はじめに
Workato の「Repeat for each」の「Repeat mode」には通常使用する「One item at a time」の他に「Batch of items」というものがあります。これはどういったときに使用するのでしょうか?
Workato には複数のデータ行やレコードを効率よく処理するためのバッチ処理という機能があります。「Batch of items」はこのバッチ処理と組み合わせて使用します。
この記事では、CSV ファイルの内容を SharePoint のリストに登録する例を通じて、具体的な使いかたをご説明します。
CSVファイルの読み込み
あらかじめ、取り込みたい CSV ファイルと同じ列構造の SharePoint のリストを作成しておきます。取り込みたいCSV ファイルも SharePoint のドキュメントフォルダに格納しておきます。
準備が済んだら、Workato のレシピを作成します。
まず、SharePoint コネクターの「Download file from library」アクションで CSV ファイルのコンテンツを取得します。
「CSV tools by Workato」コネクターの「Parse CSV」アクションで CSV の内容を解析します。
「CSV contents」にはダウンロードしたファイルの「Content」を設定します。
「Header schema」は「Use a sample CSV file」を利用して作成するのが簡単です。
「Upload from device」を選択して、取り込みたい CSV ファイルをアップロードします。
「Next」をクリックして内容を確認します。
問題がなければ、「Generate schema」をクリックします。
このとき、「Column delimiter」が空になることがありますので、その場合は「comma」を指定します。
SharePointのリストへの登録
次に SharePoint コネクターを利用してデータを登録します。
SharePoint には「Create rows」というデータ登録をバッチ処理で行うアクションが用意されていますので、このアクションを利用します。
バッチ処理のアクションには Batch というマークがついていますので参考にしてください。
このアクションの説明を見ると、「SharePoint のリストに最大 200 行作成します」とありますが、CSV ファイルに 200 行以上ある場合はどうすればよいでしょうか?
こういったケースのために用意されているのが「Batch of items」になります。
アクションの追加を中止して、「Repeat for each」を追加します。
「Input list」には、「Parse CSV」の出力結果の「Lines」を指定し、「Repeat mode」には「Batch of items」を指定します。
「Batch size」には、先程のアクションで処理できる最大行数の「200」を指定します。
ループ内の「Select an app and action」で先程の SharePoint コネクターの「Create rows」アクションを指定します。
登録先のリスト名を選択し、「optional fields available」をクリックして、取り込み対象の列を表示させます。
「Batch source list」には、「Foreach」の「Batch」を指定し、各列には対応するフィールドを設定します。
「Test recipe」でレシピを実行すると、200 行以上あっても、CSV ファイルの内容がすべて SharePoint のリストに取り込まれます。
まとめ
まとめると、以下のようになります。
- 「Repeat for each」の「Batch of items」はバッチ処理のアクションと組み合わせて利用する
- 「Batch size」にはバッチ処理がサポートする最大のレコード数を指定する
- バッチ処理のアクションを利用することで、複数のデータ行やレコードを効率よく処理することができる
おわりに
この記事では、バッチ処理のアクションと「Repeat for each」の「Batch of items」を組み合わせる方法をご説明しました。
Workato で複数のデータをまとめて処理する必要がある場合、バッチ処理を利用することで、実行時間やタスク数を抑えることができます。
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参考リンク
- 株式会社 日立ソリューションズ
- Workato 公式サイト
- 本記事のサンプルレシピ
- JPデータセンター利用者向け
- USデータセンター利用者向け