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日本の農業×ITの現状

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1.西内さんが農業をはじめたきっかけ

はぐみ農園を経営する西内直彦さんは、大手外資系IT企業で管理職などを経験されたあと、ご自身の実家がある高知県安芸市に、Uターンされました。

実家はもともと農家ではなく、農業をやったことはなかったそうですが、ご家族が趣味で蘭を育てていたハウスを活用して、トマトを育てはじめたのがきっかけでした。近所の方に農業のやり方を教わりつつ、ご自身のバックグラウンドであるITを活用して、最先端の農業に取り組まれています。今はピーマンを中心に栽培し、Oisixにも出品されています。

2.ITを利用した農業の仕組み

2.1.概要

農業にITを活用することで、植物の生育環境を最適化し、単位面積あたりの収穫量を増やすことができます。収穫はロボットではまだできないので、収穫量が増えるほど人手が必要になります。

2.2.ハウス内の環境の制御

①ハウス内の環境のモニタリングする

はぐみ農園には4つのハウスがあり、4つのハウスの状況をモニタリングシステムから確認できるようになっています。モニタリングシステムはハウス内外の環境情報を収集し、見える化しています。取得しているデータは、ハウス内の温度や湿度、ハウス外の風向きや日射などです。モニタリングシステムの情報はスマホでも確認できます。
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モニタリングシステム

風向きと日射のセンサーはノードとして複数置くような使い方ではなく、通風式のBOXに入れて1点を計測しています。
はぐみ農園のある安芸市では、今まで風向きと日射はセンサーを使わずに、各天窓に温度センサーを付けて管理するのが主流でしたが、最近は風向きと日射を計測して制御する方法を導入する人が増えているようです。

②ハウス内の環境を自動制御する

モニタリングシステムが収集した環境情報は、一括で様々なシステムを制御できる、環境制御機と呼ばれるシステムに送られます。環境制御機は、天窓/カーテン/ミスト/CO2発生機/ヒートポンプ/ボイラーを設定に合わせて自動的に制御します。天窓/カーテン/ミスト・・・のシステムはそれぞれが独立したシステムで、個別に設定をして動かしていましたが、環境制御機を導入することで、1台でできるようになりました。
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環境制御機

冬は外気が冷たく乾燥しているので、ハウス内への外気の影響を最小限に抑えられるようにコントロールしていきます。

③温度・湿度・二酸化炭素を自動で管理する

ハウス内の環境で重要なのは温度、湿度、二酸化炭素です。
まず、植物が光合成できるように、CO2を発生させます。CO2を発生させるために使うCO2発生機では、灯油を燃やしてCO2を発生させます。灯油を燃やしたときの熱は、そのまま捨てるだけではもったいないので、蓄熱して夜間の温度調節に使います。この蓄熱と温度調節の仕組みは熱循環システムで制御しています。
環境制御機と熱循環システムは独立した別のシステムで、それぞれがモニタリングシステムとセンサーを持っています。ミストノズルがハウス全体に均一に配置されていますが、それに高圧で水を送るポンプが1台で全体をカバーしているので、モニタリングするポイントも1点となります。

④植物の成長度合いをタイムラプスで把握する

ハウス内にはカメラを設置して、植物の成長度合いをタイムラプス画像で撮っています。タイムラプス画像をモニタリングシステムのデータと照らし合わせて「どういう環境条件の時にうまくいくのか」「(植物が病気になったときなど)原因は何か」等を分析できるようにしています。
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ハウス内のカメラ

2.3.収穫

2.2.のような仕組みを作ることでハウス内の環境が安定し、単位面積あたりの収穫量が増えるようです。また、ミストを湿度管理だけでなく冷房として暑い時期に使うことで、栽培期間を前倒しできるようになり、収穫期間が伸びたことでさらに収穫量が増えたそうです。しかし、収穫はまだロボットではできず、収穫量が増えるだけ人手が必要となっています。果菜類は立体的に収穫物が生るため、ロボットではまだ対応できないようです。ただ、イチゴやトマトなど限定的に収穫できるロボットも出てきています。

3.よりITを活用していくために

はじめに、ハウス内に設置しているタイムラプスのカメラは、SDカードでデータを保存しており、wifi接続できたら画像の取得がかなり楽になるとのことでした。
2つ目に、モニタリングシステムとタイムラプス画像はシステム的に連携していないので、同じ時間でそれぞれのデータを探して比較しないといけません。システム的に連携すると分析しやすくなるとのことでした。
3つ目に、収穫用のロボットができればかなり農業は進歩するように思いました。

4.日本と世界の農業の現状

ITを活用した大規模な農業には、ハウスを使うもの(horticulture)と使わないもの(agriculture)の2種類があります。大規模なhorticultureをしているのはオランダで、大規模なagricultureをしているのはアメリカのようです。オランダでは50haくらい(東京ディズニーランドと同じくらいの広さ)の土地を使ってhorticultureができています。日本国内では10ha以下の土地でしかhorticultureはできていません。また、オランダは土地を売買するとき、まずは隣に土地を持っている人に売らなければいけない法律があるようです。日本では必ずしも隣の土地から買わないといけない決まりがなく、そのせいもあって、平地でもまとまった大きな土地にはなりにくいようです。なお、日本の平野では、宮崎と静岡が日射量も大きく農業に向いています。消費地へのアクセスを考えると静岡が良さそうです。
農業には初期投資がたくさん要るので、新規参入がなかなか難しく、その辺の制度が整ってくると良いというお話もありました。
また、農業は天候に左右される部分が大きく、経験やノウハウも重要そうでした。

5.最後に

西内さんの他のインタビュー記事はこちら:
自分が一歩踏み出せる「データ」を揃えることが重要
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