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【覚書】SQSイベント駆動でLambdaを動かす

Last updated at Posted at 2019-11-12

やりたいこと

  • S3にデータを配置し、配置されたデータのイベントをSQSにpushする
  • SQSにenqueueされたイベントから、Lambdaをinvokeする
  • invokeされたLambdaで、S3に配置されたファイルを処理する

仕様の再確認

S3への権限付与

  • S3バケットにSQSへのイベント発行権限を与える。SQSのアクセス許可にプリンシパルとして加える。
{
  "Version": "2012-10-17",
  "Id": "arn:aws:sqs:us-west-2:101619051410:PracticeQueue/SQSDefaultPolicy",
  "Statement": [
    {
      "Sid": "Sid1234567890",
      "Effect": "Allow",
      "Principal": "*",
      "Action": "SQS:SendMessage",
      "Resource": "arn:aws:sqs:us-west-2:1234567890:PracticeQueue",
      "Condition": {
        "StringEquals": {
          "aws:SourceArn": "arn:aws:s3:::your-bucket-name"
        }
      }
    }
  ]
}

Lambdaの挙動

  • LambdaはSQSキューをポーリングしている
    • キューでメッセージが利用可能になると、Lambdaは即座にメッセージを5バッチまで取ってしまうので注意
  • キューのメッセージを含むイベントで、関数を同期実行する
    • 同期実行なので、DLQの設定は不要
    • エラー時の再実行については、基本的にSQS側で扱う
  • メッセージは「バッチ」と呼ばれるひとまとまりで取得される
    • バッチサイズ(1つのバッチに含まれるメッセージの数)は、イベントソースマッピングを行う時に指定可能
    • 最大バッチサイズは10、最小バッチサイズは1
  • Lambdaは1回のポーリングで5バッチまでメッセージを取得し、Lambda関数を起動する

バッチのサンプル

{
    "Records": [
        {
            "messageId": "059f36b4-87a3-44ab-83d2-661975830a7d",
            "receiptHandle": "AQEBwJnKyrHigUMZj6rYigCgxlaS3SLy0a...",
            "body": "test",
            "attributes": {
                "ApproximateReceiveCount": "1",
                "SentTimestamp": "1545082649183",
                "SenderId": "AIDAIENQZJOLO23YVJ4VO",
                "ApproximateFirstReceiveTimestamp": "1545082649185"
            },
            "messageAttributes": {},
            "md5OfBody": "098f6bcd4621d373cade4e832627b4f6",
            "eventSource": "aws:sqs",
            "eventSourceARN": "arn:aws:sqs:us-east-2:123456789012:my-queue",
            "awsRegion": "us-east-2"
        },
        {
            "messageId": "2e1424d4-f796-459a-8184-9c92662be6da",
            "receiptHandle": "AQEBzWwaftRI0KuVm4tP+/7q1rGgNqicHq...",
            "body": "test",
            "attributes": {
                "ApproximateReceiveCount": "1",
                "SentTimestamp": "1545082650636",
                "SenderId": "AIDAIENQZJOLO23YVJ4VO",
                "ApproximateFirstReceiveTimestamp": "1545082650649"
            },
            "messageAttributes": {},
            "md5OfBody": "098f6bcd4621d373cade4e832627b4f6",
            "eventSource": "aws:sqs",
            "eventSourceARN": "arn:aws:sqs:us-east-2:123456789012:my-queue",
            "awsRegion": "us-east-2"
        }
    ]
}
  • 1分あたり最大60インスタンスまでバッチを読み込みできる
  • イベントソースマッピングで並列処理できるバッチの最大数は1000
  • メッセージにバッチが読み込まれると、メッセージは可視性タイムアウトに入る
    • 関数が正常にバッチを処理すると、そのメッセージをキューから削除
    • 関数が正常に終了しなかった場合は、可視性タイムアウトの後、再びメッセージが表示される
      • スロットリング
      • エラー
      • タイムアウトなど
  • 1回のポーリングで5バッチのメッセージを取得し、関数を実行する
  • ソースキューの可視性タイムアウトをLambda関数のタイムアウトの最低6倍とっておけば、Lambda関数のタイミングでキューを処理できる
    • スロットリングによってLambda関数が実行出来なかった場合、次のバッチ実行までにタイムアウト1回分の猶予がとられるらしい
      • これによって、最低でも1つ分のスロットが空いて処理が走れるようになる
  • キューの再処理ポリシーでmaxReceiveCount(メッセージ再処理回数)5に設定すれば、Lambda関数の同時実行数が1であった場合でも、同時に5個キューイングされたメッセージが、スロットリングによって喪失することはない

