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プレゼン研究会Advent Calendar 2017

Day 9

エンジニアがプレゼンテーションするときに気をつけること

Last updated at Posted at 2017-12-09

これは、「プレゼン研究会 Advent Calender 2017」 12/9分の投稿です。
(本投稿は個人の見解であり、所属企業とは関係がありません)

効果的なプレゼンテーションに必要なもの

効果的なプレゼンテーションに必要なのは、生来の性格や慣れではありません。パッション(情熱)と後から学習可能なテクニックです。
ここではテクニカルなトレーニングを実施してきた私の経験から、プレゼンテーションにおけるポイントをお伝えします。みなさんご自身のプレゼンテーションに取り入れていただき、技術を伝える人の輪がより広まると嬉しいです。

書いていたら長くなってしまったので、2回に分けたいと思います。今回はプレゼンテーションの目的効果的なプレゼンのための3つのポイントについて書きます。次回は6つの話し方テクニックと7つの話し方以外のテクニックについて書きます。

聞いた人にどんな行動を起こしてほしいのか明確にする

私たちはなぜプレゼンテーションをするのでしょうか?
それは 聞き手が新しい行動を起こしたくなるようにするため です。
たとえばこういう行動を期待します。

  • 自社に帰ってから新しく聞いたプロダクトを自分で動かしてみる
  • プレゼンで聞いた内容を他の人にも広める

では人を動かすために必要なものは何でしょうか?
それは、まず パッション(情熱)。次に プレゼンテーションテクニック です。

以前、英会話の先生(カナダでTV通販をやってた)から「People buy People, not Products」という言葉を聞きました。人は製品そのものではなくセールスパーソンを見て製品を買うそうです。そこに必要なのは製品のスペックそのものではない。セールスパーソンが持つ「この製品はこんなに素晴らしい、これはあなたの人生を豊かにするのだ」という熱意なのだと。私も熱意のあるプレゼンには人を惹き込み、動かす力があると思います。

技術を人に伝えたい、と思った段階でパッションは十分にお持ちだと思います。そこで、プレゼンテーションの作成、実施においては、そのパッションが相手に伝わったときに、どんな行動を起こしてほしいのか?を常に念頭においてください。そうすることでプレゼンテーションは主旨が明確になります。テクニックは必要ですが、あくまでパッションを他の人が理解しやすくするためのツールにすぎません。

効果的なプレゼンのための3つのポイント

プレゼンを行う際に全体的に押さえておく3つのポイントがあります。
この内容はストーリーとして資料に入れる場合もありますが、慣れてくると口頭でもコントロールできるため、他人の資料で話す場合にも使えて便利です。

なぜそのプレゼンテーションを聞く必要があるのか伝える

子供は与えられる情報を素直に学びますが、経験と知識のある大人は自分が必要と思うもの以外は学習しない傾向があります(成人学習の原則、でググってみてください)。
そこで、プレゼンテーションの最初で、なぜ聴衆がこのプレゼンテーションを聞く必要があるのか、これを聞くことで何ができるようになるのか、何については話さないのか明確に伝えましょう。聴衆が提示された題材に問題意識を持つようになり、話に乗ってきてくれるようになります。
これにはもう一つ効果があります。発表には一般的にタイトルが付きますが、聴衆にとって実際に何が話されるのかは始まってみないとわかりません。異なる期待値を持つ人に話すのは難しいものですが、最初に内容を伝えることで期待値を合わせ、プレゼンテーションの納得感を高めることができます。
複数トラックのあるカンファレンスではこれを徹底したほうが良いと思います。最初の導入を聞いて期待と合わなければ違うセッションに移っていただくよう誘導できます。

絶対に持ち帰って欲しい一言を選ぶ

プレゼンテーションは大量の情報を伝えるために適した方式です。一方で人間は大量の情報を持ち帰ることは得意ではありません。例えば60分のプレゼンを聞くことを考えてください。これを一言一句漏らさず聴き続けるのはかなりしんどい作業です。ふとした隙に大事な言葉を話されると思うと気も抜けません。プレゼンには重要なところとそうでないところが必要なのです。
そこで、絶対に持ち帰って欲しい一言を決めることが効果的です。これにより自分がプレゼン中に脇道にそれてしまう可能性も減り、聴衆はプレゼンの主旨を明確に理解することができます。その一言はプレゼンの間、繰り返し伝えることになるため、聴衆がキーワードを聞き落とす可能性を下げることもできます。

プレゼンで情報を伝える際は、次のように人間の情報の受け取り方に合わせた方式を使うのが効果的です。

  • Whole-Part-Whole (全体像が分からない情報は理解できない。 常に ①全体像を示し②個別の内容を説明し③再度全体をまとめる の形で情報を提供する)
  • 学習-体験-応用 (インプットだけによる情報は頭に定着しない。自ら手や口を使ってアウトプットし、自分で考えることによって情報を定着させる)
  • 既知の情報と連携させる (全く新しい概念は人の頭に残らない。身近な何かとの関連を示し、地続きになるよう情報を提供する)

受け手の目線に合わせて伝える

既存の知識から離れた全く新しい概念は人の頭に残りません。オンプレの硬めの運用経験しかない人にクラウド上の自動化されたデプロイの話をしても、現実味がなく「へー」で終わりです。新しい話をする場合は聴衆の既存の知識から地続きになるよう解説すると理解が進みます。私の場合プレゼンの最初に質問をして、聴衆のバックグラウンドを確認します。それに合わせて具体例を変えるといったことをしています。
聴衆の一人に経験を話してもらうことも効果的です。成人に対するプレゼンテーションでは、机上の抽象論ではなく、経験を元にした具体的な事例に対するケーススタディを行うことで、他人事ではない自分ごととして知識を得ることができます。

まとめ

本エントリでは以下の内容について書きました。

  • 聞いた人にどんな行動を起こしてほしいのか明確にする
  • 効果的なプレゼンのための3つのポイント
    • なぜそのプレゼンを聞く必要があるのか伝える
    • 絶対に持ち帰って欲しい一言を選ぶ
    • 受け手の目線に合わせて伝える

次回はより具体的に、以下の内容について書きます。

  • 話し方に関する6つのテクニック
  • 話し方以外に関する7つのテクニック

参考資料

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