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[Python] POSTされたmultipart/form-dataをFieldStorageでパースする

Last updated at Posted at 2018-09-17

フロントエンドからファイルをmultipart/form-data形式でPOSTするためのWeb APIをサーバーレスで開発していて、データの取り出しに少しハマって調べたので書いておきます。

multipart/form-data

multipart/form-dataは、一回のPOSTリクエストで複数のデータやファイルをサーバーに送信するときに使うリクエストヘッダーです。
それぞれのファイルやデータをboundaryという文字列で区切ってリクエストボディに入れます。boundaryは多くのWebリクエストクライアントで自動的に生成してくれます。

curlを使ってmultipart/form-dataをリクエストする場合は下記のようになります。


curl -X POST http://localhost:3000 \
-F "data=@/path/to/sample.txt;type=text/plain" \
-F "csvdata=@/path/to/HelloWorld.csv;type=text/csv"

リクエストボディはこんな感じになります。

--------------------------5534b722b1776e54
Content-Disposition: form-data; name="data"; filename="sample.txt"
Content-Type: text/plain

This is Sample Text!!

--------------------------5534b722b1776e54
Content-Disposition: form-data; name="csvdata"; filename="HelloWorld.csv"
Content-Type: text/csv

foo,bar,baz
hoge,piyo,moge

--------------------------5534b722b1776e54--

boundaryは--------------------------5534b722b1776e54の部分です。
ボディデータ内のどれがboundaryなのかをサーバーに教えて上げる必要があるのでヘッダーにその情報が入っています。

{'Content-Type': 'multipart/form-data; boundary=------------------------5534b722b1776e54'}

このヘッダー情報を使ってデータをパースしていく処理を自前で実装するのめちゃ大変・・・。

調べたところFieldStorageを使ってねということでした。

FieldStorage

FieldStorageはPython標準ライブラリに含まれるcgiモジュールのクラスです。FieldStorageにリクエストボディとヘッダー情報を引数として渡すと、下記の情報が取得できます。

  • フィールド名(リクエスト時のcurl ... -F data=@hoge.txtdataの部分)
  • ファイル名(例:hoge.txt
  • ファイルタイプ(例:text/plain
  • データ(例:hello world

FieldStorageに渡す引数

fp

fpはfile pointerのことで、ボディ本体を渡します。渡すボディはTextIOWrapperクラスのオブジェクトである必要があるのでio.BytexIO()で読み込みます。今回の場合はリクエストボディデータがBase64エンコードされた状態で送られてくるのでBase64デコード処理も入れています。

headers

content-typecontent-lengthを渡します。リクエストで受け取ったヘッダーはContent-TypeContent-Lengthになっていて、それをそのまま渡すとFieldStorageクラス内で読み込めないため、キーをlower caseにしてあげてます。(ここでめっちゃハマった・・)

environ

これはPOSTメソッドの操作だよと、REQUEST_METHODに入れてあげる必要があります。

コード

最終的にはこのような形になりました。 fs.listをfor文で回して、それぞれのデータを取り出して処理しています。


import base64
import io
from cgi import FieldStorage

def parse_multipart_form(headers, body):
    fp = io.BytesIO(base64.b64decode(body))
    environ = {'REQUEST_METHOD': 'POST'}
    headers = {
        'content-type': headers['Content-Type'],
        'content-length': headers['Content-Length']
    }

    fs = cgi.FieldStorage(fp=fp, environ=environ, headers=headers)

    for f in fs.list:
        print(f.name, f.filename, f.type, f.value)

出力

data sample.txt text/plain b'This is Sample Text!!\n'
csvdata HelloWorld.csv text/csv b'foo,bar,baz\nhoge,piyo,moge\n'

以上です。

今回はFieldStorageをこういう使い方をしている例があまり見つからず、cgiのコードを読み込みました。いい勉強になります。

本当は、せっかくサーバーレスのようなクラウドネイティブなアプリケーションを構築しているのであれば、フロントからのファイルアップロードは、S3に直接アップロードするほうがいろいろと楽ですよね。

最後に、

  • API Gatewayを使うのであればバイナリサポートを有効にすること
  • Lambdaファンクションに渡せるイベントデータの上限は6MB

この部分は原因の発見が難しいので要注意です。

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