「発表方式のIT系勉強会」や「もくもく会」を開催する際にどうやったら上手く行くんだろう、という疑問を持つあなたのために、勉強会を開催する際のTipsをまとめてみましたよ。
発表方式のIT系勉強会を開催する際のTips
「雨で遅れている方がいらっしゃるようなので開始時間を遅らせましょう」は 良くない
気持ちはわかりますよ。人が来ないと意味がないですもんね。
しかし、早く出発してちゃんと到着している人たちの気分はどうでしょう?「こんなことならゆっくり来ればよかった」「雨の中走ったあれは何だったんだろう」「どれくらい時間を遅らせるんだろう。帰る時間が遅くなるんじゃないか」「まだこれから待たないといけないのかよ」とかそういうこと思ったりしないでしょうかね。
急に雨が降ってきたならまた状況が違うかもしれませんが、しかし、 雨が降っていて時間通りに目的地に行くためには、早く出発しないといけない
というのは当たり前のことですね。それで遅れてるようなのは、積極的に勉強会に参加する人たちでしょうか?雨が降らなくても遅れたかもしれないし。優先すべきは遅れる人たちじゃなくて、楽しみにしてちゃんと到着した人たちの方じゃないですかね?
それでも遅らせたい場合、
- 5分 遅らせる、など時間を告知する
- 90% になったら始める、など数字で考えて達成したら始める
行き当たりばったりでなんか数が少ないから開始を遅らせよう、というのはアンチパターンじゃないですか?ということを頭においておくと良さそうですよ。
イベントサイトの開始時間は、会場に入れる時間を指定するのではない
connpassなどではイベントの開始時間を設定できるんだけど、基本的に会場に入れる時間というのが必ず存在します。なので、その時間をconnpassの開始時間に設定してしまうと、会場に入れますよという時間に間に合うように頑張って来てしまう人と、イベント内容に書かれているタイムテーブルどおりの本当の開始時間に来る人に分かれてしまうんですね。
結論としては、connpassの開始時間は本当に開始時間に設定して、会場に入れる時間はイベント内容の記載でタイムテーブルとして会場に入れる時間を書いておくのがいいと思うよ。
LTはタイマーを用意しよう
iPadがあればAppStoreからタイマー系のアプリをインストールするか、なければMacOSX(もしくはPC)のタイマーアプリをインストールして使おう。文字が大きくて見やすいのがいいけど、発表者はついつい自分のスライドを見るので音がなる方がいいね。
発表内容が重要な内容だとしても時間はある程度区切らないと、後の人の時間がなくなるし質問もできなくなるよ。
ピザを頼むときは届いたらすぐに食べられるようにしてみよう
「LTの最中だからピザの匂いがするのに食べられない」というのは、集中してLTも聞けないし良いことがないよ。
ピザがいつ届くかは細かくコントロール出来ないので、発表の合間には休憩を細かく入れるようにしてみよう。ピザが届いたら自由に食べながら聞きましょうとか司会は柔軟に対応するようにできるといいね。
MacOSX(やPC)の接続は試しておこう
時間があれば発表者のマシンとディスプレイとの接続を試しておけるといいね。
AppleTVによるAirPlayミラーリングはケーブルを使わないので便利なんだけど、Mid 2010以前のMacbookでは使えないので、事前に発表者に確認をとってみよう。発表ではAirPlayミラーリングだけしかサポートしないっていうのはまだ難しいね。
確実なのはVGAとディスプレイポート変換アダプタを用意しておくのが一番だと思うよ。HDMIポートがない端末は多いからね。
司会は発表者について事前に少し調べておこう
マシンがディスプレイを認識しなくて時間がかかってしまったり、フリーズして進行がうまく行かなくなる時がある。そういう時に開催者側が焦ってしまう事もよくある。
そういう時は焦らず、開催者側は司会と問題を解決する人を分担できるようにしておいて、問題を解決する人に任せてどのくらいで解決できそうかを調べてもらうんだ。その間、司会は発表者について調べていたことを話してみたり、発表者とそのことについて会話して時間をかせいでみよう。発表者はLTの中で自己紹介する手間が省けるし、落ち着くことが出来る。
案外、聞いてる方はトラブルが合っても動じてないんだけど、開催者側が焦ることがよくある。発表者もすごく焦っちゃってドタバタしちゃう。それは良くないので開催者は事前準備して焦らないようにしておこう。
地図は正確に
ATNDとかconnpassとか勉強会の登録時に住所を登録しておけば、おそらく自動でGoogleMapの地図が出てくると思うんだけど、それを過信して正確な位置が表示されてるかの確認を怠ってはダメだ。自動で出てくるってことは入力した文字情報から推測してるんだね。もし同じようなものを自分で作れって言われたとして、ユーザーが確認しないでも問題が起きない程度の緯度経度を求められるものを作れる自信はあるの?
