7
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 1 year has passed since last update.

GLOBISAdvent Calendar 2022

Day 18

「未知の窓」を開けよう 〜リフレクションカード® ワークショップのススメ〜

Last updated at Posted at 2022-12-17

※この記事はリフレクションメソッドラボラトリー様に写真と内容の掲載許可をいただいております。

はじめに

こんにちは。グロービスにてGLOPLA LMS のバックエンド開発を主に担当している山下です。
この記事では、チームビルディングや個人の振り返りを促すためのワークショップを、実際にリアルで会って開催した記録について書いていきたいと思います。
(※この記事ではプログラミング的な技術の話は出てきません)

(私の) リフレクションの定義

いきなりですが、リフレクションという言葉を聞いたことがあるでしょうか? 直訳では「内省 (=自分の心と向き合い、自分の考えや言動について省みること)」という言葉にあたるようです。
他にも様々な解釈や定義が言論されていて、若干バズワードっぽい様相を呈しています。
そのため、ここではリフレクションという言葉の意味を以下のように位置付けて記事を進めていきたいと思います。

リフレクションとは、
  自身の中に散在する経験・知識を、異なる視点で気付き直すための対話を通した営み
である。

この「対話」を促すのに最適なツールとして、リフレクションカード®というものがあるため少し紹介させてください。

リフレクションカード®とは

公式サイト
https://reflection-method.com/apply/reflectioncard
https://manabicreate.stores.jp

使い方をざっくり書くと、

  1. リフレクションしたい人が問いを立てる
  2. 対話する人(複数)が質問する
  3. 対話から見出されたフィードバックを返す
    (1~3を人を入れ替えて実施)
  4. 気づきを言語化する

という一連のフローを回す上で最適な言葉が書かれたカードになっています。

PXL_20221129_014307117.jpg

PXL_20221129_022058431.jpg

PXL_20221129_022047938.jpg

見えなかった自分が見えてくる

リフレクションカード®を使うことで、「ジョハリの窓」のそれぞれについて以下のようにアプローチすることができます。

ジョハリの窓
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%81%AE%E7%AA%93

スクリーンショット 2022-12-15 15.21.34.png

まず、これらが成り立つ一番大事な前提として「開放の窓」が開かれていること、すなわち 場の心理的安全が保たれており、互いに自己開示した状態で対話ができる ようになっている必要があるため、ファシリテーションにおいては十分な準備と注意が必要です。
(実際に参加者からこの会へのフィードバックとして、「心理的安全が保たれていたからこそ会話も弾んで良い気づきが得られた」というものがありました)

そして、テーマに沿って質問を通した対話を行うことで「秘密の窓」を開き、その後のフィードバックによって「盲点の窓」を開きます。
最後にワークショップ全体の振り返り通して「気づきの言語化」を行い、「未知の窓」が開かれるという流れです。

では、その「気づきの言語化」とは一体どんなものなのでしょうか?

「気づきの言語化」によって何が起こるのか

例えば、「Aさんが上司に怒られた」とします。
これは 事実 です。
が、この事実に対する 解釈 はいくつか考えることができます。
通常は自分の解釈というものはそうそう変化することはありません。
しかしリフレクションを通して他人の視点を得ることで、前提の変化を起こし、目標へ向かうための良い意味づけをすることで、その後の行動を変えることができるのです。

先ほどの例で言うと、

学習のステップ 具体例
1. 事実 上司に怒られた
2. 自分の解釈 自分は上司に嫌われているのかもしれない。なるべく怒られれないように消極的に作業しよう。
3. (他者からのFBによる)前提の変化 上司はAさんの成長に期待しているから、あえて厳しめに注意をしているのかもしれないよ。
4. (前提の変化を受けての)良い意味づけ 上司が期待してくれているのだとすれば、注意されたことは直す必要があるけど、萎縮することはないかもしれない
5. 行動の変化 期待に応えられるように、もっと挑戦をしていこう!

といった変化が起こることを期待できます。
(※ このような前提の変化も含む学習モデルをダブルループ学習といいます -> https://globis.jp/article/1765)

実際のワークショップではここまでわかりやすい話にはならないかもですが、普段あまり会話することのない同僚などと敢えて場を設定することによって、普段は意識されない自分の思考の癖や考え方の枠・価値観とは異なる視点での気づきを得ることができます。

また、リフレクションカード®は使ってみると「率直な意見を言う(もらう)ことができた」という感想をもらうことが多く、特に職位や年齢の高い人から「普段は人に意見されることがあまりないから、こういう機会があるのは本当に助かる」といった声をよく聞きます。

実施後にいただいた感想・意見

ここではワークショップ後に参加者からもらったアンケートの声を抜粋して紹介します。
今回はプロダクトに関わるメンバー18人(開発だけでなく営業やマネージャー陣も参加)のまとめです。

  • テーマに沿って話すのが最初は難易度高そうというイメージでしたが、話し始めたらそんなことはなかったです!
  • 自分の話をするのが苦手な私でも、質問カードの質問が秀逸だったので回答しやすかったです
  • カードがあっても、選んだテーマについて深堀っていくのか、テーマから脇道逸れても自己認識・言語化を促すのか、サポーターによって変わっていた印象があります
  • かなり考えさせられるFBが多数ありました
  • 限られた時間の中で自分に本気で向き合ってくださっている。ということ自体が嬉しかったです!!!
  • 本当におもしろかったです。ありがとうございました! リアルでやることで、オンラインにはないスピード感でチームのみんなと距離を縮められた感覚があります。
  • 開催前に案内いただいた「鋭い質問」があることの事前アナウンスと心構えは重要だと感じました。
  • シラフでここまで語れる機会はまずないので驚きました!そして充実した時間でとても楽しかったです!!
  • めっちゃよかったです。他の方ともまたやってみたいと思います。
  • 各チームに質問に慣れた人がいることで、他のメンバーの問いの質も上がっていくなと感じた
  • 楽しくも真面目に目の前にいるメンバーと向き合う時間となり、かなり有意義だと感じました!

おわりに

上記の通り参加してもらったチームメンバーからはワークショップについて好意的な意見や次回での改善案がたくさんもらえました。また、普段会話しないメンバーの人となりも同時に知ることができ、チームビルディングの一環としてもよかったかなと思っています。

ちなみに僕自身は冒頭で書いた通り、普段はただのバックエンドエンジニアなのでこういうスクラムマスターっぽい関わり方はしておらず、たまたま過去に個人的な興味からリフレクションカード®のファシリテーション講座を受けていたことが繋がって今回のチーム内ワークショップのファシリテーターを務めることになりました。

このようにグロービスでは立場や職能を超え、チームメンバーが相互に連携しあって(時にはぶつかり合いながら)前に進んでいく文化があります。
もしそういったチーム体制に興味がありましたらまずはカジュアル面談を通してぜひ一度会話させていただけると嬉しいです!

Appendix: 実施後アンケートのまとめ

主に当日の運営に関するアンケートの結果です。ファシリテーションをされる際のご参考になればと思います。

スクリーンショット 2022-12-15 16.02.32.png

スクリーンショット 2022-12-15 16.01.34.png

スクリーンショット 2022-12-15 16.01.47.png

スクリーンショット 2022-12-15 16.01.52.png

スクリーンショット 2022-12-15 16.01.55.png

スクリーンショット 2022-12-15 16.01.58.png

スクリーンショット 2022-12-15 16.02.02.png

スクリーンショット 2022-12-15 16.02.05.png

スクリーンショット 2022-12-15 16.02.08.png

7
1
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
7
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?