この記事は ゆめみ Advent Calendar 2021 の 15 日目の記事です。
はじめに
ゆめみという組織を表現するときティール組織との共通点がいくつかあり、その内容を言語化してみる記事です。この記事では、ティール組織そのものについては解説しません。
ティール組織については、イラスト解説の書籍が簡潔な内容でわかりやすいです。
ゆめみとティール組織の共通点
- 助言プロセス
- セルフマネジメント
- 自己組織化
1週間前の記事で、ゆめみでの一場面から自己組織化において必要な要素を取り上げているので、併せて参照してもらうと具体的なイメージがしやすくなると思います。
助言プロセス
前述の記事でもあったように個々のメンバーからの提案が日常的に行われており、助言プロセスを通して実施されています。
- 提案
- 提案に対して助言
- 提案の承認または改訂
- 提案の実施または取り下げ
以下、書籍からの引用として、まさにこれと近い感覚があります。
私はこの助言プロセスの効率の良さに感動します。決定は24時間以内なのです。しかもおまけに、その決定が下されたときには、全組織にすでに支持されているのです!
ある決定に対して、決まるまで周知されないというのがこの逆の運用だと思います。
この場合、メンバーはその決定を周知されてから初めて知ります。ゆえに、その決定を受け止められずにうまくいかないケースが想定されます。決定の速度に対しても階層型の関係各所の承認を得るケースとの対比においては大きな差が生じます。決定まで時間がかかるのにメンバーに受け入れられないのでは、これは組織として大きな問題です。
助言プロセスでは、これを逆転させて、決まる前に内容を周知して助言を求め、改善していきます。ゆえに、決まった時にメンバーが受け止める準備ができている状態になっているのが大きな違いです。
GitHub での Pull Request も助言プロセスと言って良いと思います。
助言プロセスとは、組織に対して、プログラミングできない行為に対してもこの考えを拡張したとも言えます。
セルフマネジメント
前述の記事で触れたように意思決定が個々に行われます。良くも悪くもマネジメントされません。
書籍では、セルフマネジメントを組織の形状と見る表現があります。
セルフマネジメントは自己管理と和訳されており、ミクロ視点とマクロ視点の側面があると思いました。
- 自分自身をどのように管理するか(ミクロ視点)
- 組織としての管理手法を個々に任せる(マクロ視点)
この記事では、一旦前者をセルフマネジメントとし、後者はセルフマネジメントの結果としての自己組織化という表現としています。
セルフマネジメントの光と闇については別の記事で取り上げたいと思います。
自己組織化
前述の通り、書籍では、組織としての管理手法を個々に任せた結果、自己組織化された組織をセルフマネジメントと呼ぶように見えました。
以下、書籍からの引用として、脳を例とした次のような表現があります。
人間の脳には850億の細胞があります。しかしそこには経営委員会も中間管理者もありません
どんな重要な考えも、私が経営委員会として選んだ6つの細胞に承認されてから、私を通さなければなりません」と。脳は複雑過ぎ、ピラミッド状の組織で動かすことはできません。私たちがそれを試みても、すぐに機能不全に陥るでしょう。
鳥を例とした次のような表現もあります。
鳥は群れで飛んでいるとき、互いにぶつかりあいません
ヒエラルキーのある集中化した意思決定方式では、このレベルの速度と複雑さをマスターすることはできません。
自己組織化を構成する要員においてセルフマネジメントは必須であり、そのものであるというのがわかったような気になりました。
ある一定の複雑さに対して速度を維持して対応するのに必要な形状であり、リアクティブプログラミングもこれに近いと感じました。
おわりに
今回記事を書くにあたってティール組織のイラスト解説を改めて読み直しました。
助言プロセスにおいて重要な要素として以下があります。
- 言語化
- 非同期コミュニケーション
- フィードバック(助言)
言語化と非同期コミュニケーションはリモートワークにおいても必要でしたが、フィードバックはゆめみの助言プロセスに触れてから強く意識するようになりました。
また書籍ではティール組織を構成する要素として、この記事では触れていない項目もあります。
- ホールネス(全体性)
- 常に進化する目的
わかったようなわからないようなふわふわした感覚なので、別の機会で自分の言葉で言語化してみたいと思います。
参考
はじめに紹介したイラスト解説は、本書を基にしたものになります。
イラスト解説と比較すると分厚くて未だ積読した状態です。積読の効果もあってイラスト解説版と出会えたと思ってはいます。
今ぱらっとめくったら、セルフマネジメントに自己管理ではなく、自己経営の和訳が当てられていたので、解釈が全く違う可能性もあるので、読んだ方が良いと感じたところです。
積読のススメ