年明けのタイミングのふりかえりとして、未来ファンダンラーンをやってみました。
「いまから3ヶ月後、4Qの目標を達成できた!という気持ちになる」
という体で、「3ヶ月後にできたこと」=やるであろうことを付箋に書き、それを紹介(自慢!)しながらFun/Deliver/Learnに貼っていきます。わざと過去形で、「○○をやってお客様にすごい喜ばれました! 自分も嬉しかったです」みたいな。
ダーツの矢は、最後のまとめとして、これから3ヶ月どういうバランスを狙っていくか?を全員で示したものです。
これからやることをイメージして共有するという内容になるので、インセプションデッキ作りのタイミングで取り入れたり、簡易な代替としても使えそうです。
やり方
例として今回の進め方を説明してみます。今回は10人でやって、全体で30分弱。ツールはMiroでした。
- 次の重要マイルストーン(今回は3ヶ月後)に、マイルストーンの目標を達成した気持ちになる。どんなことを、どんなふうにやったか想像する
- 1人ずつ付箋に、自分がやった(やるだろう)ことを書き出す。仕事、機能、作業など、なんでもいい。5分間程度
- その間にFun/Done/Learnの枠を用意する。今回は、チーム外への価値提供や貢献にフォーカスするため、Done→Deliverにしました
- 1人ずつ順番に、付箋を紹介しつつ、Fun/Deliver/Learnの中に貼っていく。わざと過去形でしゃべる。たとえば「マニュアルを作りました。別部署と協力してやったのでDeliverで、初めての作業なのでLearnもありました。ドキュメント中心なのでFunはなかったですね」という感じで。周りの人は「あれは大変だったねー」「すごいいいデキだったよね!」「おかげで助かりました」などとノリよくわいわいしましょう
- 1枚紹介したら次の人へ。1人1枚ずつでぐるぐる回しながら進める。時間が足らなくなったら、残りは説明せず、全員同時に、自分のものを枠内に貼ってしまってもよいです
- 最後に、気持ちをいま現在に戻して、付箋のバランスを見ながら、Fun/Deliver/Learnのどのあたりのバランスを狙っていくとよいか考え、そこにダーツのアイコンを1人1箇所貼る(星マークとかのほうがよいかも)。今回だと、Deliver重視だけどFunもほしいし、Learnもできれば狙いたい、みたいな感じになっています
- ファシリテーターがてきとうにまとめる。今回はこんなことを言いました。「これが向こう3ヶ月で狙いたいバランスですね。なにか判断に迷ったとき、このバランスに近づくように考えると、たとえばDeliverを最優先しようとか、チームの方向性をそろえられますね」。余裕があれば、全員で言語化して残せるとよいかもしれません。インセプションデッキにおけるトレードオフスライダーのような役割も果たせます
やってみての気づき
今回やってみた中で、みなさんの発言に以下のような傾向が見られました。どんな傾向があるか意識して聞いていると、メンバーが今後の見通しをどう考えているか情報収集でき、ひいてはリスク対策にもつなげられそうです。
- かならずしも計画通り、理想的に終わったとは、言わない人が多い。どういうところに苦労した、と具体的な話もあった。
- 「お客様から使いにくいところをフィードバックしてもらえた」のように、誰からどんな学び(Learn)が得られるか言明があった。
- プロダクトとして必須のアウトプットについて、複数人が「自分がやった」と言った。協力して進められそうな関係性が見えた。
- ダーツの位置がかなり集中し、しかもど真ん中ではなかった。マイルストーンへの方向性がすでにそろっている。
スクラムマスターが情報収集する手法としても、役に立ちそうです。
年明けに限らず、なんらかの大きなリリース後とか、マイルストーン達成後などのタイミングでも使えると思います。インセプションデッキ作りに含めてもよさそうです。