最近アジャイル関連の本読んでるとよく目にする「OODAループ」という言葉、PDCAとどういう違いがあるか簡単にまとめました。
OODAループとは
- https://ja.wikipedia.org/wiki/OODA%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97
- Observe(観察), Orient(方向づけ), Decision(判断), Act(行動) の頭文字
- 第二次大戦で活躍したジョン・ボイド大佐が考案した
- 軍事活動から着想を得ているが、「人間の行動原理」を表現しているのであらゆる問題に適用可能とされている
- 例えば人が歩く場合
- 前方に障害物などがないか確認する (観察)
- 誰かが歩いてきたので右に避けた方がいいかもと考える (方向づけ)
- 他に障害物がないので右に避けることに決定(判断)
- 右に避けて歩く (行動)
- 実際振り返ってみると、確かに人間はこういうループに基づいて行動している
- 例外的に、O->Aみたいなこともある
- 熱湯に触れてしまった時などはいちいち考えて行動しないとか
- 例外的に、O->Aみたいなこともある
- 例えば人が歩く場合
第二次世界大戦 - ドイツ電撃戦で起こったこと
- ドイツ軍は、敵(=フランス軍)が最初のO(観察)の時点で誤った情報をえるように、撹乱するような行動を先にとる
- 敵が次のO(方向づけ) をしている間に、こっちは先に A(行動)を起こして、敵が得た最初のO(観察)が意味を失うよう仕向ける
- 以後、このループを繰り返すことによって、敵を行動不能に追い込む
- 敵のOODAループを破壊する(攻撃的OODAループ)
- 要するに敵より早くOODAループを回すということ
両者の組織文化の違いが大きく作用していた
- ドイツ軍は予め自分たちがどのように行動すべきかをパターンで定義していた(OODAのストックを持っていた)ので、戦局に応じて素早く対応できた
- また、想定外の場合にも上官にいちいち確認せず自己責任で行動するという文化があった
- 対して、フランス軍は上位下達の組織
- 何か起こったら上官に報告->指示を仰ぐという流れ
- OODAを回すのが遅くなってしまう
- 見てる間にどんどん戦局が変わって対応できなくなって逃げ出した
- 何か起こったら上官に報告->指示を仰ぐという流れ
PDCAとは
- https://ja.wikipedia.org/wiki/PDCA%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AB
- Plan(計画), Do(実行), Check(評価), Action(改善)
- 製造業で生まれた考え方らしいが、近年はIT業界でもよく使われる
- 品質管理システム、ISOとかもある
両者を見比べると何が違うか
- 企業活動として考えてみると
- OODAは市場の観察からスタートする
- PDCAは自社の計画からスタートする
- 個人的にこの差は非常に大きいと思っている
- 例えば、売り上げがどのくらい取れそうか?という話の時
- OODAは市場の規模から考える
- PDCAは市場の規模に対して「自社がどうしたいか」というコンテキストが混入する
- それが合理的な考えに基づけば良いが、往々にして風呂敷広げがち
- 目的の達成ではなく、計画の実行が優先されてしまう
- ダメな作戦を延々と続けてしまう
- OODAにしろPDCAにしろ、小さいサイクルを素早く回していくのが肝要
- のんびりやっている間に市場は変化する
- まさかTikTokがアメリカから消されるとは...数ヶ月前に予測できた方はいましたか?
- のんびりやっている間に市場は変化する
原理原則を知ると面白い
- OODAループだけでなく、原理原則と言われるものを学んでいくと、「あっこれはあの本で見たパターンだ」みたいなのがあって面白い
- コンウェイの法則
- パーキンソンの法則
- トヨタ生産方式
- ゴールデンサークル
などなど
参考書籍
More Effective Agile
OODAループ超入門
チーム・ジャーニー
Find your why
AfterTalk
ドイツ軍について
- 同じ山に登るけど、登り方は任せるっていう考え方っぽい
- 違う山に登っちゃうと困るよねっていう
- これは設計と実装を分けるという意味で現場にも適用していきたい
Unlearn
- https://www.navigate-inc.co.jp/term/term_unlearning.html
- 同じ環境に適応し続けると、逆にそこから抜け出せなくなってしまう
- 例えば、VBをずっと学習し続けてもこの先未来はなさそう的な