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Terraformで大量のリソースを一度にimportする

Last updated at Posted at 2024-04-04

背景

Terraformで既存リソースを管理する場合、importブロックが利用可能です。

例えばAWSのIAM Roleは、以下のようなコードでインポート可能です。

import {
  to = aws_iam_role.developer
  id = "developer_name"
}

toにTerraformでのリソースIDを、idにはIAM Role名を記述します。

このimportブロックですが、リソースひとつごとにブロックが一つずつ必要になります。
for_eachも使用可能ですが、全リソースを一度にインポートしたい場合、for_eachを書くのも大変です。

importサブコマンド

インポートするだけであれば、terraform importサブコマンドを、スクリプトでループさせることでも可能です。

importコマンドの場合、インポートしたリソースのHCL(tfファイル)を自分で書く必要があります。
terraform planで差分を確認しながら、大量のリソース定義を記述していくのは、現実的ではありません。

本題

Terraformは実は、HCLによるtfファイルだけでなく、JSONファイルでのリソース定義も可能です。

file.tf.jsonのように、拡張子が.tf.jsonのファイルを読み込んでくれます。
スクリプトで一括生成するなら、HCLよりもJSONの方が簡単ですので、今回はこれを活用します。

importブロックの場合、以下のような.tf.jsonファイルを用意すればインポート可能です。

{
    "import": [
        {
            "id": "role1",
            "to": "aws_iam_role.role1"
        },
        {
            "id": "role2",
            "to": "aws_iam_role.role2"
        }
    ]
}

例:AWSアカウント内のIAM Role全てをインポートする

aws cliはJSONで結果を出力してくれます。
--queryオプションやjqコマンドで加工し、importブロックの生成が可能です。
今回はaws cli単体で完結するよう、--queryオプションを使用したJMespath構文で記述します。

1. importブロックを記述した.tf.jsonを生成

まず、以下のコマンドでimport.tf.jsonファイルを作成します。

aws iam list-roles --query "{import: @.Roles[].{id: RoleName, to: join('', ['aws_iam_role.',RoleName])}}" > import.tf.json

ファイル名は、.tf.jsonで終わっていれば、なんでも構いません。

--queryオプションでやっていること解説

{import: @.Roles[].{id: RoleName, to: join('', ['aws_iam_role.',RoleName])}}
  1. Topレベルにimportを定義
  2. idは、Terraformのドキュメント通りIAM Role名を指定
  3. toではTerraform内でのリソースIDを指定するために、aws_iam_role.とリソースIDを結合。リソースIDはIAM Role名をそのまま使用

2. .tf.jsonで定義したリソースから、HCLを生成

importを定義した状態でterraform planのオプション-generate-config-out=ファイル名を指定すると、terraformコマンドがHCLを自動で生成してくれます。

terraform plan -generate-config-out=generated.tf

3. terraform apply

あとはいつも通りのterraform applyでインポート完了です。

おわりに

JSONファイルでのTerraformの記述は、制約も少なくなく、通常は使いづらいものです。
しかし、HCLと違ってスクリプトによる生成がしやすいので、API呼び出し結果などからTerraformを記述したい場合には便利です。

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