcloud
https://apps.nextcloud.com/
現状公開されているアプリの数は、200を越えています。
ownCloud Marketplace | ownCloud Marketplace
https://marketplace.owncloud.com/
こちらにもMarkerplaceという同様の仕組みがありますが、数は80前後となっています。
3. 開発者数
GitHubで見るソースコードの開発者は、以下から見ることができます。
People · ownCloud
https://github.com/orgs/owncloud/people
現在、93人
People · Nextcloud
https://github.com/orgs/nextcloud/people
現在、167人
年間のコミットグラフをみても
Commit Activity · owncloud/core
https://github.com/owncloud/core/graphs/commit-activity
Commit Activity · nextcloud/server
https://github.com/nextcloud/server/graphs/commit-activity
以上のようにNextcloudの方が優勢です。
4. まとめ
現状では、Nextcloudの方が開発の勢いは強い。
利用者が増えるほど、企業向けの導入も増えてくるので安定性も増してくると考えられる。
これからのメンテナンスも考えるとNextcloudを導入することをお勧めします。
(筆者はNextcloudの日本代理店スタイルズ社に所属しています)