はじめに
個人でUnityゲームを開発している僕ですが、Claude Code Actionを導入してみたところ、「1人なのにチーム開発」という不思議な状況が生まれました。
複数のIssuesを並列で進行させ、Pull Requestが次々と作られ、レビューをしながら機能を実装していく...まるで優秀なエンジニアチームと一緒に働いているような感覚です。
本記事では、どうやって「1人でチーム開発」を実現したのか、その具体的な方法と体験を共有します。
Claude Code Actionsとは
Claude Code ActionはAnthropicが提供するAIコーディングツールで、GitHubのIssuesやPull Requestsと連携して、自動的にコードの実装やレビュー対応を行ってくれるツールです。
Issuesで要件を伝えると、自動的にブランチを作成し、実装を行い、Pull Requestまで作成してくれます。つまり、Issueだけ立てておけば、複数のAIメンバーが自律的に動いてコーディングをしてくれます。マジでチーム。
「1人チーム開発」のセットアップ
1. API KeyおよびMaxプランを使ってセットアップする
API Keyを使う場合:
Anthropicのコンソールでクレジットを購入する必要があります。
クレカ決済で進められるのですが、最後の「Business tax ID」の欄だけ迷いました。個人事業主の場合は、インボイスの適格事業者番号(Tから始まる番号)を入力すれば通ります。
API Keyの作成も忘れずに。
Maxプランを使う場合:
のちの/install-github-app
コマンドのときに、下記の選択肢を選んでください
2. Claude CLIのインストール
npm install -g @anthropic-ai/claude-code
claude --version
# 1.0.3 (Claude Code)
3. GitHub Appのセットアップ
プロジェクトのディレクトリに移動して、以下のコマンドを実行します:
claude
/install-github-app
僕の場合、自動セットアップの最後でエラーが発生してしまいました。
ただ、手動セットアップの手順が表示されるので、それに従って手動でセットアップできました。
API Keyを使うと従量課金、Maxプランに加入している場合はsubscriptionを選ぶことで定額で利用できます。
「1人チーム開発」の実際の流れ
Claudeへの指示の出し方
Claudeに効果的に指示を出すには、Issuesの書き方が重要です。僕が実際に使っているテンプレートを紹介します。
# PRD
## 目的
Akimがレベル3のとき、オーラが出てくる。が、敵が出ないところでは煩わしいので非表示にしたい
- 「敵がいない」フラグがONになっているとき、オーラのparticle systemを止める
- 「敵がいない」フラグが再びOFFになったとき、オーラのparticle systemを再開させる
## 技術的制約
- 単一責任の原則を守りつつより良いクラス設計にすること
- Unity Editor上での各種コンポーネントのアタッチ作業はユーザーが行うので、仕組みだけ用意して欲しい
- `Assets/Scripts`配下にコードは書き、namespaceをつける
## 開発ガイドライン(参考)
- フラグは`Assets/Scripts/Core/Flag.cs`。「敵がいない」フラグを末尾に追加すれば良い
- フラグ管理は`Assets/Scripts/Core/FlagManager.cs`
- オーラを出しているところは`Assets/Scripts/Core/ChangeSpriteAnimationOnLevelUp.cs`
- 目的: 何を実現したいかを明確に記載
- 技術的制約: 守ってほしい設計原則やルールを明記
- 開発ガイドライン: 関連するファイルや実装のヒントを提供
共通ルールの設定(CLAUDE.md)
プロジェクトルートにCLAUDE.md
を配置することで、Claudeに対して共通のルールを伝えられます。
ちな、これもo3と相談しながら作ってます。人間の意味。
# CLAUDE.md
# ───────────────────────────────────────────────
# Unity プロジェクト用 Claude ガイドライン
# ───────────────────────────────────────────────
## 応答のルール
- 常に日本語で応答してください。コード部分はそのままにしてください。
## プロジェクト概要
- **エンジン**: Unity 2021.3
- **ビルド対象**: WebGL
- **主目的**: メトロイドヴァニア型 2D アクション
- **ゴール**: 年末リリース、月間アクティブ 1,000 人
## ディレクトリ規約
| フォルダ | 用途 |
| -------- | ---- |
| `Assets/Scripts/` | ゲームプレイロジック |
| `Assets/Game/` | 各種Prefab |
| `Assets/Scenes/` | シーン |
## 基本作業方針
- PRDを受け取ったら、PRDを確認し、不明点がないか確認する
- その後、PRD の各項目を Planに落とし込む
- Planは `Assets/DocsForAI/Plan/${タスクの概要}.md` に保存
- Impする
- Imp時に触って良いファイルは`Assets/Scripts/`配下のみ
- Impが終わったら
- `Assets/DocsForAI/Design`配下に設計書をmdファイルで出力して保存する
- プルリクエストのマージはユーザーが行う
「基本作業方針」でフローと成果物を定義したのがポイントです。
Planを見れば、何をどういう意図でやろうとしているか後で把握できるため、軌道修正がしやすくなります。
実際のワークフロー
-
タスク割り当て: Issuesをたて、
@claude
でメンションして要件を伝える -
並列作業開始: Claudeが自動的にブランチを作成し、実装を開始
-
Pull Request作成: 実装完了後、Pull Request作成のリンクが提示される
-
コードレビュー: Pull Request上でコメントすると、Claude Code Actionが走って修正してくれる
「1人チーム開発」を体験してみた感想
マジで並列作業ができる
複数のIssuesを同時に作成すると、それぞれが独立したブランチで並列に進行します。エンジニアは僕1人なのに、気がつくとAIたちがやりまくったPull Requestが溜まっていくという、まさに「チーム開発」の状況が生まれます。
「あ〜あの機能作るのめんどくさいな〜」
ってときに、要件だけIssueに書いて丸投げし、自分はストーリーやステージ作りなどのゲームのトロの部分に集中できます。寝る前とかに依頼したり。
チームメンバーとしての品質が高い
裏で動いているのはClaude 4.0 SonnetまたはOpusとのことで、実装品質は非常に高いです。今のところ「お前さあ...」と思うような実装は出てきていません。
軌道修正がしやすい
各Pull Requestにはタスクの進捗がTodoリスト形式で表示されるため、軌道修正がしやすいです。Todoの時点で明後日の方向を向いてないか確認できるため、安心できます。
まとめ
「1人でチーム開発」という一見矛盾した体験を通じて、個人開発の新しい可能性を感じました。特に、機能の並列開発ができるようになったことで、ゲームそのものに集中できる時間が圧倒的に増えました。
個人でゲーム開発をされている方で、「1人じゃ手が足りね〜〜〜」と感じている方には、Claude Code Actionの導入をおすすめします!