はじめに
前回、Gcore上でアカウントの作成およびフリープランのCDNのアクティベーションを行いました。
今回は、Gcore CDNを利用できるところまで進めてみたいと思います。
その前に、CDNについてこちらのBlogを参考にまとめました。
CDNとは?
コンテンツ・デリバリー・ネットワーク(CDN)は、世界中のユーザーにコンテンツを効率的に配信するために展開される、キャッシュ(エッジ)サーバーのグローバルな分散ネットワークです。
エンドユーザーの近くにコンテンツをキャッシュするサーバーを置くことで、CDNは遅延を最小限に抑え、ウェブサイト、アプリケーション、ダウンロードのロード時間を高速化します。
さらに、適切に設定されたCDNはDDoS攻撃を軽減する。世界中のサーバーに負荷を分散させることで、ウェブサイトへのリクエスト殺到を狙った偽のトラフィックの急増を分散させます。
- ウェブサイトやアプリケーションのパフォーマンス:ここでの目的は、可能な限り遅延を減らすことです。ウェブサイトがホストされている場所と、ウェブサイトの訪問者がコンテンツに接続する場所との間の距離を縮めることは、ユーザー体験と視聴者のロイヤルティに大きな価値をもたらす可能性があります。
- ウェブサイトやアプリケーションの可用性: 例えば、予想される販売イベントやリリースされるゲームの大々的なパッチへの対応、あるいはDDoS攻撃への対策などです。分散サーバーを利用することで、ウェブサイトやアプリのコンテンツがユーザーにとってより利用しやすくなると同時に、悪意のあるアクターやリクエストの急増に対してより脆弱でなくなります。
CDNの使用例
ダウンロードとアップデート
この利用方法の適切なインダストリーは、ゲーム業界であす。ウェブサイトやアプリでプレイされるゲームは、企業のCDNインフラがすべて円滑に稼動していれば、大規模かつ忠実な視聴者を獲得することができ、何百万人ものプレイヤーが、その安定性とネットワークが提供するパフォーマンスに依存しています。これらの企業がユーザーに体験して望まないのは、世界の特定の地域でオンラインゲームがピークを迎えるときや、待望のアップデートがようやくリリースされるタイミングで、我慢できないほど長いダウンロード時間がかかることです。
ビデオストリーミング
このシナリオはイメージしやすい。人気のあるスポーツイベントのビデオを配信する放送メディア企業やプロバイダーは、すでに強固なインフラに依存している。しかし、特別に需要が高い場合、例えばワールドカップの準決勝のように、少なくとも4カ国で国内のすべてのデバイスが最適化されたリアルタイムのストリーミングを期待している場合、これらの国で事業を展開する放送サービスプロバイダーは、CDNベンダーが負荷のバランスをとり、コンテンツ配信をインテリジェントにルーティングすることを期待します。
CDNは、ライブストリーミングが中断することなく継続され、いわばゴールを逃すことがないように、存在するポイント全体で配信を最適化する任務を負っている。
ウェブサイト高速化
電子商取引(ECサイト)を例にとれば、これもイメージしやすいでしょう。単に支払いをしようとしただけなのに、非効率的なウェブサイトに待たされたり、がっかりさせられたりして、イライラした経験は誰にでもあるだろう。Eコマースは巨大であり、モバイル経由での購入という「サブカテゴリー」であるMコマースは、それ自体が爆発的に成長している。販売する製品やサービスを表示し、その販売のための金融取引を行うウェブサイトやアプリは、可能な限りウェブページの読み込み時間を短縮することを目指すべきです。
CDNの設定
ここまで、CDNの利点や利用例などをご紹介しました。このGcore CDNサービスを用いて実際にCDNを構築、設定していきたいと思います。
CDNの新規作成、設定等に関してはこちらのgcore CDNのこちらのドキュメントを参考に設定しました。
https://gcore.com/docs/cdn/getting-started/create-a-cdn-resource
CDNリソースの作成
まず、CDNのリソース作成から行います。
gcoreへのログイン後、カスタマーポータルが表示されます。そこから左がわのメニュータブから、「CDN」を選択します。
次にCDNのサブメニューの「CDN Resources」を選択し、「Create CDN resource」をクリックし次に進みます。
CDN設定用のSetup wizardが立ち上がってきます。
サイトの高速化とプトテクションを選択
利用するプロジェクトに応じてCDNのタイプを選択します。
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Accelerate and protect entire site
CDNおよびDNSサービスにより、サイト全体を高速化し、セキュリティ面でネットワーク層以下を保護します。
DNSサービスは無料プランで自動的に有効になります。 -
Accelerate and protect static assets only
CDNサービスを使用して、ウェブサイトの静的アセットを高速化し、セキュリティ面でネットワーク層以下を保護します。
今回は、Accelerate and Protect entire siteを選択し、Webサイト全体の高速化を行なっていきたいと思います。
サイト名を入力
次にサイト名を入力します。
ここで、DNSゾーンを作成する必要があります。Gcore Managed DNSを利用したことがない場合はGcore DNSの無料プランが自動的に有効になります。利用したことがある場合はDNSゾーンんも自動的に作成されます。
Description(説明)はオプションなので、割愛することも可能ですが、適当なコメントを入力して「Confirme」をクリックし、次に
DNSレコードを確認
gcoreでは、このステップでサイトドメインに関連するDNSレコードを検索します。
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DNSレコードが存在する場合は、自動的に表示されます。必要に応じて、それらを編集または削除したり、新しいレコードを追加したりすることができます。または、この手順をスキップすることもできます。設定が完了したら、[Confirm]をクリックします。
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DNSレコードが見つからない場合は、少なくともAレコードを追加する必要があることを示す警告が表示されます。
今回は既存のDNS登録がないので、Aレーコードを追加します。「Add DNS record」をクリック
TypeをAレコードを指定して、サブドメインを指定するか、「名前」フィールドとIPアドレスを入力します。その後、[Add]をクリックします。
ここで、AレコードやMXレコードなどその他のレコードを追加することも可能です。
今回はAレコードを使いしたので、それを確認し、「Confirm」をクリック
ネームサーバーの変更
すべての手順が正常に完了すると、上記で指定したサイトにCDNリソースとDNSゾーンが自動的に作成されます。
サイトアクセラレーションのセットアップを完了するには、ドメインレジストラアカウント(お名前.com等)にログインし、現在のネームサーバー(NSレコード)をGcoreネームサーバーに置き換え、「Confirm」をクリックします:
(オプション)追加オプションの設定
オプションで、CDNリソースの追加機能を有効にできます。このステップはスキップして、後で追加設定することも可能です。特に変更しない場合は「Discard」、設定変更した場合は「Save Change」をクリックして、CDNリソースの作成とセットアップを完了します。
追加オプションについての詳細は別途説明したいと思います。
CDN作成進捗の確認
CDNリソースインターフェイス画面で、現在のリソースの作成状態が確認できます。
CDNリソースの作成が完了したら「Processing」から「Active」にステータスが変更されます。
ここのステータスは、他に「一時停止(Suspended)」「削除済み(Deleted)」などが確認できます。
まとめ
これで、gcore CDNの利用が可能となりました。
コンテンツのダウンロードの高速化、オリジンサーバの保護、Webサイトの表示の高速化、Videoコンテンツの配信等さまざまな用途でCDNを無料で利用可能となりました。
次回はCDNの機能などを深掘りしていきたいと思います。