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Dockerでのcgroupの利用について

Last updated at Posted at 2022-12-30

はじめに

Dockerはコンテナのリソース管理をするためにLinuxカーネルの機能であるcgroupを用いています。今回はcgroupについて解説しつつ、Dockerでどのように用いられているか確認します。

cgroupとは

cgroup(Control Group)は、Linuxカーネルの機能の1つで、システムリソース(CPU、メモリ、ディスクIO、ネットワークなど)を使用するプロセスをグループ化し、それぞれのグループに対してリソース使用量を制限することができるものです。

cgroupのコントローラー

cgroupはリソースごとにコントローラーが存在し、コントローラーはcgroupfsという特別なファイルシステムを介して使います。Ubuntu20.04では /sys/fs/cgroup ディレクトリ以下に、各コントローラーに対応するcgroupファイルシステムがマウントされています。ファイルシステムは、ストレージデバイス上に存在するわけではなく、メモリ上にだけ存在し、アクセスするとカーネルのcgroup機能を使えるという仕組みになっています。

$ ls /sys/fs/cgroup

blkio  cpu  cpu,cpuacct  cpuacct  cpuset  devices  freezer  hugetlb  memory  misc  net_cls  net_cls,net_prio  net_prio  perf_event  pids  rdma  systemd  unified

Dockerでの利用

Dockerでどのようにcgroupが使用されているか確認します。

CPU制限付きのコンテナの起動

CPU使用率が30%に制限付きのNginxコンテナを立ち上げます。

docker run --cpus 0.3 --name nginx -d -p 80:80 nginx

先ほど立ち上げたNginxコンテナのプロセスを確認します。docker topコマンドを使いました。

$ docker top 109f9220afcc(CONTAINER ID)
UID                 PID                 PPID                C                   STIME               TTY                 TIME                CMD
root                12199               12175               0                   17:47               ?                   00:00:00            nginx: master process nginx -g daemon off;
systemd+            12248               12199               0                   17:47               ?                   00:00:00            nginx: worker process

Dockerが作成したcpuコントローラーのグループ

Dockerが新たにグループが作成していることが分かります。

$ ls /sys/fs/cgroup/cpu/docker

109f9220afcceff3245cb227beb164c21a25093c7f5300ca34b35d8474f66688

cpu.cfs_quota_usファイルの中身を確認すると30000となっておりCPU使用率が30%に制限するように設定しています。

$ cat /sys/fs/cgroup/cpu/docker/109f9220afcceff3245cb227beb164c21a25093c7f5300ca34b35d8474f66688/cpu.cfs_quota_us

30000

また、tasksファイルには立ち上げたNginxコンテナ関連のPIDが記述されています。これによってコンテナのCPU使用率を制限することができます。

$ cat /sys/fs/cgroup/cpu/docker/109f9220afcceff3245cb227beb164c21a25093c7f5300ca34b35d8474f66688/tasks

12199
12248

CPU使用率が制限されるのか

Nginxコンテナ内に入ってCPU使用率を上げてみます。

$ docker exec -it nginx bash

yesを連続で出力することでCPU負荷をかけます。

# yes > /dev/null

別でターミナルを開き、ホストOSにてtopコマンドを使うと コンテナで実行しているプロセスのCPU使用率が制限されていることが分かります。

$ top 

    PID USER      PR  NI    VIRT    RES    SHR S  %CPU  %MEM     TIME+ COMMAND                          
  12725 root      20   0    2388    556    496 R  29.9   0.1   0:36.08 yes

さいごに

DockerはLinuxカーネルの機能であるcgroupを利用していることを確認できました。もっとDockerに詳しくなりたいです。

参考文献

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