前プロジェクトで製品比較結果報告書を初めて作成したので、留意点をまとめてみた。
ITや製品比較でなくてもドキュメント作成に活かせる箇所があると思うので、
参考になったらうれしい。
製品比較とは?
ITの世界では多種多様な製品が存在するが、
製品を導入するには同等の機能を持つ複数製品を横並びで比較し、
最も機能に優れ、最も環境に適し、もしくは最も導入しやすい製品を
選定することが大半だろう。
製品比較結果報告書とは?
同一カテゴリの複数製品を比較・調査した内容をまとめ、
結果としてどの製品を導入するかを報告するための文書である。
1点注意したいのが、誰に向けたものなのかによって内容が変わってくる。
担当者向けの資料であれば、
その担当者が上司へプレゼンすることを想定する必要がある。
今回は決裁者を対象として作成した。
比較対象製品
自社が提案したい製品と顧客が検討している製品を含めて、
3~5製品を比較しよう。
いきなり報告書作成に取り掛からない
まずは下調べ用のExcelでも開き、収集した情報を取りまとめよう。
その情報を有識者にレビューしてもらいOKが出てから報告書を作成しよう。
また、顧客のルールでフォントやフォントサイズなどの書式に
指定があるかもしれないので確認しておこう。
目次
はじめに
この報告書は何についてまとめたものなのかを記載する。
改訂履歴
内容にどういった変更があったかを記載する。
初版では新規作成で良いだろう。
結論
比較した結果と概要を記載する。
当然ながら、製品を導入するには多額のお金がかかる。
規模にもよるが数百万~億単位なんてことも珍しくない。
そのお金を払うには決裁者と呼ばれる、
会社のお金を使う権限を持った人の承認を得る必要がある。
そんなエグゼクティブな方々は間違いなく多忙だろう。
そのため「全部読まなくてもここだけ抑えれば大丈夫」という内容にする。
記載内容は簡潔に、
- 貴社ビジネスの課題は○○
- 課題解決には△△が必要
- △△を備える製品はA, B C
- Bは機能が乏しく、Cは費用が高額なため、Aを選定
- Aは◆◆がネックになるが□□で回避できる
- A導入の初期費用はn万円、月額費用はn万円
ざっとこんなものだろう。
美辞麗句だけでなく現実的な目線を交えながら、
デメリットをカバーできる文言を加えるとよいだろう。
以降は結論を証拠づける内容を肉付けしていく
製品名、販売元ベンダー名、製品URL
できれば英語のURLも併記しておく。
海外製品の場合、英語のほうが更新が早いからだ。
機能比較(例)
- 対象OSのサポート可否
- 既存NW構成への変更要否
- 顧客環境への既設製品との連携可否
- ユーザビリティ
- 認証方式
- 運用負荷
- 拡張性
- エージェント導入の要否
- PoC支援可否
比較表
項目はともかく、比較結果はなるべく見やすく記載したい。
費用
ユーザ数によって料金体系が異なるケースが多いため、
導入ユーザ数を顧客に確認しておく必要がある。
ここでネックになるのが、
どんなに優れた機能を持っていても予算には限りがあるため、
導入できない可能性があることだ。
また、具体的な料金を知るには、
顧客情報を入力したうえでベンダーへの問い合わせが
必要となるケースも少なくない。
そのため事前に顧客担当者と、
情報収集の際にベンダーへの問い合わせまで必要かを確認したほうが良いだろう。
情報収集時の留意点
情報ソースを絞る
記載する情報は販売元ベンダーのHPから得たもののみにし、
メディアや代理店HP等で得たものは記載せずに参考情報程度とするほうが良い。
そのメディアの主観が混じっていたり、
代理店独自のサービスと掛け合わせて実現できる機能としている場合もあるからだ。
機能の確認
導入バージョンで実現できることを確実に抑えておこう。
以前のバージョンでは実現できなかったものができるようになっていたり、
その逆もあり得るためだ。
情報を鵜呑みにするな
販売元ベンダーHPには都合の良いことのみ書いてあったり、
都合の良い表現をしているなどがあるので注意が必要だ。
- 「検知率○%」
→分母を載せていない - 他社製品より当社製品のほうが優れている
→かのような記載
当たり前だが彼らは自分たちの製品を買ってほしいわけだ。
そのため、第三者機関が評価している記事があれば理想だ。
さいごに
情報収集、資料作成、議事録ばかりのプロジェクトで面白くなかったが、
この内容を学べたのはいい機会だった。