SQSの設定

こんな感じにするヨロシ

    "Version": "2012-10-17",
    "Statement": [
        {
            "Sid": "VisualEditor0",
            "Effect": "Allow",
            "Action": [
                "sqs:DeleteMessage",
                "sqs:ReceiveMessage",
                "sqs:GetQueueAttributes"
            ],
            "Resource": [
                "arn:aws:sqs:us-west-2:123456789102:QueueA",
                "arn:aws:sqs:us-west-2:123456789102:QueueB"
            ]
        }
    ]
}
  • DLQは必ず設定すること
    • その後のエラーハンドリングも設計しておく
  • 可視性タイムアウトの時間と、maxReceiveCount(最大処理回数)の設定に気をつけること

パラメータの決め方

考えねばならないパラメータ

  • Lambda関数の最大同時実行数
    • 並列して走らせるLambda関数の数
    • これを超えるとスロットリングが発生し、キューの処理が遅延する
  • Lambda関数のタイムアウト時間
    • これはそのままの意味
    • 最大15分
  • SQSキューの可視性タイムアウトの時間
    • このアーキテクチャに関してはこのパラメータが、メッセージの処理がエラーになった場合のリトライまでの待機時間に相当する
      • 可視性タイムアウトを抜けて利用可能になったメッセージは、即座にポーリングされてLambda関数で走る・・・というところがポイント
    • スロットリングしてしまった場合には、これにLambda関数のタイムアウト時間分が追加される
      • これのおかげで、スロットリングによる再実行の回数を少なく抑えられるしくみ
  • SQSキューの最大再処理回数
    • 何回リトライを許容するかを決めるパラメータ

決め方

  • 並列処理数上限
    • DBに接続したりする場合はコネクション数の上限とか、相手先の負荷次第
    • 5以上にしておくと、大量のジョブを同時に受けた時に、ポーリングの都度スロットリングされなくて済む
  • 実行時間上限
    • 処理の内容見合い
    • スロットリング時、現状の処理が終了しているか否かに関わらず、タイムアウト1回分追加の待ち時間が生じるので、不必要に実行時間を長くし過ぎると、スロットリング発生時に処理が極端に滞る
  • リトライの頻度
    • 平均実行時間、並列処理数上限などを合わせて考える
    • 平均的にこれくらいの時間で終わるよな・・・という辺りの可視性タイムアウトにしておけば、まずまず処理が進んでくれるはず
  • リトライ回数の上限
    • 何回リトライしてDLQに落とすか決める
    • リトライの頻度等と合わせて考える

まとめ

  • LambdaはSQSキューをポーリングしている
    • キューでメッセージが利用可能になると、Lambdaは即座にメッセージを取得する
    • 同時に5バッチ(1バッチ=1〜10メッセージ)取得され、それぞれにLambda関数が起動する
  • ジョブの管理等(リトライ・エラーハンドリング等)はSQS側で制御する
    • 最大再処理回数
    • 可視性タイムアウト
    • DLQ
  • スロットリングが発生すると、メッセージはエラーとしてキューに残る
    • 次のポーリングは、Lambda関数のタイムアウト1回分後に再開される
    • 取得されたメッセージは可視性タイムアウトの時間を過ぎると、再取得可能になる
      • つまり、この頻度でリトライを繰り返す
    • 処理が正常終了したら、メッセージは削除される
  • メッセージのリトライ回数が少なすぎると、DLQに落ちるメッセージが増えてしまうので注意
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