はじめに
なぜネットワーク効果を学ぶのか
- ネットワーク効果は1994年以降のすべてのテック企業の価値の70%を説明することができ、デジタル世界における防御力と価値創造の最高の形である
- ネットワーク効果から得られる価値は指数関数的に増加する
ネットワーク効果を、直感的に学ぶなら
人間の心理や考えがどうやって広まるか、ゲーム感覚でわかる。
伝達の良い面、悪い面についてニュートラルに書かれておるのが良い。
プロダクトやサービスの伝播のためにネットワーク効果を使いたいなら
あるプロダクトやサービスが、より多くの人に使われることによって、さらなる価値を獲得する現象としてのネットワーク効果を扱う。
サービスのグロース観点での記述が豊富で助かる。
「ネットワーク効果を持っていると判断する方法」で、具体KPIの設定例も載ってる。
ネットワーク効果の分類
ネットワーク効果って、13種類あんねん。
種類 | 例 | 説明 |
---|---|---|
物理的 | 固定電話 | 物理ノードや物理リンクに関連する直接ネットワーク効果。最も防御力が高い。 |
プロトコル | イーサネット | 通信や計算の標準が宣言されると、すべてのノードとノード作成者はそのプロトコルを使ってネットワークに接続できる。 |
パーソナル・ユーティリティ | iMessage、WhatsApp | ユーザーの個人的なアイデンティティがネットワークにリンクし、日常的に必要とされる。 |
パーソナル | フェイスブック | 人のアイデンティティや評判がプロダクトと結びついている。 |
マーケット・ネットワーク | HoneyBook、AngelList | パーソナルネットワークの機能とマーケットプレイスの取引を組み合わせたもの。 |
種類 | 例 | 説明 |
---|---|---|
マーケットプレイス | eBay、Craigslist | 買い手と売り手の両面があり、ネットワークが価値の大部分を提供する。 |
プラットフォーム | ウィンドウズ、iOS、Android | 供給側と需要側が、プラットフォームを通じて価値を交換する。 |
漸近的マーケットプレイス | Uber、Lyft | ある規模を超えると、ネットワークの成長が現在のユーザーに価値を追加しなくなる。 |
データ | Waze、Yelp! | より多くのデータを収集するほど、プロダクトの価値が上昇する。 |
技術的パフォーマンス | Bittorrent、Skype | プロダクトの技術的パフォーマンスがユーザー数の増加に伴って直接的に向上する。 |
種類 | 例 | 説明 |
---|---|---|
言語 | Google、Xerox | 専門用語は、より多くの人々に受け入れられることで、すべてのユーザーにとって価値が高まる。 |
信念 | 通貨、宗教 | 人々が信念を信じれば信じるほど、信念を信じる人にとって価値が高まる。 |
バンドワゴン | Slack、Apple | 人々が仲間外れにされたくないために、あるネットワークに参加せざるを得ないと感じる。 |
押さえておくべきポイント
基本となる法則性
- サルノフの法則: ネットワークの価値はネットワークの規模に正比例して増大する
- メトカーフの法則: 通信ネットワークの価値は、ネットワーク上のユーザー数の2乗に比例して大きくなる
- リードの法則: グループ形成型のネットワークでは、ネットワーク上のノードの総数をNとすると、2^Nの割合で値が増加する
ネットワークの特性
- クラスタリング: ノードはクラスタ化する傾向がある
- クリティカルマス: ネットワークが生み出す価値が、プロダクトそのものや競合プロダクトの価値を上回る時点
- 不規則性とクラスタリング: ネットワークには通常不規則性があり、クラスターが形成される
- 非対称性: マーケットプレイスの両サイドでノードを獲得する難易度の違いと、ノードの種類内における非対称性
注意すること
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ディスインターミディエーション、スイッチングコスト、リテンション、蒸発冷却効果、ソーシャルネットワークのデススパイラル
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紛らわしい概念
- バイラル効果とバイラリティ: ネットワーク効果とは異なる
- 幾何学的成長 vs. 線形成長: ネットワーク効果があると非線形成長を示す
- 強化: ネットワーク効果を持つビジネスは他の防御力も構築しやすい
- 規模の経済性: ネットワーク効果とは異なる
- ブランド: ネットワーク効果とは異なる強力な防御力
- エンベッディング: ネットワーク効果とは異なる防御力