特に発表者が道に迷って遅刻したらグダグダになるよね。
抽選は余裕を持って
connpassでは先着順ではなく抽選方式ができるようになったよ。面白い試みでメリットも多いんだけど、抽選方式のデメリットは勉強会開催の申し込み受付日と抽選日の期間が長く、抽選日と開催日までの時間が短いと、「発表者が抽選されるかどうかがなかなか確定しないので、他の予定との兼ね合いが難しくなること」と「発表の準備期間が短くなる」という2点。
このデメリットの条件にあてはまると、当選するまで他の予定も入れられない、当選しなければその日程が空くというのはかなりリスキーだしつまんない話だね。
また、発表の準備期間が短いというのも辛い。他の予定がありそうならキャンセルしてしまいたくなるね。
抽選方式が解決しようとしている問題は、「申し込むかどうかをじっくり検討できる時間を作り、キャンセルを減らすため」であって、申込日と抽選日の時間を長くなってしまうとその問題は解決しなくなると思うよ。
人数いっぱいに募集しない
せっかく勉強会をやるんだから、部屋一杯に人を募集したい気持ちは分かる。しかし、知らない人がごった返している部屋の中、パイプ椅子に座って誰かの話をじっと聞くという状況を想像してほしいよね。
それでもあなたの上司なんかに「まだ余裕がありそうだからもっと募集枠を広げておけ」って言われたら「募集枠が少ないほうがレア感が高まっていいんですよ、広げるのはいつでも出来るのでまずは募集枠を少なめにしているんです」とか言っておこう。開催後にもし「なぜ募集枠を増やさなかったんだ?」って聞かれたら「募集枠を少なめにして一人一人の満足度が上がったという感想がありました。次回も参加したいという人が沢山いました」とか言ってみよう。何でもいいけど、考えなしに意見を言ってくる相手は考えなしにあしらっとけばいいよ。
どうせ土壇場でキャンセルする人が多いんだから、と枠を広げるのも間違えている。開催前にアナウンスを繰り返しするなどしてキャンセルするならするでキャンセル待ちの人が来れるようにすればいい。何より、開催する際にキャパシティを超えて参加者や準備する人間に嫌な思いをさせてしまうことはうまいやり方ではない。
参加者のTwitterアイコンが分かるようにしてみよう
TwitterアイコンとIDは知ってるんだけど、実際に会ったことがない人って多いと思うし、話しててもよく知ってるTwitterの人とは同定できないってことはよくあると思う。
できればでいいんだけど、Twitterアイコンが印刷された紙とかを服に貼り付けられるようにするといい。インクジェットプリンタで充分。そのアイコン見たことあるかもしれないっていうところからも会話が始まる。
懇談会について
できればでいいんだけど、開催側はぼっちを見逃さないようにしてあげればいいんじゃないかな。開催側は複数のぼっちを見かけたらぼっち同士が話せるようにしてほしい。開催者一人が一人のぼっちと話しすぎると他のぼっちが余る、だからぼっち同士話せるようにして、他のぼっちがを探すのがベストな気がする。
また、発表者は勉強会を聞きにきてる人に感想を聞く体で話しかけるのもいいことだと思う。これは心理的に障壁が低い。相手が自分のことを知ってると思って話しかけるのは比較的楽だよ。
結局、勉強会に聞きに行ってる人同士ってお互いのことを知らないわけで、その人達がお互いに話をしだすっていうのはそれに比べたらすごく難しいんだ。いきなり懇談会タイムでーすって言われても、なんかぼっちが音にならないニギニギ効果音だしてる感じになるので、それって開催してるほうも嬉しくないよね。
勉強会、外からtwitterでも実況みてるとワイワイやってる感じかと思っていたけど俺が参加したやつは結構静かな雰囲気で闇金ウシジマくんでいう「にぎ・・にぎ・・」って擬音が書いてあるシーンのような味わいのところが多かった
— laiso (@laiso) 2014, 4月 9
もう一つ、ぼっちの人を気にかけて話してあげてるとその人とばっかり話してしまって他のぼっちを救えなくなるというのがあるね。なので「今日の発表の中で気になる発表ありましたか?」と聞きつつ「その発表者を探して話してみましょうか」と言ってそのぼっちの人を発表者の輪に入れるように次々エスコートしていくのがいいかもね。でもそうすると運営が参加者とゆっくり語り合えないやん、と思うでしょう。そういうときには役割分担をあらかじめしておくのが良いよ。エンジニアでない人事担当でいいので、エスコート役を引き受けるようにお願いしてみよう。
