子プロセスとシェル変数

シェルスクリプトのシェル変数の値に関するメモ。
パイプや括弧を使うと変数の範囲が変わるという話。

はじめに

本稿で使用するCSVファイルは以下で作成。

$ seq 1 5 > hoge.csv

<とwhile readで読み込む場合

• サンプルコード

sample1.sh

# !/bin/bash

i=0

while read line
do
  i=$((i + 1))
done < hoge.csv

echo $i

• 実行結果

$ ./sample1.sh
5

catとwhile readで読み込む場合

• サンプルコード

sample2.sh

# !/bin/bash

i=0

cat hoge.csv | while read line
do
  i=$((i + 1))
done

echo $i

• 実行結果

$ ./sample2.sh
0

パイプを使うと子プロセスになるので、外側のiは0で初期化したまま結果が0となる。
子プロセスは親の値を引き継ぎ、その後はその中でだけ使用される。

catとwhile read、()で読み込む

• サンプルコード

sample3.sh

# !/bin/bash

i=0

cat hoge.csv | ( while read line
do
  i=$((i + 1))
done

echo $i
)

• 実行結果

$ ./sample3.sh
5

()または{}で囲えばその中は同じプロセスとなる。
()と{}の違いは子プロセスにするかどうか。

()は子プロセス、{}は現プロセスでまとめる。

sample4.sh

# !/bin/bash

hoge(){ echo '$$:' $$ ' $BASHPID:' $BASHPID; }
fuga()( echo '$$:' $$ ' $BASHPID:' $BASHPID )

echo '$$:' $$ ' $BASHPID:' $BASHPID
hoge
fuga

• 実行結果

$ ./sample4.sh
$$: 17721  $BASHPID: 17721
$$: 17721  $BASHPID: 17721
$$: 17721  $BASHPID: 17722