データ分析には表計算ソフトウェア、ドキュメントの執筆にはワープロが活躍します。このようなとき LibreOffice は自由ソフトウェアであり、なおかつクロスプラットフォームなオフィススイートですから、多くの環境で無料で使えてとても便利です。
この LibreOffice には Math という数式エディタが付いており特に理系分野で多く登場する数式の表現に役立ちます。ただし、いくつか問題があります。
- TeX と異なる独自記法のため TeX に慣れた人には扱いづらい
- 一部正確に表現できない記述がある
この Qiita も TeX で数式を記述出来ますが、やはり LibreOffice でも手慣れた TeX で記述できたほうが便利です。そこで OpenOffice.org 用の LaTeX 拡張であった OOoLaTex の派生である TexMaths を利用します。これにより LibreOffice で数式を含んだ文書をスラスラと書くことができるようになり大変に便利です。
TexMaths の環境を用意する
まず TeXLive の環境が必要です。これについては以前詳しく書きました。
次に LibreOffice 用の拡張をここからダウンロードします。
LibreOffice のツール - 拡張機能マネージャから最新版の拡張を取り込んで起動しなおせば完了です。
TexMaths を使う
TexMath をインストールすると次のようにツールバーが表示されていますので、ここから数式を作成したり設定を変更することができます。
論文風に注釈付きの数式を加えるなら Numbered Equations を選択します。
数式ウィンドウでは TeX を入力します。たとえば標準得点を求める次の式を書いてみましょう。
Z = \frac {X - \mu} {\sigma}
右上の Image Format が既定では SVG を描画するようになっていますが png にすると画像を生成します。
このようなかたちで文書中に数式を記述することができました。
参考
Libreoffice で正確な数式を表現
http://kurumatorajirou.blogspot.jp/2013/01/ubuntulibreoffice.html
Ubuntu12.10 LibreOfficeでTeX文法で数式を書く
http://d.hatena.ne.jp/cmphys/20130418/1366281436