毎度、ググっても出てこない小ネタを取り扱っております。
本記事は個人的な見解であり、筆者の所属するいかなる団体にも関係ございません。
0. はじめに
コロナの影響で自宅作業を余儀なくされている方も多いと思います。そうすると自宅回線が重要になるのですが、Facebook友達の投稿で「自宅マンションのVDSLが遅くて困っている」という話を聞きました。
光ファイバー時代にはこんな知識はもう必要ないと思っていたのですが、マンションがVDSLモデムという方も結構いらっしゃると思うので、もしかしたら需要あるかもと思い、ADSL時代に20回線ほど引いた時のノウハウでADSLとかVDSLモデム向けのスピードアップのTipsを書いておきます。
注
:簡単で効果が高いものから書いてありますが、保証するものではありません。
感覚値でしかないので根拠のあるものではありません。
しかし、以下の対応をしてリンクアップしなかったADSLがリンクアップしたり、
1Mbpsしか出なかったのが5Mbps出るようになったりした経験がありますので効果があるものもあると思います。
マンションのVDSLは以下のような形で提供されていると思います。
上の図で赤い線で示した①のモジュラーケーブル
が一番重要です。
VDSLは微弱な信号を幅広い帯域に流す事によりスピードを上げています。
しかし、この微弱な信号はノイズに非常に弱くなっています。
上の図の黒い線の集合型VDSL装置からマンションの住居スペースはあまりノイズを受ける事はありませんが、住居スペースでは、様々な家電が存在していてノイズだらけです。
また通常の電話線はノイズを受けやすい平行の電線ですので、もろにノイズの影響を受けます。
逆に言うとその部分を対策をすると、ぐっとADSL、VDSLはスピードアップします。
チェックポイントは以下の通りです。
1. モジュラーローゼットからモデムまでのモジュラーケーブルを短くする
電話線の壁のモジュラーローゼットから、VDSLモデムのモジュラーケーブルを極力短くしましょう。
理想はモジュラーローゼットの真下にモデムを置くのが理想的で、1mとか50cmとかケーブルが短い方がお勧めです。
電話線のたこ足配線をやっていたらもしやっていたら即刻止めて、壁のローゼットからモデムへ直結するようにしましょう。
2. モジュラーケーブルについて
1が理想ですが、最近はモデムとルーターが一体型のものもあるので、モジュラーケーブルを伸ばさないといけない場合もあります。
その場合には、ツイストモジュラーケーブルを使いましょう。シールド付きであれば尚可です。Amazonで「ツイスト シールド モジュラーケーブル」で検索すると出てきます。コアはついていない方が良いと思います。
距離を短くして**シールド付きツイストモジュラーケーブル
**に交換するとスピードアップします。
最強のモジュラーケーブルは、カテゴリ6のLANケーブルにモジュラージャックを自分で付けたものです。
(LANとは違う配線に注意!間違えると機材が壊れます)。
サンワサプライ シールド付ツイストモジュラーケーブル TEL-STシリーズがお勧めです。
3. モデムとルーターの接続について
以下のようにモデムとルーターが分離タイプの場合には、
[壁ローゼット]--①->モデム------②------>ルーター
のように①を極力短くして、②を長くしましょう。なぜなら、②はLANケーブルになっているので耐ノイズ性があがっているからです。
4. 端子は磨く
壁のモジュラーローゼットの中の金属端子とケーブル側の金属とモデム側の金属端子を磨きましょう。特に壁側は金属端子が汚れている事があります。
接点復活材などで磨くと良いです。細かい事ですが馬鹿にできません。
5. モデムのACアダプターの設置場所
壁モジュラーローゼットの近くにACコンセントもあって、モデムのACアダプターはそこから取ると思います。
ACアダプターからもノイズが出るので、ノイズフィルター付きのACタップを間にかませましょう。
6. モジュラーローゼット近くのACコンセントのノイズ対策
モジュラーローゼットと同じパネルのACコンセントに他の家電機器もついていると思いますが、そこからのノイズを避けるとさらによいです。
ノイズフィルター付きのACタップに挿し直すか、壁ACコンセントに以下のようなノイズフィルターを付けましょう。
7. 使っていない壁内の電話線を外す
(ここまでやって効果がない場合にのみ実施をおすすめします)
壁のモジュラーローゼットからモデムは直結になっているかと思いますが、マンションでは複数の部屋にモジュラーローゼットが設置されている場合があります。大元の部分から複数の部屋に分岐しているのですが、分岐はアンテナのような役割をしてノイズを拾う事があります。
電話線を各部屋に分岐している配線板で使っていないモジュラーローゼットへの接続を外します。通常、お風呂の上のスペースに電話線配線の配線板があり、それを外すだけです。
しかし、この作業は電気通信設備工事担任者免許が必要なので資格を持っている人にお願いしましょう。
8.他のACコンセントからのノイズ対策(これは効果については不明です。おまじないの域を出ないので1~6をやってみて効果がない場合にはやってみる価値はあるかもしれません)
6と同じものを他のACコンセントについても設置する。
■番外編
9. LANケーブルの交換
LANケーブルも新しめのものに交換しましょう。繋がるから大丈夫と思ってはいけません。
最近のCAT6ケーブルは優秀です。
10年以上前のLANケーブルを使っている場合はCAT6ケーブルに交換しましょう。
10. プロバイダー提供ルーターの交換
プロバイダーから提供のルーターも10年以上使っていたら、新しいものに交換してくれる可能性があります。
レスポンスが改善します。
11. 無線LANルーターの交換
WiFi6がいいとは言いませんが、アンテナエレメントが最低4つで、MU-MIMO対応の無線LANルーターがお勧めです。最近のデュアルコアだと尚可です。
12. LANスイッチの交換
Gigabit LANスイッチで100Mbpsで接続していると普通に使えるが、1GbEでつなぐと途端にスピードが出ないというスイッチに当たった事があります。
LANスイッチを買い直すとスピードアップする可能性があります。
ACアダプターじゃない電源内蔵のGigabit LANスイッチがお勧めです。
13. 別の回線事業者に乗り換える
大技ですが、NTTが回線事業者の場合には、au(KDDI)に移行するという方法もあります。しかし、マンション管理会社や組合が動かないとなかなか実現しないと思います。
それでも直らない事
レーテンシー
残念ながら、xDSLの特性上レーテンシーは大きくなりがちです。これはどうしようもありません。
諦めてください。