ロードバランサーの機能(基礎)
前回に続き、ロードバランサーの基礎的な機能について説明します。
ロードバランサー自身の冗長性
オンプレミスでロードバランサーを使用する場合、ロードバランサーの冗長性にも気をつける必要があります。本番環境では、多くの場合ロードバランサーを冗長構成にして障害に備えます。アプライアンスやVM版の場合は、製品自体に冗長化機能がありますので、その機能を使います。また、障害時に待機系のロードバランサーに切り替わる際、既存のコネクション情報を引き継いでクライアントからサーバーへの接続が切断されないようにする機能を備えている製品もあります。
クラウドのロードバランサーの場合は、クラウドベンダー側で冗長性が確保されています。どの程度の可用性が確保されているかはクラウドベンダーの情報を参照してください。
Sorry表示
Web通信では、サーバーが全てダウンした場合などにSorry画面を表示する場合が多いです。ロードバランサーにはSorry画面表示が可能なものがあります。方式としては、優先度が低いサーバーとしてSorryサーバーを登録しておき通常のWebサーバーが全滅した際にSorryサーバーに負荷分散する方式、サーバーが全滅した際にSorryサーバーにリダイレクトする方式、ロードバランサー自身がSorry画面の情報を持っておりクライアントにSorry画面を返す方式、などがあります。
その他の処理
その他にも、主にHTTP/HTTPSの通信で以下のような処理が可能な場合があります。
- HTTPヘッダーの追加、削除、書き換え
- HTTPヘッダーやリクエストURLを読み取って割り振り先の制御などを行う
- 接続されているクライアント数のカウントなどプログラム的な動作をし、その結果を割り振りなどに反映する