この記事は Calendar for UdonTech Advent Calendar 2021 | Advent Calendar 2021 - Qiita の24日目の記事です。
さてさて、世の皆様はクリスマスだ、年越しだーと楽しい年末を迎えているであろうこのタイミングで、無謀にも地方のフリーランスITエンジニアが市議会議員選挙にたった一人きりで、しかもネット戦略だけを用いて(ここはちょっと語弊があるけど) 挑んでみたっていう 爆弾をぶち込んでみたい と思いますw
ちなみに政治運動・選挙活動あわせて、ざっくり250万円ほどお金を吹っ飛ばしています。笑ってくれ。
##まずは簡単な自己紹介
###そもそもあんた誰?
Y.K. Works という屋号でフリーランスやってます。IT関係の何でも屋さん的な活動をしています。最近はOSINTによるセキュリティリサーチなどがメインとなりつつあるような、そうでないような。
###立候補した市議会ってどこよ?
香川県の観音寺市というチンケな街です。結城友奈は勇者である(通称ゆゆゆ) 初代作の舞台として、最近多少は有名かも。
###そもそもなんで立候補しようと思ったの?
全てを語るには
あまりにも
時間が
足りない
ので、選挙活動用Webサイトのブログ に、順次追加していく予定。色々忙しくて、まだ立候補のきっかけしか書けていませんが……。
YouTubeの生配信で色々語ってはいるので、興味があればそちらも見てね。↓
###で、結果は?
###っていうかこの↓ 格好なんなの? ふざけてるの? Xぬの?
俺のことを馬鹿にしても、諸葛亮を馬鹿にするな!
って話はともかく、選挙自体の投票率を上げたい(アンチであろうと注目する人が増えれば全体の投票率が上がるのではという考え) とか、ギャップ戦略(見た目はアレだが中身はまともなこと言っているという戦略) とか、俺のような人間でもチャレンジしているんだから、お前らももっと頑張れよ、チャレンジしろよ! って意図とか、もともと市長選に出る予定で、そのとき立候補予定者が3人だったから三国志をモチーフに……とか、色々あるけれど、まあ俺がアレなことについて否定はしない。
##ようやく本題
###この選挙戦で目指したもの
一言で言うなら、選挙をハックしたいと考えた。登大遊さん風に言いかえるなら「けしからん選挙戦」を目指して、決して通常の立候補者が採らないであろう戦略・方針を貫くことをテーマの一つとした。
###具体的には
選挙戦でいうところの、空中戦(電話・チラシ・ハガキ等でのアピール)・宇宙戦(インターネットを用いたアピール) のみに絞って戦いを行った。特にネットでは、選挙期間中、毎日YouTube Liveで政策を生配信するなど、街頭に立たない代わりに認知してもらえるような施策を打った。
チラシも、初回は観音寺市の8割程度の世帯に配布(2万3千件程度) し、アピールを行っている。2・3回目は新聞折り込みの予定であったが、衆議院選挙が直近にあった関係で、業者から折り込みが行えないと言われてしまい、仕方なく郵便局のタウンメールで1.2万件ほど配布する形となった。
さらに、一般的には後援会をつくり、複数人で挑むのが選挙の常であるが、自分一人でどこまでできるのか挑戦したいと思い、一人きりでの選挙戦を行った。(さすがに選挙のポスター貼りは253カ所もあったので、友人にお手伝いをお願いしたが)
###で、結果は?
###感想
田舎の人々には、ネット選挙といった文明の利器はまだ早かったようだ。
って冗談はさておき、おそらく都会ならば同様の戦略を採っても勝率はもう少し高くなるであろうが、田舎では自治会推薦や引退する議員の地盤を引き継ぐ、様々なコネを活用できる人物が当選するのが実情なので、いくら真っ当なことを話す人がいたとしても、それだけで当選は難しい。
私自身は、あと5年くらいすれば、都会ではネットのみを駆使して当選する人が出てくると考えていて、田舎でも10年以内くらいには同様の結果になると予想している。
つまりまあ、腐ってやがる。早すぎたんだ という巨神兵であったのだな、俺は。
……ん? この↑ 格好が問題じゃないのかって? 君のような勘のいいガキは嫌いだよ。
##選挙を経験してわかったこと
###選挙管理委員会アナログすぎ問題
選挙公報という政策を載せることができる紙面があるのだけど、紙とデジタル入稿が選べる。ん? アナログじゃないじゃん? と思われるかもしれないが、テンプレートデータなどといったものは存在しない。
サイズ指定はあるので、それに沿って任意のソフトでデータ作って、しかも選管が指定する専用のCD-Rに焼いて提出しろ、という形。しかも渡されるCD-Rは2枚だけで、もし焼きミスしても別のCD-Rを買ってきて提出は不可。
2枚焼きミスした場合は、選管に言えば代わりのCD-Rはもらえると思うのだけど、選挙の公平性とかってのは、選管に提出するCD-Rの種類とかメーカーとか、そういう事を規定しているわけではないと思うんだ。
今回は新人も私含めて数人立候補していたので、そういった方の役に立つかなと思い、自分でIllustratorとPDF形式のテンプレデータ作って公開した。
選挙管理委員会さん、テンプレート作成料金払ってください。
###ポスター掲示場所わかりにくすぎ問題
選挙ポスターを貼る掲示板は253カ所もあるのに、渡されるのはそれぞれの周辺地図と掲示板がある住所だけ(それも時折番地がないものがある)。デジタルデータよこせよ、Google Mapsにマッピングして共有してくれよ、つーかそもそも一括して貼ってくれよ! 立候補者が少ない理由の一つは、きっとこういうところだぞ! 島にまで行って貼らないといけないのにさ!(しかも船は数時間に1本)
……仕方ないので、自分たちでマッピングして、それをもとに回りました。ちなみに道中出会った、別候補の陣営スタッフさんにも道を聞かれ、これを見せたら好評でした。
選挙管理委員会さん、別陣営サポート料金払ってください。
###選挙ポスター貼るのエクストリーム過ぎ問題
……おうこれ、エクストリーム過ぎじゃねえ?
ちなみに他の人が回ったところだと、やけに高いところに掲示板が設置されていて、ジャンプしないと貼り付けられない場所もあったようですよ?
ドブ川の向こうに掲示板があるってだけなら、本当に、本当に、たくさんあったので全くエクストリームとはいえないけど、こんな感じの本当にエクストリームなポスター掲示板もいくつかあった模様。
選挙管理委員会さん、ポスター貼り危険手当払ってください。
##まとめ
いろいろ冗談交じりに書いてみましたが、選挙はかなりの部分がアナログであり(選挙費用の申告も全て手書きで出さないといけないし)、IT業界にどっぷり浸かった身からすると、発狂しそうになるシーンが多々ありました。
なので、現時点ではITエンジニアと選挙立候補っていうのは相性が悪いな、と思うこと大ですが、逆に考えるとこういうアナログな部分をデジタル化し、サービスとして提供する事業なんてものを考えてみると面白いかもしれません。
すぐ思いつくのは、選挙管理委員会と連携して、選挙ポスター掲示板データをデジタルサービスとして提供することですが、一つの市町村では4年に1回程度しか選挙はないので、多くの自治体の仕事を請けられないと全くペイしない点がネックですね。
##さいごに
この記事では全くといっていいほど、選挙活動の全貌には触れられていないので、機会があれば勉強会のLTなどでお話をしたいと思っています。
このコロナ禍が収まり、以前のような頻繁にIT勉強会が開かれる時勢になることを、心から祈りつつ。
おしまい。