MoreEffectiveAgile
https://www.amazon.co.jp/dp/4822286584
6章、読んでてしんどくなるほど今のチームはダメな方だった。ここから変えていきたい。
自律・熟達・目的によるチームの動機付け
生産性を左右する最も大きな要因は内発的な動機付け(モチベーション)である。
ダニエル・ピンクの著書「Drive (2009)」では、これらが自律・熟達・目的によって大きく変化するという理論を提唱している。
自律
自律性を養う方法 | 自律性を損ねる方法 |
---|---|
方向性を定めることでリードする | 作業の実行方法の細かな点にリーダーが関心をもつ |
方向性を確約する | 方向性を頻繁に変更する |
自樹的な行動を取るために必要なスキルをチームに取り入れる | 作業を行うために必要な専門知識をチームに与えない. 高度にマトリックス化された個人を集めただけでチームになっていない |
ふりかえりによりチームがプラクティスの変更を試みることを許可する | チームの経験に関係なく、あらかじめ決められたプロセスを強制する |
合意した要求獲得プロセスを通じて要求を与える | チームまたはチームメンバー個人に要求を直接プッシュする |
仕事のできるチームはそのままにする (人ありきで仕事を割り当てる) | チームの解散と編成を頻繁に行う (仕事ありきでそこに人を割り当てる) |
チームが間違いを犯しても、そこから学ぶことが許されている | 間違いを罪とみなし、チームを罰する |
事例
- 日程や要求をギチギチに確定したあとで(ただし仕様は不確定) 、反論のできないメンバーをそこに割り当てる
- 小さな文言の一つ一つをなぜか位の高い人が決めたがる
- 朝令暮改でリリースの内容・日程が変わる
熟達
熟達を支援する方法 | 熟達を阻む方法 |
---|---|
ふりかえりの時間を設ける | ふりかえりに反対する |
学習と改善を目的として定期的に変更を奨励する | 変更を許可しないか、面倒な変更承認プロセスを要求する |
開発者に新しい技術分野の’調査を許可する | 開発者の作業を当面のビジネスニーズに限定する | |
合宿やハッカソンを支援する | 実験に反対する |
具体的な改善目標を立てた上での訓練を支援する | ひたすらタスクに集中することを強要し、個人の上達のために時間を使うことを許可しない |
新しい分野へのメンバーの進出を許可する | 最も経験があるところに留まることをメンバーに要求する |
事例
- 週に30分のふりかえり時間を設定できない
- 怖すぎて新規性の高い実装・ライブラリの使用が許可されない
- タスクを消化するため改善に充てる時間がない
目的
目的意識を養う方法 | 目的意識を損ねる方法 |
---|---|
開発者を実際の顧客と定期的に接触させる | 開発者が顧客と直接やりとりすることを制限する |
開発者を社内のビジネス担当者と定期的に接触させる | 開発者と社内のビジネス担当者を「サイロ化」し、滅多にやりとりさせないようにする |
チームの仕事を取り巻く全体像を定期的に伝える | 不定期に行われる全社ミーティングでのみ全体像を伝える |
コミュニケーションを現実に根ざしたものにする | 現実から切り離された月並みな情報しか伝えない |
チームの仕事が現実世界にどのような影響を及ぼしているかを伝える | 全体像に関する情報はあくまでチームリーダーが知りうる情報であり、チームが「知る必要のない情報である」と断言する |
組織にとって質の高い作業に価値があることを強調する | 会社にとっての目先の利益や短期的なデリバリー目標だけを説明する |
事例
- メンバーによっては全体周知にすら招待されていない
- ユーザーと接触する機会はない
- 質の高いコードより期日までのリリース