NISQとは
NISQ (Noisy Intermediate-Scale Quantum) は、現在の量子コンピュータの発展段階を表す用語です。
NISQの特徴は、量子ビットにノイズ(エラー)が存在し、完全なエラー訂正ができない状態でありながら、特定の問題に対しては古典コンピュータを上回る可能性を持つという点です。この時期は、実用的な量子コンピュータへの過渡期として位置づけられています。
引用:https://www8.cao.go.jp/cstp/ryoshigijutsu/kento_wg/1kai/siryo2.pdf
量子コンピュータの進展状況
引用:https://www8.cao.go.jp/cstp/ryoshigijutsu/kento_wg/3kai/siryo2.pdf
NISQの登場背景
- 2010年代前半に初期の量子ビット制御技術の発展小規模な量子回路の実現
- 2016-2017年にIBMが初めて一般ユーザーに量子コンピュータへのクラウドアクセスを提供
- Googleやその他の企業が50量子ビット以上のプロセッサの開発を開始
- 2018年にPreskill教授がNISQ時代という概念を発表。数十から数百の量子ビットを持つ、エラー訂正なしの量子コンピュータの時代の到来を予測
- 2019年以降 Googleが量子超越性の実証を発表
- IBMが100量子ビット以上のプロセッサを開発
- 様々な企業がNISQデバイスの商用化を推進
まとめ
現在も、より多くの量子ビット数の実現や、ノイズの低減、量子アルゴリズムの開発など、NISQデバイスの改良と応用に向けた研究が世界中で進められています。