司会はゆとりをもって参加者の緊張をほぐすようにしてみよう
空気を読むとは何だろうか、よくわかんないけどとにかく落ち着いて参加者を見回してみようか。参加者に声をかけ会場での注意をうながす際にでも参加している人たちが緊張してないかとか、そういう事がわかる程度には落ち着こう。そういう分析をしていると段々と落ち着いてくるはずだ。
余計な事をしないようにとか合理的にとか、そういう考えとは真逆にあるということを理解してほしい。余計なことや不合理なことも参加者にとっては面白いイベントだとなるだけなんから、自分がまず落ち着いて余裕があれば参加者の緊張をほぐすようにすればいいだろう。
ブログまとめ枠について
最近LT枠や参加枠とは別に「ブログまとめ枠」を設ける事が増えていると思う。ブログにまとめてくれると参加できなかった人も雰囲気がわかるから、次の回に行こうかなとか、そういった広告にもなるし開催側にとってもとてもありがたいんだよね。
LTをする人はかなり準備して発表しているわけで、その話を真剣に理解しないとまとめることは難しく、最低限の知識や根気がいる。お金を貰ってるわけでもないのに、そこまでしてくれるのは敬意を払える行為だ。
そういう人たちがなぜブログ枠に参加してくれるのか、それは勉強会に参加する枠が小さく、どうしても参加したいからだ。ブログ枠があれば参加してくれるだろうというのは思い違いだし、そのことについて理解をできていないということだ。
もくもく会を開催する際のTips
参加者が何を進めるかを最初に発表してもらうようにしよう
まずもくもくしたい参加者が、何を進めようと思っているのかを発表するようにできるといいんじゃないかな。コミュニケーションを取ることも目的の一つなのに、いきなり知らない人と話すときに何を進めようとしているのかを個別に話すのは時間がもったいないし、そもそも事前に共有しておけば、話すきっかけになるんじゃないかと。
あと、何をやるかっていうのをはっきりと口に出しておくのもいいね。有言実行じゃないとカッコ悪いから、無駄な作業はなるべくしないように心がける気がする。
参加者がどこまで進められたかを発表してもらうようにしよう
最終的にどこまで出来たかっていのを発表してもらうような段取りにするといいんじゃないかと思う。
- 自分がやると言ったことができてるか
- 課題が何でどうやって解決したかが共有されれば面白い
最後に
以上、Qiitaで自分のContributionが5000を超えたら、"実戦経験のない分野のTipsをいつもと違う文体で書く"という事を考えたのでIT系の勉強会やもくもく会を開催するときのTipsを書いてみた。一言で言うと勉強会を開催したこともないのにTipsをまとめた。
開催したこともないから実践的ではないし誰の役にも立たないと思う。そもそも、もくもく会は一度しか参加したことがない。それではあんまりなので最後に発表者/参加者としてのTipsを書く。おそらくこれは多少は役に立つ。
- 勉強会の開催前に早く行って椅子の設置やオフィス案内を手伝う
- 手伝い要りますか?と確認する
- 準備から手伝って人がだんだんと入ってくるのが楽しくなる
- 開催者っぽい振る舞いをしている自分が面白くなる
- 最後に椅子を片付けて体を動かすことで達成感が生まれる
- 発表者になったら参加者に話しかけてみる
- 自分の発表したのを聞いたか、みたいなテーマがあるだけ余裕が持てる
- 発表者同士で固まらないようにする
- 発表者同士で話してたら参加者がその輪に入りにくいかなと
LTの発表をするメリットは大きい。ただ、「発表したくてもネタがない」とか「自信がない」とか「ネットでググったら分かることを話しても仕方がない」と思ったりしてしまうものだ。
そういうときは自分が使っているライブラリの話をしてみるのがいい。ライブラリで解決した課題や、自分が使ってみるまで分からなかったデメリットなどは、決してググって分かることではない。もしかしたらデメリットに対して解決策を提示してくれる人が現れるかもしれない。